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鈴木彩子『けがれなき大人への道』(4thアルバム)

2020年07月18日 | その他(鈴木彩子,アマビエ様風味?,雑記など)
ビクターから 鈴木彩子名義のCDで出ていた分の 全作品が、 配信に対応したとのことで...

今回は、 4thアルバム『けがれなき大人への道』について。

このアーティスのキャリアの中でも 特に重要な作品の1つだろう。
聴く側からの 勝手なイメージとしては、 ここまでは いわば 助走や模索といった 準備期間だったようなもので、 ここから 本当の“鈴木彩子”の世界が 明確に見えてくる、といった感じ。

個人的には、 最初に買ったのが このアルバムだったこともあって、 思い入れが とても強いということもあるが、 お薦め度は とても高い作品。

インターネットが まだダイヤルアップ中心だった頃に、 チャットで話題にした時に、 後日 「何枚のアルバムからの ベストアルバムなの?」と訊かれたこともある。
内容の充実でも、 各曲のイメージの振り幅の広さでも、 毎年 アルバムを発表している 限られた期間に制作された分だけとは思えない、ということだと思う。

でも、 興味は持ったが、ジャケットの写真を見て 買うのを止めた、という人もいたが x x x
3rdアルバムまでと比べると、 メッセージ性として かなり 攻めた内容というか、 聴き手を選ぶというか、 誰にでも受け入れられ易いというほど 無難で簡単な作品ではない部分もあると思うし、 このジャケ写は 作品のイメージが表されていると思う。
そういうことでは、 このアルバム名と ジャケ写を見て “自分のゾーンとは違うだろうな...”と感じるなら、 それはそれで かなり妥当な印象なのかもしれない。


主要な曲の 「葛藤」 「VOICE ~明日への滑走路」 「それぞれの探しもの」は 『ALL TIME BEST ALBUM』の関連で 前にも挙げたので、 ここでは省略して・・・


私の色
詞も 歌唱も含めたサウンドも、 明るく クリアーなイメージの曲。

アルバムの曲順通りに聴くと、 1曲目「葛藤」の次の 2曲目。
この曲そのものへの評価というよりも、 1曲目から
 人の波と欲望になびくな
 生き残れ溜息の街 黒い都会で
こういう詞が 勢いよく歌われた次には どんな曲が・・・ と思ったところに この曲、という、 冒頭から いきなりの 振り幅の広さに ちょっと コケそうになるような 流れの極端さの部分での印象が強い x x x


誓い
詞の言葉が かなり立て込んでいるので、 個人的には、 自転車で走りながら 口ずさんでいると 酸欠になりそうになる... というところでの印象が 強かったり x x x


旅立つ朝に
これも インターネットが まだダイヤルアップ中心だった頃に、 チャットで話題にした時の話・・・
この曲は、 アニメ映画で使われている“アニソン”でもあるので、 そっちを 先に知っている人だったようで、 真面目な曲の中に 急にアニソンがでてきて、 頭が アニメの世界観の方になって ヘンな感じ、なのだそう。

アルバムの曲順では、 とても強い印象を与える力があるだろう 「VOICE ~明日への滑走路」の直後なので、 なおさら ギャップが大きいのかもしれない。


この闇を越えて
そう多くの人が好んで聴こうとするような曲では ないだろうとは思うが・・・
#鈴木彩子リクエスト で Twitterに 少し書いた曲。

前奏の頭から 圧迫感があるサウンドで、 ハッピーな情景は描かれないことは すぐに想像できる通り。
1番の詞は メロディーにのって歌われる、が、 2番になると 元のメロディーからは外れたところで 言葉をぶつけていくように叫ぶフレーズがでてくる。
3番になると、 ほぼ逸脱しているような印象もあり、 大サビでは 演奏が元のサビのメロディーをトレースしている中で 全く違った場所で 語りかけ、そして 叫ぶ・・・

と書くと、 ぐちゃぐちゃな曲のように思われそうだが・・・
Aメロでは逸脱していても Bメロは 元のメロディーにのって歌い、 大サビで逸脱した後には 元のサビのリピートがあり、と、 音楽としての体裁は保ちながらの表現として 構成されている。

曲名の通り、 詞が描く情景は 重く暗い 「闇」の中にいても、 語り、叫ばれる言葉は 熱い。
そこには、 明るい光に照らされた中での輝きとは違った感覚での 眩しさがあると思う。

とても個人的には、 この曲があったことで、 この表現ができるアーティストなら、 信じられるのではないか、 信じてもよいのではないか、と感じた。
だから、 もし、 このアルバムに この曲がなかったら・・・、 もしかすると、 このアーティスの 他のアルバムを聴くことは なかったかもしれない 分岐点になっていた曲だと思う。
そして、 あれから 長い年月が経っているが、 少なくとも 今のところ、 あの時に、 信じられるのではないか、と思った感覚は、 正しかっただろうと思っている。


あの時いっしょにいた瞳たち
なかなか 自分で期待するようには 上手くいっていない状況は、 誰にでもあることだろう。
そういった 不安や焦りを、 学生時代の仲間たちを思い浮かべながら、 美しいサウンドとメロディーで歌う。
夕暮れの風景から始まって、 思い浮かべるシーンが、 夜、 明日、 と 時間軸に沿って移っていく詞に、 サウンドでの情景表現が 上手く重ねられていると感じる。
この曲 単独で見ても、 とても いい曲だと思う。
そして、 アルバムの曲順通りに 「この闇を越えて」の後だと、 より一層 美しさが際立つだろう。


春夏秋冬
カヴァー曲。
歌詞は 少し替えてある、という話を見たような記憶があるが・・・、 詳しくは知らない x x x

個人的には、 このアルバムを買う きっかけになったのは この曲だった。

たぶん アルバムのキャンペーンのようなものだったのだろうが、 ある 関西ローカル(?)の 深夜番組で見たことで 関心を持った・・・ のだが・・・
実のところ、 その当時には 音楽CDを買う意識はなかったこともあって、 実際に買うのは ずっとずっと後・・・、 今となっては 正確にはわからないが、 1年とか2年とかの後になってからだった...はず。
そんな後まで 憶えていたというのも、 それはそれで スゴい話かもしれないが・・・

そこから思うこと・・・

歌手のキャンペーンに限ったことではなく、 その他の色々な活動でも、 伝えたいこと、知ってほしいことがあっても、 “これをしたからといって 誰に届くのか・・・”というような状況は よくあることだろう。
でも、 当たり前すぎることながら、 たいした期待は できそうもないような機会でも、 僅かでも可能性があるのだから、 ちゃんとやらないといけない、ということ。
そして、 可能性が小さく見えても やり続けていくことが大切、ということ。
それが、 何の反応もなく 何の成果もなく終わったように見えたとしても、 それは まだ 何の結果も決まっていない、ということ。

実際に、 “その時”には 何の反応もしなくて、 その存在に気付きようもなかった誰かが、 およそ四半世紀も経った今になっても、 こんなことを 長々と書いていたりするのだから。


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