がんばれ! がんばれ! もうすぐだよ。(箱根駅伝)
ソニーの新人事(2)
28日の朝日新聞の報ずるところによると、ソニーは、27日、取締役12人中8人を社外から招く新取締役候補案を発表した。社外取締役が初めて過半数を占めることになり、「経営監督と執行の分離」を明確にするということである。
ソニーは、すでに委員会等設置会社となっているから、株主総会に提出する取締役の選任及び解任に関する議案の内容の決定は、過半数が社外取締役であって執行役でない者によって構成される指名委員会の専属的権限となってきている。しかし、委員会等設置会社といえども、取締役の過半数は、社外取締役でなければならないとはされておらず、従って、取締役会でも、社外取締役が過半数を占めることは、法の強制がない現在では、たとえ公開会社いえども、いくらなんでも日本の会社では、まず100パーセント期待できないのではないかと思われていたところからして、今回のこのソニーの発表は、アメリカの会社ならいざ知らず、日本の会社のことだけに極めて衝撃的なものがある。
さきに、ソニーは、最高首脳部の人事の決定に社外取締役の影響が見られたことで注目されたが、今回さらに、この、アメリカ型の「コーポレート・ガバナンス」(会社管理)の見地から極めて有益な会社管理体制の強化に踏み切った英断は、当然高く評価されるところである。
日本の公開会社でも、目下のところは、伝統的な取締役会の構成、すなわち殆ど全員が社長の押さえがきく従業員から抜擢した者ばかりであり、従って、嘗ての上司であり、かつ、自分を取締役に引き上げてくれた恩人である社長等の行動の監視、監督を旨とする本来の取締役会の重要な役割・機能の発揮は当然なされず、単なる業務の打ち合わせ会に堕し、株主総会に負けず劣らず、取締役会も、形骸化しているが、最近は、この弊風への風当たりが強くなってきたこともあって、少数の社外取締役を入れることにしているものの、周知のとおり、これも期待された役割は、十分に発揮されていないのが現状である。
委員会等設置会社における指名委員会ほかの各委員会の委員の選定は、あくまでも取締役会によって決定されるのであるから、この肝心の取締役会も、やはり各委員会と同様にその取締役の過半数は、社外取締役によって構成されるのが理想である。いつまでも、1人や2人の社外取締役の導入でお茶を濁している場合ではないのである。もともと、アメリカ流の取締役会の考え方の基本には、監督される者と監督する者とは、別でなければらないというごく当たり前の原則が横たわっている。取締役会に、まさにその監督の対象となる現に業務を執行している最高責任者である社長を加えるにしても、それは何かと便利なことも多いというだけの理由によるのであって、本来は例外的なメンバー(いわばオブザーバー)に過ぎないわけである。
そうかといって、日本では、180度の頭の切り替えが必要となるだけに、今、急にこういう理想を、自然発生的でなく、無理に強制できるわけのものではないことはいうまでもないが、しかし、もはや日本の会社ではなく、アメリカの会社といってもそれほど間違いともいえないような会社になっており、そのため、合弁会社とか特別な会社でもなんでもないのに、すでに現在、社内・社外で8人づつの取締役になっているソニーだからこそできるともいえるこの理想的な措置は、たしかに現在日本では高嶺の花ではあるにしても、とにかく大いに、参考となる事例であることは否定できないところと言えよう。
ソニーの新人事(2)
28日の朝日新聞の報ずるところによると、ソニーは、27日、取締役12人中8人を社外から招く新取締役候補案を発表した。社外取締役が初めて過半数を占めることになり、「経営監督と執行の分離」を明確にするということである。
ソニーは、すでに委員会等設置会社となっているから、株主総会に提出する取締役の選任及び解任に関する議案の内容の決定は、過半数が社外取締役であって執行役でない者によって構成される指名委員会の専属的権限となってきている。しかし、委員会等設置会社といえども、取締役の過半数は、社外取締役でなければならないとはされておらず、従って、取締役会でも、社外取締役が過半数を占めることは、法の強制がない現在では、たとえ公開会社いえども、いくらなんでも日本の会社では、まず100パーセント期待できないのではないかと思われていたところからして、今回のこのソニーの発表は、アメリカの会社ならいざ知らず、日本の会社のことだけに極めて衝撃的なものがある。
さきに、ソニーは、最高首脳部の人事の決定に社外取締役の影響が見られたことで注目されたが、今回さらに、この、アメリカ型の「コーポレート・ガバナンス」(会社管理)の見地から極めて有益な会社管理体制の強化に踏み切った英断は、当然高く評価されるところである。
日本の公開会社でも、目下のところは、伝統的な取締役会の構成、すなわち殆ど全員が社長の押さえがきく従業員から抜擢した者ばかりであり、従って、嘗ての上司であり、かつ、自分を取締役に引き上げてくれた恩人である社長等の行動の監視、監督を旨とする本来の取締役会の重要な役割・機能の発揮は当然なされず、単なる業務の打ち合わせ会に堕し、株主総会に負けず劣らず、取締役会も、形骸化しているが、最近は、この弊風への風当たりが強くなってきたこともあって、少数の社外取締役を入れることにしているものの、周知のとおり、これも期待された役割は、十分に発揮されていないのが現状である。
委員会等設置会社における指名委員会ほかの各委員会の委員の選定は、あくまでも取締役会によって決定されるのであるから、この肝心の取締役会も、やはり各委員会と同様にその取締役の過半数は、社外取締役によって構成されるのが理想である。いつまでも、1人や2人の社外取締役の導入でお茶を濁している場合ではないのである。もともと、アメリカ流の取締役会の考え方の基本には、監督される者と監督する者とは、別でなければらないというごく当たり前の原則が横たわっている。取締役会に、まさにその監督の対象となる現に業務を執行している最高責任者である社長を加えるにしても、それは何かと便利なことも多いというだけの理由によるのであって、本来は例外的なメンバー(いわばオブザーバー)に過ぎないわけである。
そうかといって、日本では、180度の頭の切り替えが必要となるだけに、今、急にこういう理想を、自然発生的でなく、無理に強制できるわけのものではないことはいうまでもないが、しかし、もはや日本の会社ではなく、アメリカの会社といってもそれほど間違いともいえないような会社になっており、そのため、合弁会社とか特別な会社でもなんでもないのに、すでに現在、社内・社外で8人づつの取締役になっているソニーだからこそできるともいえるこの理想的な措置は、たしかに現在日本では高嶺の花ではあるにしても、とにかく大いに、参考となる事例であることは否定できないところと言えよう。