枯野

写真の楽しみ

ライブドアのニンポン放送への取締役送り込み

2005-04-07 | 雑文

                    (東海禅寺の北品川にある墓地にて)

 6日の日本経済新聞の報道によると、ライブドアは、ニッポン放送に対し20人の過半数に相当する11人の取締役を送り込む方向で、株主提案を送付する準備を進めているということである。
 株主総会で議決権の過半数を制することが可能と思われることから、その提案は、6月総会で賛成多数で承認可決されることは、既定の事実といっても差し支えないであろう。衆議院で過半数を占めた政党が、総理大臣を出し、全閣僚もその総理の思うままの者を宛てさせるのと全く同じことである。
 このことは、取り立てて話題にするほどのこともないが、折角なので、外野席から野次を飛ばそう。
 まず、第一に、最近はかなりの大会社でも取締役の総数は、可能な限り少なくする傾向にある。少ないほどいいというものでもないだろうが、終身雇用の論功行賞として従業員に報いるため、また、元部下の従業員なら社長の押さえがきくことから、つい従業員から経営手腕の有無とは関係なく、多数取締役に抜擢し、そのため取締役の総数は、膨張する一方であった。もっとも取締役という肩書きがあると対外的に商売がやりやすいという利点もあって、商社や銀行、証券会社などは、50人以上もの取締役を抱えていたものであった。
 ニッポン放送では、いままで取締役は、20人置いていたようであるが、同放送の内部事情のことは外野席からではさっぱり分からないが、昨今の傾向からすると、10人でも多すぎるようなな感じがしないでもない。そうだとすると、いい機会だから、この際6月総会で、今後は、例えば、総数10人前後の少数精鋭の取締役を置くことに改めることにしてはどうだろうか。
 蛇足ではあるが、ニッポン放送も多分定款では、「取締役は、20名以内とする。」というふうに規定されているはずで、「20名とする。」といつたふうには規定してはいないと思われる。「××名」と規定してしまうと、1人でも死亡したり、辞任したりすると、急遽臨時総会を開催して補充選出しなければならなくなり、時期によっては、面倒になることから、どの会社でも確定数とはせず、上限を定めるに止めているのが普通である。この限度内で何人とするかは、そのつど総会で、3人以上なら如何ようにも任意に決めてよいわけである。いうまでもなく20名が任期満了により退任となるからといって、同数の20名を選任しなければならないというようなことは、毛頭ないわけである。 
 次に、今後のニッポン放送のこれらの取締役を誰にするか、また総数を何名にするかは、勿論ライブドア側がいかようにも思うままに決めることができるわけであるから、極端な場合、総数を10名程度に半減することとし、かつその全員を自派で独占しても何ら差し支えないわけであるどころかむしろその方が筋であるといえようが、上記報道によると20名の過半数ぎりぎりの11名の取締役を自派から送り込むに止めるかのようである。取締役会の決議は出席した取締役の過半数で決するのであるからこれで最小限ことは足りるわけであるが、反対を押し切って強引に採決に持ち込んだりするのも、国会ではあるまいし、やや角が立つばかりでなく、取締役の中に他派の者が交じっていると、取締役会での議論やその他の事情がすべて筒抜けになり、やりにくいことも起こりうるであろうから、他派の要求や意見は、取締役会の外でじっくり承ることにして、閣内には入れないようにするのも一考に値しはしないだろうか。また、この際、従業員様や取引先様、出演者様の動揺を避ける意味からも、これらの方々から適当な人をそれぞれ1人づつ取締役に入って戴くことも考慮してはいかがなものであろうか。