||||||| 時期の防除:カスケード乳剤 |||||||
本年、果樹の生育は春先までの天候により開花は早く進みましたが、その後天候の影響で平年並の生育となっているところが多いと思われます。
各作物の防除は、それぞれの生育状況に合わせた薬剤防除を実施していることと思いますが、山梨県果樹病害虫防除暦では5月中〜下旬時期に「カスケード乳剤」が記載されています。
この薬剤は幼虫の脱皮阻害と雌成虫の産下卵ふ化抑制という特異的な殺虫作用を示します。成虫の発生が見られる時期の適期防除を行い被害の拡大を防ぎましょう。
脱皮阻害型殺虫剤:カスケード乳剤(有効成分フルフェノクスロン:10.0%乳剤)
キチン質合成阻害の昆虫生育阻害剤(Insect Growth Regulator:IGR)
特 長
- 殺虫スペクトラムが広い
チョウ目、カメムシ目、ハエ目、アザミウマ目、ハダニ類と幅広い害虫に有効です。
- 幼虫に顕著な効果
本剤はキチン質合成阻害剤であり、幼虫の脱皮時に高い活性を示します。
- 残効性に富む
遅効的ですが、残効性に富み密度抑制効果に優れた剤です。
- 天敵に影響が少ない
カブリダニや寄生蜂などの天敵に影響が少ないため、害虫の総合的害虫管理(IPM)に利用できます。
- 薬害発生の心配が少ない
通常の使用方法では薬害発生のおそれが少ない薬剤です。
殺虫剤分類 IRAC:15
適用表はBASFジャパン株式会社ホームページよりご確認ください。
https://crop-protection.basf.co.jp/insecticide/cascade
適用害虫・使用方法内で閲覧できます。
2019年8月、ぶどう「ハスモンヨトウ、3000倍、収穫30日前まで、2回以内」に適用拡大されました。
追記(5月31日)
山梨県内の圃場にてモモハモグリガの発生を確認しました(5月25日撮影)。
カスケード乳剤散布適期は成虫発生盛期です。