||||||| ブドウハモグリダニ防除剤「クムラス®︎」 |||||||
®︎:BASF社の登録商標
ブドウハモグリダニは、これまでもアグリ通信.ACERA(農薬通信)で掲載してきた通り、巨峰系4倍体品種に甚大なる影響を及ぼす「ブドウえそ果病」を媒介する害虫として認識されているかと思います。
「ブドウえそ果病」はウイルス病の一種で、新梢は節間が短く萎縮し、葉はモザイク症状を示します。
果実では幼果期に果面にぼんやりとした黒色斑点を生じ、内部は壊死が確認されます。
罹病樹は生育不良を起こすため、熟期を迎えなかったり、果粒の軟化が起きてしまったりと収量への影響が大きいため、感染させないことが重要となります。
感染してしまうと除去することはできないので伐採せざるを得ない状況となってしまいます。
防除方法はブドウハモグリダニの防除が基本となります。
休眠期に越冬病害虫の適用がある石灰硫黄合剤を用いることが対策ですが、近年住宅隣接園が増え汚染、臭いの影響などで防除しにくい環境が増えつつあります。
数年前までは適用薬剤がなく対策は石灰硫黄合剤のみでしたが、以前ご紹介した通り「コテツフロアブル」の適用拡大、さらに今現在では「アプロードエースフロアブル」、「モベントフロアブル」にも適用があります。
今回ご紹介する殺虫殺菌剤「クムラス」は硫黄:79.2%を有効成分とした水和硫黄剤で、サンケイ化学株式会社から販売されています。
製品は2007年1月に農薬登録を取得し、うどんこ病、ダニ類防除剤などとして野菜類、果樹類で使用されていますが、2021年11月に作物名「ぶどう 」希釈倍数「300倍」適用病害虫名「ブドウハモグリダニ」使用時期「休眠期」の内容で適用拡大されました。
山梨県果樹病害虫防除暦では石灰硫黄合剤の散布ができない園のブドウハモグリダニ対策として2024年から注意事項欄で採用されています。
これまでは休眠期薬剤との混用事例が少なくデランフロアブルのみ混用可能となっておりましたが、他薬剤ベンレート水和剤などとの混用も確認が取れたため、2025年防除暦では記載薬剤と混用してもよいと、記載されました。
クムラスの特長
- 硫黄を有効成分とし、ハダニ類、サビダニ、うどんこ病やさび病等に効果を示す殺虫殺菌剤です。
薬液調製がしやすい顆粒状の製剤です。
農林水産省登録:第21874号
性状:褐色水和性微粒及び細粒
毒性:普通物(毒劇物に該当しないものを指していう通称)
危険物:第二類 硫黄
殺虫剤分類:UN
殺菌剤分類:M2
製品は少し臭いがありますが、調製液や散布後は臭いの少ない製剤です。
汚染については休眠期薬剤と同様の程度となります。
サンケイ化学株式会社「クムラス」登録内容は下記から
https://www.sankei-chem.com/products/productfile/?id=69
混用事例
https://www.sankei-chem.com/products/mixfile/?id=69
株式会社 アセラ 農薬部 フェイスブック
https://www.facebook.com/acera.agriStep?locale=ja_JP
株式会社 アセラ 農薬部 インスタグラム