近藤嘉宏 ショパンとベートーヴェンの夕べ
ベートーヴェン:ピアノソナタ第14番「月光」
ショパン:エチュード第3番「別れの曲」
ショパン:エチュード第12番「革命」
ショパン:幻想即興曲
ショパン:ノクターン第20番「遺作」
ショパン:小犬のワルツ
ショパン:英雄ポロネーズ
ベートーヴェン:ピアノソナタ第8番「悲愴」
ベートーヴェン:ピアノソナタ第23番「熱情」
11月23日午後6時開演。フェスティバルホールにて。
念願の「ベートーヴェンの3大ソナタを一挙に聴く!!」夢がこのたび実現しました。しかも大阪で、しかもフェスティバルホールで、しかもしかも「あの」大きなホール(2700席)が満席
四方八方上方、どこを見たって人・人・人・・・すごいわぁ!
開演になり客電が落ち・・・そして演奏が始まる・・・のではなく、近藤さんの挨拶が・・・ではなく、このコンサートは朝日新聞厚生文化事業団主催のチャリティーコンサートなので、まずは主催者が大きな募金箱を持って舞台に現れ、次に近藤さんが出てきて募金箱にお金を入れるというパフォーマンスから始まります。
これ、恒例なのですが、なぜかいつも笑いを誘います。
そしていつもの「曲目紹介&トーク」があり、いよいよ演奏へ。
「月光」は久しぶりに聴きました。
好きなんだよねー、近藤さんがこれ弾くの。私の中では、ファンになってから5年のあいだ、終始一貫して「この曲=近藤さん」であり、この曲が近藤さんそのもの、すべてなんです。
音の美しさ、明るくクリアな中にもほのかに漂う哀愁感。優しさと力強さ。第1第2第3と楽章が変わり曲想が変化しても、ずっと変わらない何か・・・こういうのを底力っていうのでしょうか?
いいねぇ。
月光のあとはショパンのメジャーな曲を次々に。
気のせいかもしれんけど「遺作」から音が変わった。きれいな真珠玉がコロコロコロと転がっていくような感じ。ホントにきれいな音だった。曲を聴くというより音を鑑賞するといった方がぴったりきました。
すごいなぁ。どうやったらあんな音出せるんだろ。なんかまた近藤さんが遠い人に思えてきました。
20分の休憩をはさんで第2部へ。
悲愴、熱情。
悲愴を聴くといっつもわくわくします。よくできた曲だなーといつも思います。月光や熱情と違い、きらびやかさや派手さはないけどね、遠くに見える明るい光を追っかけているような、心が躍って、曲に乗ってどこへでも行けそうな気がするんですよね。
うーん、うまく書けんなぁ。
熱情はウィーンとは違った感じでした。ウィーンの時はピアノから火ィ噴くで、と思うくらいの激しさでしたが、今回はどっしりと落ち着いた感じ。貫禄ある演奏でした。ウィーンで聴いたときも思ったのですが、3楽章の最後の最後の部分、近藤さん、弾き方変えましたよね??? 絶対、今の方がよいですよねー。
今回配られたパンフレットに載っていたインタビュー記事はウィーンデビューのことがメインでしたが、近藤さんにとっても楽友協会での演奏は素晴らしい経験だったようでした。
「今度の経験はとても感動的な瞬間でした。言葉でなんと表現していいのかわからないくらい」・・・インタビュー記事より。
近藤さん、あのときのことを思い出しながら弾いてるのかなーと想像。そして私もあのときの演奏を思い出し・・・近藤さん、またひと皮むけたなぁと思ったのでした。
アンコールはウィーンのときと同じ、ラフマニノフの「ヴォカリーズ」とショパンの「ワルツ第14番」でした。
客席からブラヴォーの声が飛んでました(アンコール以外でもしばしば飛んでました)。
今まではどことなく正体不明の雰囲気をかもしだしていた近藤さん。
でもウィーン旅行中に見た「熱キャラ」(近藤さんは実はとっても熱い人だと思った)&今回のフェスでの貫禄ある演奏を聴き、今後のご発展がますます楽しみになり、あぁ私、素晴らしい人に出会ったなぁと思ったのでした。
近藤さんは私にとってNO1のピアニストであり、ONLY ONEの存在です!