インド映画で夜ふかし

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Memo : ヴィジャイ・セードゥパティ

2015-02-02 | インド映画 Memo & ニュース
ヴィジャイ・セードゥパティのプロフィールをまとめてみよう。彼の経歴を知って、ますます目が離せなくなりました記念。



Vijay Gurunatha Sethupathi
本名 ヴィジャイ・グルナーダ・セードゥパティ1978年1月16日生(37歳)

◆幼少期~2004まで

タミルナードゥ州ヴィルドゥナガル県生まれ。小学生の時チェンナイに引越し、コーダンバーカンのMGRセカンダリースクールを卒業。大学在学中はスーパーの営業、ファーストフード店のレジ、電話オペレーターなどさまざまなアルバイトをこなす。

卒業後は、経理担当者としてセメント卸売企業に就職するが、家族の家計を助けるため給与面での待遇の良いドバイの企業に転職。ドバイでの仕事に見切りをつけて2003年帰国した後は、インテリアやキッチン関連の企業に勤めていたが、ある日チェンナイの著名な劇団クーットゥ・P・パッタライの求人広告を目にしたことで人生が大きく変化する。

◆下積み時代(2004~2011)

当初演技に興味はなかったが、経理担当者として働きながら役者たちと身近に接し、また彼らのピンチヒッターとして作品に出演する中で、自らも役者の道を志すことを決意。その後の数年間、自分のフォトブックを制作会社や映画関係者に持ち込んで歩き、またオーディションを受けながら、端役や代役・TVドラマ出演を地道につづける下積み時代をおくる。

またこの頃彼は、若手監督を発掘するTV番組 'Naaraya Iyakkunar' (明日の監督)に関連して、当時まだ無名のカールティク・スッバラージ監督やナラン・クマラサーミ監督らの多数のショートフィルムに出演。その中で、同じく無名のボビー・シンハーとも共演しており、彼らとの出会いはのちの彼のキャリアに大きな影響を与えることに。

メジャー作品では、セルヴァラーガヴァン監督(ダヌシュの兄)のPudhupettai(2006)、プラブ・ソロモン監督・Lee(2007)、スシーンディラン監督のVennila Kabadi Kuzhu(2009)・Naan Mahaan Alla(2010)などに端役で出演していた。

その後、上記スシーンディラン監督の進言を受けたシーヌ・ラーマサーミ監督が、Thenmerku Paruvakaatru (2010)で彼をサラニャー・ポンヴァンナンの息子役に抜擢。初めての主役級出演となったこの作品がナショナルフィルムアワード・タミル作品賞を受賞し、彼の演技も高い評価を得る。

長い下積み生活の間、彼は南インド映画界の巨匠バール・マヘーンドラー(2014年逝去)から言われた「君はカメラ映えする顔をしているね」という言葉を支えに「いつか必ず成功してみせる」と心に誓っていたという。

◆ブレイク(2012~現在)

2012年は彼のキャリアの大きな転換点となる。この年公開された3作品~敵役を演じたサシクマール主演作・Sundarapandian、彼の単独初主演作にして旧知のカールティク・スッバラージの長編初監督作・Pizza、記憶喪失の青年を演じたコメディ・Naduvula Konjam Pakkatha Kaanomの全てが大ヒット。彼のパフォーマンスは大絶賛を浴び、一躍スターの座に。



2013年も彼の快進撃はつづく。この年公開された彼の主演作、ナラン・クマラサーミ監督・Soodhu Kavvumとゴークル監督・Idharukudane Aasai Pattai Balakumara がいずれも大ヒットを記録し、スターとしての地位を不動のものにする。

2014年はPannaiyarum Padminiyum、Vanmam で主演し、またカールティク・スッバラージ監督の大ヒット作・Jigarthanda をはじめ数々の作品に特別出演。さらに彼自身の制作会社・ヴィジャイ・セードゥパディ・プロダクションを設立する。

現在は、アーリヤと共演するPurampokku、自身の制作会社の初プロデュース作となるOrange Mittai、再びシーヌ・ラーマサーミ監督と組むIdam Porul Yaeval をはじめ、10本のプロジェクトが進行中。今タミルで最も多忙な俳優のひとりである。また昨年からは、筋ジストロフィー患者支援の慈善活動も行なっている。

◆まとめ

昨年見たSoodhu Kavvum(2013)で虜になったヴィジャイ・セードゥパティ。

ちなみに2012年にブレイクした彼の存在を、帰国後しばらくタミル映画から遠ざかっていたわたしは全然知らず(号泣)翌年「タミル映画俳優トップ20リスト」に突如登場した彼の名前をみて「誰??」と思っていたんである。

縁故がものをいう(縁故があってさえ、才能と努力がなければ淘汰される)タミル映画界で、長い下積み時代を経て見事にチャンスをつかみ取り、34歳で大ブレイクした遅咲きのスター。

芝居が達者な個性派俳優、しかも叩き上げ、とはわたしの好みどストライクではないか(泣)彼のギョロリとしたけわしい瞳に長い睫毛、広い肩幅に分厚い体、このいかつさ男くささもたまらぬ。こんなにワクワクするのは、アーリヤのファンになった時以来なんである。

「人並み以下の成績で、クラブ活動にも全然興味がなかった」「自分が役者になるとは思ってもみなかった」と淡々と語る彼が通っていたのがタミル映画の聖地・コーダンバーカンのしかもMGRセカンダリースクールとは、何とも運命的な感じだ。

インタビューで、ブレイク後も新人監督の作品への出演をつづける理由を「初監督作品に人はその全てのパワーを注ぎ込む、僕はそのエネルギーに便乗するのさ」なんてサラッと語っているんだけど、そんな彼に、新人監督にチャンスを与えてきた同じく叩き上げの大スター・アジットと同じ匂いを(勝手に)感じてますます惚れる。

というわけで、わたしの中でいま熱いヴィジャイ・セードゥパティ。今年はもっとたくさん彼の作品が見られるとよいけど・・(泣)


'Pizza' を食らうの図。お茶目なヴィジャイ・セードゥパティ。
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2 コメント

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能面役者 (2b)
2015-02-03 22:09:20
Vanmamで見ました。抑えた表現が印象的な、役者というより原作者自身がカメラの前に立っているような演技で、その無駄な動きをしない芸風が日本人向きだと感じました。なるほどこれだけ深く台本を読めるのなら製作者側から引っ張りだこにもなるでしょう。
2bさま (タミララギ)
2015-02-04 11:09:45
コメントを有難うございます^_^ヴィジャイ・セードゥパディの印象をお聞かせ頂けて、嬉しいです。

表情もあまり変わらず自然体、なのに完璧に作品の世界観が伝わってくる彼の演技に、私も目が釘付けで・・この腹芸加減、確かに日本人向きと言えるかもしれませんね。
そして抑えた演技はそのままに、作品ごとに全く色が変わる所も魅力的で、彼から目が離せません。それにしても'能面役者'との例えが絶妙で、唸りました(笑)

Vanmamをご覧になったとは、羨ましい!原作者自身がカメラの前に立っているような・・とのご感想に、私も早く見てみたくてウズウズします。大まかなプロットを見るに、男同士の友情と紆余曲折、という趣なのでしょうか。楽しみがまたひとつ増えました^_^

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