見えなかった世界

アジアのフリーメイスン洪門(ホンメン)とは?

終戦の詔書(現代語口訳)

2017-08-15 10:02:00 | 日記
《玉音放送》現代語口訳
終戦の詔書


私、天皇は、世界情勢とわが帝国の現状とを深く鑑み、非常の措置をもってこの時局を収拾すべきと考え、ここに忠実かつ善良な国民に申し伝える。
私は本日ここに、日本国政府に対して、米、英、中、ソの四国からの共同宣言(ポツダム宣言)を受諾することを通告するよう下命した。
そもそも代々天皇家は、日本国民の平穏無事を図って世界繁栄の喜びを共有することを片時も忘れず願ってきた歴史があり、それは私自身も常々大切にしてきたことである。先に米英二国に対して開戦した理由も、本来は日本の自立と東アジア諸国の安定を望み願う思いからであって、他国の主権を排除して領土を侵すようなことは、もとから私の望むところではない。
ところが交戦はもう四年を経て、わが陸海将兵の勇敢な戦いも、わが多くの公職者の奮励努力も、そしてわが一億国民の無私の尽力も、それぞれ最善を尽くしたにもかかわらず、戦局は必ずしも好転せず、世界情勢もまたわが国にとって極めて不利な状況となっている。それどころか、敵は新たに残虐な爆弾(原子爆弾)を使用して、膨大な数の無実の人々までをも殺傷しており、惨澹たる被害がどこまで及ぶのか全く予測できないまでに至ってしまった。
ことここに至ってまだ戦争を継続しようとすれば、最終的にはわが民族の滅亡を招くだけでなく、ひいては人類の文明をも破滅しかねないであろう。このようなことでは、私は一体どうやって多くの愛すべき国民を守り、代々の天皇の御霊に謝罪したらよいというのか。これこそが、私が日本国政府に対し共同宣言を受諾するよう下命するに至った理由である。
私は、日本とともに終始東アジア諸国の解放に協力してくれた同盟諸国に対し、遺憾の意を表せざるを得ない。そして前線で戦死した者、公務にて殉職した者、戦災に倒れた者、さらにはその遺族の気持ちに想いを馳せると、わが身を引き裂かれる思いである。また戦傷を負い、災禍を被って家財や職業を失った人々の再起については、深く心を痛めている。
 何よりこれから先、日本国の受ける苦難はきっと並大抵のことではなかろうと思う。
 あなたがた国民の本心も私はよく理解している。
 しかしながら私は、時の巡り合せに逆らわず、堪えがたき思いに耐え、忍びがたき思いを忍んで、未来のために平和な世界を切り開こうと願い続ける。
 もし日本という国がこのまま国の形を維持し続けることができれば、私は善良なあなたがた国民の真心を拠所として、常にあなたがた国民のそばにいるだろう。
 誰かが感情の高ぶりから無闇に事件を起こしたり、日本国民同士がいがみ合い、時勢を混乱させ、そのために進むべき正しい道を誤って世界から信頼を失うようなことは、私が最も強く心配するところである。
 
 ぜひとも国を挙げてひとつの家族のように団結し、誇るべき自国の不滅を確信してほしい。
 責任は重く、かつ復興への道のりは遠い。そのことを覚悟し、総力を将来の建設に傾け、正しい道を常に忘れずその心を堅持し、誓って国のあるべき姿の真髄を発揚し、世界の流れに遅れを取らぬよう決意しなければならない。
 あなたがた国民は、ぜひともこれら私の決意をよく理解して行動してほしい。
 
 
裕仁
昭和二十年八月十四日