心の叫び

俳優の奥田瑛二さんが監督となって作った映画『長い散歩』が、そろそろ封切り。
この映画は、児童虐待と言う、とても重いテーマを取り上げた作品らしい。
１２日のブログ『私に言えること』にも書いたような、にわかに信じられない事件や児童虐待（自分の子供を虐待する）、自殺など、本当に今の世の中は、どうしてこんなに暗いのだろう？…世の中、どうなってしまったんだろう？と思える事件が、とても多い。
聞くたびに、眉をひそめる。

この『ゴルフ』のブログに、取り上げて書けば、読んでくれている人も、重くて、暗～い気持ちになるかもしれないのだが…。
やはり、これは今の社会的な現象で、私達も、今を生きる人間として、自分の周囲で、こういう事態が起こりえるかもしれない状況を予測して、その対処の仕方など、考えておかなくてはいけないのかなぁ～と思う。

奥田瑛二さんは、この『長い散歩』の中で、児童虐待のひとつの解決法として、”引き離すこと”を提案しておられるらしい。
いくら親子関係であっても、虐待の事実が判明すれば、引き離すのも方法だと。
私も、この意見には、同感である。
１２日のブログで取り上げた事件も、離れていれば、起こりえなかったこと。
こういう事件のことを見て知って、事態の深刻化を防ぐために、何か手を打つ、どうにか解決法を探るなら…私も”引き離す”と言う結論を出すと思う。
どう考えても、“引き離す”か、“逃げる”とか“関わらない”などしか、方法は無いのではないか…。
そうでないと、虐待や暴力を受けた方の人間の心も暗く、屈折してしまいかねない。

引き離してみて、結果…。
虐待や暴力を受けた人の精神的なショックやダメージは、例えば身体に残る後遺症や傷跡にも増して、相当なものではないかと予測出来る。
時間を要するかもしれない立ち直り。
その立ち直りを見守るのは、周囲にいてあげられる人間。
そして、もしも、その被害者となった子供や人が、少しでも楽しく明るく笑えるようになれれば、側にいて見守ってあげている人間も、「良かったね」とホッとして、一緒に笑って喜んであげる。
それが、被害者となった子供や人への、人間らしいあたたかい心の向け方。
周囲にいてあげられる人間としての、精一杯の思いやり。
笑顔を向け合うことで、一緒に楽しく笑うことで、精神的な立ち直りを確認し合えるのではないかと思う。
（笑顔や笑いの効用は、大きい…と私は思っているのだが…）

一方の”引き離された”加害者となった人は、相手が笑えるようになった事実を知った時…。
「良かった…」と、胸をなでおろし、嬉しさを感じるようであれば、（虐待や暴力を）再発させる可能性は低いかも。
反対に、腹が立つとか、悔しさを感じるようであれば、再発させる可能性が非常に高いと思う。
もしくは更に（虐待や暴力を）エスカレートさせたり、”仕返し”や“嫌がらせ”をする危険性が有るかも。
だから、”引き離した”のを元に戻すかどうかを考えた時、加害者を見守る人間は、この辺りの見極めが、とても大事で難しいんだろうなと思う。

このブログを読んでくれている人の中に、こういう問題で、悩んだり苦しんだりしている人がいないことを願うばかりだが…。
でも、もしも、こういうことで、悩んだり、苦しんでおられる方がいらっしゃれば、絶対に一人で、悩みや苦しみを抱え込んでしまわない方が良いと思う。
恥ずかしいからとか、隠しておけるものなら隠し通したいと思っても、双方だけでは、なかなか、こういう問題の解決の糸口は見つからないかもしれない。
信頼のできる人に話してみるべきでは…と思う。

そして、振り上げた拳を下ろそうとしている人。
その拳を振り下ろすことが、どれほどのことか、よ～く考えてみて。
愛のムチは、正気の沙汰で行うもの、虐待や暴力は、狂気の沙汰で行うもの。
どちらなのかは、それを行う人の目を見れば分かる。
愛のムチなら、相手に伝わる。
だけど、暴力をふるって、相手に伝わることなんて何も無い。
暴力で解決できる問題も無い。
自分の心に闇を作るだけだと思う。
周囲の人からの信頼も無くしかねない。
暴力をふるわせるのは、他の誰のせいでもない、あなた自身の心。
暴力を止めることが出来るのは、あなた自身でしかないのだから。

とにかく、嫌な事件が頻発している今、このブログを読んで下さっている方々が、こういう問題を起こしたり、巻き込まれたりなど、無ければ良いなぁ～と、心からそう思う。