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ドラマの視点

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のんちゃんのり弁

2012-12-25 | のんちゃんのり弁
主役、小西真奈美演じる小巻は子持ちの30女。亭主は働かず、収入のあてもなく下町の実家に舞い戻るが、母親(倍賞美津子役)とのぎりぎりの生活が続く。なにをやりたいのか決まらない小巻は、あれこれ行動するが長くは続かず、生活費を得る手段に迫られる。そんな中、ひとり娘のんちゃん(佐々木りお役)に持たせた「のり弁当」が幼稚園で評判となり、それがきっかけになって、弁当屋への準備を始める……。

撮影は、昭和30年代の下町情緒が色濃く残る、東京・墨田の京島地区。がけっぷちを走りながら勢いで境地を切り開くという下町っ子の意地と度胸、少しばかりの愛嬌が描かれる。

メガホンをとった緒方監督は、才能の集まりと言われた「石井聰互組」の助監督から業界入りし、音楽ビデオやTVドキュメンタリーまで幅広くこなす才人。この作品においてもドキュメンタリー的な、ねちっこいカメラワークが随所に見られる。

原作は、漫画誌に掲載されたものであるが、結末は映画版のオリジナル。ラストは失うものと得るものがさりげなく交錯する設定となっており、映画版脚本の完成度の高さがうかがえる。

映画は「有楽町スバル座」他、全国で公開され(2009年9月26日)、スネオヘヤーが歌う主題歌はJ-WAVEが後押しする。公開時点の上映館ははまだ少なく、今後、シネコンなどでの広がりが期待できる作品である。(ドラマの視点)




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