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「貧乏球団アスレチックスの強さに迫る本」が出ていたことは知っていたんだけど、このたび、文庫になってお安くなったので読んでみた。
いや~、これは面白い!
野球を題材にしたノンフィクションってのは数あれど、これほどまでに野球の本質に迫ったものってないんじゃないだろうか。
冒頭、アスレチックスGMビリー・ビーンは自分のチームを映画『メジャーリーグ』に登場するインディアンスになぞらえるが、まったくそのとおり貧乏な球団で貧相な選手ばっかり集まるんだが……それが、なんで常勝球団になりえたのかをGMのビリー・ビーンを中心に分析していく。
『江夏の21球』のように試合に焦点を当てていないにもかかわらず、アスレチックスのGMビリー・ビーンが下す一つ一つの判断とチームが下す決断とにハラハラさせられる――読者はハラハラするのだが、統計学的に分析すると極めて妥当な判断なのだが。
この本を読んでいると、間違いなく野球の見方が変わる。
選手層の厚さが違う日本では完全に納得し得ない部分もあるが、それでも頷ける部分も多い、
解説者が間抜けなことを言うたびに「なんで、こいつは間抜けなんだろう?」と思うときの、「なんで」の部分の答えが見つかるはずだ。
また、話は野球だけにとどまらない。
解説にも書いてあるんだが、間違った既成概念に囚われず、新しい知恵や技術を使うことの大事さ――それは人生全般にも言えることだが――も示唆している。
それは、あとがきの『ベースボール宗教戦争』(これは文庫版だけ掲載)にも如実に表れている――既成概念に囚われた者たちの因習の根深さたるや計り知れない。
普段は陽の目を見ない、球場から「ほんの少し離れた空間」で起こる出来事が、こんなに面白いものだったと教えてくれる傑作。
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