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92の扉

2015年9月で一旦休止しましたが、細々再開しようと思うので、よろしければ、扉を開いてみて下さいね!

「スカイ・クロラ The Sky Crawlers 」

2008-08-31 | 映画・音楽・書籍等
 毎日同じように歩く道。同じような景色。

 だけど、その踏み跡は決して同じではないし、目にする景色も必ず何かしら異なっている。

 それで、何が足りないと言うの?




 今週末は土・日ともに千葉方面で休日出勤。と言うか、土曜の早朝から30時間ほどの連続勤務(途中、何度か仮眠を挟みますが)でした。それが割と順調に作業が進み、ほぼ予定通りの時刻で終えることができたので、都内まで戻ってきたところで、ちょっと映画でも観ていくことにしましょう。

割引券&指定券


 そんなワケで、チケットショップで割引券を入手してから観に行ったのは、「スカイ・クロラ The Sky Crawlers」(goo 映画)です。例によって原作は読んでおらず、この映画もチラッと予告編などを観たくらいだったのですが、空を飛ぶ描写が印象的だなぁ、と思って気になっていたんですよね。

 いつものように、あらすじとか一般的なコメントは各方面で出ていると思いますので省略。ウチにとって印象的だった部分などをいくつか書き留めておくことにしましょう。
(以下、一部ネタバレを含みます)




■ 押井監督のメッセージ

 押井監督の作品と言うと「うる星やつら」や「パトレイバー」、「攻殻機動隊」などを観たことがあるのですが、それらに較べるとメッセージが比較的わかりやすく作ってあるのかなぁ、という印象がありました。

 ゆったり(時にまだるっこく)進む時間と、激しく急速に動く時間が繰り返される構成が印象的。恐らくそれが日常と、時々訪れる非日常を描写しているのでしょう。そして「キルドレ」と呼ばれる死なない子供達にとっては、生や死すら、少し長いスパンでの日常なのかもしれません。

 そんな世界について、特に原作を知らない立場からすると少しわかりにくい感じで序盤は進みますが、中盤以降はトキノやミツヤ、あるいはクスミたちが台詞や仕草で背景などをわからせてくれます。ユダガワとその後任の、よく似ていながら僅かに異なるところがある等も、その典型例のひとつでしょうか。

 やがて、当初は「明日、死ぬかもしれない子供が、大人になる必要があるのか?」と言っていた函南優一(カンナミ ユーイチ)が、「君は生きろ。何かを変えられるまで」とか「いつも通る道でも、違う所を踏んで歩くことができる。いつも通る道だからって、景色は同じじゃない。それだけで、充分じゃないのか?」と言うようになるあたりが、最もストレートなメッセージのように感じました。

 そういう意味では、エンドロールの後のエピローグは念押しみたいで、少し冗長な気もしましたし、あまりに予想通りのエピローグだったようにも思えたのですが、納得感は高まるかもしれません。


■ 風景と小物達

 期待通りの空と、東欧か北欧をモデルにしたと思わせる地上の風景は、なかなか秀逸ですね。それだけでも十分、鑑賞に堪えうると思います。

 それに、眼鏡やオルゴール、煙草、ワイン等の小物達が、ユーイチや草薙水素(クサナギ スイト)の心象風景をよく表現しているように感じました。

 個人的に違和感があるのは、「煙草を吸わない上司は信用できない」というユーイチの台詞。小道具としての煙草の便利さは現実世界でも理解していますし、この物語の上でユーイチ(になる前)の過去との連綿を思わせるキーワードでもあることはわかるんですけど、それを踏まえても、ウチとしては煙草を吸う上司の方が信用できないことが多いなぁ、と思ってしまいますよ。

 まぁ煙草を吸う人の様子を見れば、気を遣える(あるいは気配りをできる)人かそうでないのか、一発で見分けられるという「便利さ」(吸う人からすればリスク?)はありますけどね…


■ その他

 東京で映画を観ることは殆ど経験が無い(大体は京都か松本、それに北海道などの地方都市かな…)ことに加え、全席指定の映画館へ行くものも珍しいので、実はちょっと緊張したりして。

 でも、入ったことが無い映画館で席を事前に選ぶのは厳しかったですね。実際、思っていたよりスクリーンが遠く、もっと前を選べば良かったと思いましたよ。
(映画館によっては前の方だと首が痛くなることもあるので、つい安全策で後方寄りを選んでしまうんです…)

 あと、予め映画館の場内アナウンスで「エンドロールの後にエピローグがあるから、席を立たないで」と言ってくれるのは、ありがたいような、お節介なような、微妙な気分でした。ウチはエピローグが無くても、エンドロールが終わって照明が戻って、場内から多くの人が退場するまで座っているクチなんですけど、現実にはエンドロールで席を立ってしまう人が多いですからねぇ

 それはともかく、割と見応えがある映画でしたし、いろいろ仕込まれた部分もまだまだありそうなので、機会があれば映画館で再度観てみたい気もしますし、もしかしたら DVD になったら買っちゃうかもしれません。




 ところで、余談ですが。

 昔から空を綺麗に描いてくれる映画や TV アニメが好きで、古くは「風の谷のナウシカ」や「天空の城ラピュタ」、「紅の豚」などの宮崎監督作品や「王立宇宙軍 ~オネアミスの翼」(紹介サイト)などを好んで観たものです。(なので、実は「ナウシカ」以外は LD も持っていたりして…)

 近年では「雲のむこう、約束の場所」などの新海誠監督作品も良いなぁ、と思っているので、「そのうち DVD を買っちゃうかも」と思いつつ、何とか踏みとどまっています。

 また、TV シリーズだと「LAST EXILE(ラストエグザイル)」も(一部しか観ていませんが)空の感じやメカニックがなかなか良かったと思いますよ。

 もっと軽め路線では、「ストライク ウィッチーズ」も意外と設定が細かかったりして、(一部しか観ていませんが)割と楽しめます。ただ、これはキャラクター描画への好き嫌いが分かれそうな気もしますが…

 これからも、空を魅力的に描いてくれるアニメには惹かれそうですね~



[追 記]

 原作はどんな感じなのかな、と思って某書店へ行ってみたところ、森博嗣さんの「スカイ・クロラ」シリーズの他作品は平積みされているのに、「スカイ・クロラ」のみ品切れ。世の中、こういうものかもしれません…(2008-09-02:追記)



[追記2]

 昨日ちょうど「アイシティ21」の「アイシティシネマ」が「メンズデイ」(男性は 1,000円で観れる)だったこともあり、映画館で2度目の鑑賞。「やっぱり、なるほど」や「ほ~、なるほど」と納得感が高まったような気がしました。

 また、都心の映画館と較べればハコは小さいですが、座席指定も無く好みの席で観れるのは、やっぱり気がラクですよ。

 さすがに映画館ではもう観る機会を作れなさそうですが、DVD が出たら買う or 借りちゃうかもしれません。(2008-09-11:追記)


関連記事:
空へ…(2008-09-23)

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