朝の散歩の途中でさくらんぼが美味しそうに熟していたので
酸っぱいだろうと思いながらも一粒口に入れてみました。す
ると意外にも甘くて美味しかった。さくらんぼといえば数十年
も昔の幼い頃、今はあまり見かけなくなりましたが当時喫茶
店のジュースにはシロップ漬けのさくらんぼが入っていました。
さくらんぼといえばこれのことだった気がします。もちろんこれ
でもめったに口にすることはありませんでした。私は好きなも
のは一番最後に食べる習慣でしたのでもちろんジュースを飲
み終えてから食べるつもりでいました。すぐに食べず勿体つけ
てふとよそ見をしていた瞬間、店員さんが空になったグラスを
さっと片付けてしまいました。店員さんが去っていく背中と悲し
い気持ちは今でも憶えています。
あれから数十年、お弁当のふたを開けてすぐさまプチトマトを口に
入れるからといって一番の好物という訳ではありません。嫌いなも
のを最初に食べ、やはり最後まで一番好きなものを残しています。
「三つ子の魂百まで」というやつです。
こうして文章にしてみるとあまりかっこいい習慣ではないですね。