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雲のない夕暮れにターナーを思い出しました。

2008-11-14 12:40:27 | 各種写真
今週、近くの浜に行くことがありました。
夕方空を見て、雲が全くないのに気づき、こういう日の夕暮れは!
と、にわかに期待がふくらんだんです。
果たして、行ってみると予想通り、混じり気がなくすっきりとした
グラデーションを見る事ができました。



先日アップした夕暮れの写真の様に、夕焼けや宵闇が雲に多彩な
表情を与えている眺めも綺麗ですが、この日のようにただ青空から
夕焼けまでの色の変化のグラデーションだけ、というのも、味が
あります。
またそのグラデーションが水平線いっぱいに繰り広げられている
さまは、静かではありますが同時に圧倒的な迫力も感じられました。

ところで、ターナーの、「カラー・ビギニング」って絵をご存知で
しょうか?こんな絵です。



多分初めて見る人は、ほとんど抽象画にしか見えないのでびっくり
すると思います。
この写真の様な夕暮れや、逆に日の出の様にも見える、青系から
茶系にいたる淡い色が、細い帯の様に水平なグラデーションを
なしている、ただそれだけしか描かれていない作品です。
恐らく風景から着想して描いているのでしょうが、絵を見ただけでは、
地平線の眺めなのか水平線の眺めなのか、という事もはっきりしません。
初めて見た時、モチーフの細かい描写が一切ないのがかなり衝撃的
でした。1819年、写実的描き方全盛の時代に描かれた作品なのですが。
活動の後期に入ったターナーが、独自の風景描写の表現を深める為に
試行錯誤した一つの例らしいです。
当時こうした事を頭で考えても、実際描いて試した人はあまりいないの
ではないでしょうか。
「私は、それが何であるかをわかってもらうために描いたのではない。
そういった光景がどのように見えるか示そうと思って描いたのだ」
という言葉を遺しているターナーらしい作品かも知れません。
この日の夕暮れは、久々にそんな事を思い出させました。

それにしても、写メールで使う位のごく軽い容量の画像でも、ブログで
表示するだけなら十分使えるというのは新しい発見でした。
これからもちょくちょくこんなのを上げていこうと思います。

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