むらやわたる57さい

千文字小説の未来について

超IQ研究所 太平洋戦争概説㉛

2019-05-07 13:00:10 | 小説

 

    硫黄島の戦い


 二五日目。

南雲 摺鉢山は今日から三日間でオランダ、ベルギー、デンマークの順に一番かずが多いやつをやるから。

M 戦争なんてうんざりだな。

南雲 作戦コード、カデナ。僕がカデナで沖縄決戦の指南役。

M いつ移動するんだ。

南雲 三月一八日に宇宙輸送船がやってくる。

M 宇宙ってなんのことだ。

南雲 阿嘉島と伊江島は地球外の小惑星になるから。

 被弾競争は宮川と長野君がヘルキャット二〇機。竹田は映画の撮影で一〇ポイント。アーニーパイルが撮影する。

南雲 カデナより。イギリス軍からプレゼント。

M まだ午後二時だけど。

南雲 そっちへ向かっているよ。

長野君 下二けたの表示ができます。

 ナチス囚人兵五人が片づいた。

M 四六三四人だ。シミュレーターが少し動くようになった。空を飛ばそう。

担当SS 彼はプロサッカー選手で幸福な家庭を持っていました。しかしある日ナチスに家族全員を殺されたのです。

四六三四 おれはあいつらに復讐しようと考えるがなぜだかすぐ忘れる。

担当SS 空中戦のデータを転送します。ピー。サッカーの試合で役立つかもしれません。ピー。

四六三四 住宅地を一軒ずつ訪ねてまわる。死体袋を毎日トラック二台だ。いつも死体をトラックに積む係が追いつかない。

担当SS おお、なつかしきダニエル。陽気で快活な少年が成長して魂の銀行員。

四六三四 おれの速達小包にはあて名も書いてあるしいい物が入っている。

担当SS 撃ってから走って逃げようとする動作がやっぱりダニエル。三人撃ちダンスは世界一。

四六三四 地域住民が少数のナチスを、撃退する物語の出演者を募集する。チラシに地図を書く。ナチスのたまり場。武器庫。武器を奪えば勝てる。死体運び係が古ぼけた小銃を持ってトラックの荷台に乗ってやってきた。奥にいるやつが出てくる。昼間はこの辺にいるんだ。目の前に。返り血を浴びた。

担当SS おお、血まみれダニエル。涙で血が洗い流されて偉大なる灰色ろばは前進。

四六三四 まだ子供だな。おれも家族をナチスに殺されたんだ。トラックがもう一台増えた。荷台に子供たちを乗せたトラックだ。どうしたら金がもらえるか、子供たちが考える。

担当SS 正面突破の仕事人ダニエル。トリッキーな動きがチャンスを生むのです。

四六三四 調子がいい日は一日で一〇〇人ぐらいになる。そんな日はじじいのゴールキーパー相手にシュートを、外した夢を見たあとだ。

担当SS よろしいでしょう。ディフェンスをかいくぐってよくがんばりました。楽しいイギリスでのんびりしてください。

 終点。

 

 二六日目。

M ヨーロッパ人幽霊三〇〇万人ぐらいがこの島にひしめいている。

林 袋頭巾にとりつかせて米国へ送るはずじゃ。

M 病死幽霊がまざっているとうまくいかないようだ。

 時間まで昨日の話をはがきに書く。

四六三四のSS それは古代兵士の亡霊が原因になっているんです。永遠の生命を求めてもそれ以上に、永遠な物によって滅びる。

M ヨーロッパ各国の軍隊を買収したやつだな。

林 軍隊を買収って。

四六三四のSS よけいな軍隊は財政のむだ遣いです。私がお金のかからない方法でやりましょう。

M 書類がそっちにあるだろ。

四六三四のSS 一番の他は、ロケット工場の隠し倉庫です。

M 米国の死に神が、出現しないようにできるな。

南雲 カデナより。ベルギー代表。

長野君 重要アイテムがあるそうです。

 ナチス囚人兵が五人片づいた。

M 女だ。空を飛ばそう。

担当SS その男は友人に呼びかけながら四七四三人殺しました。

四七四三 戦争はうんざりだ。自由で平和な国をつくろう。反逆者を一掃しなければならない。全員だ。

担当SS 平和ってことばはだめだわ。

ナチス将校 鋼鉄で人間の鳥かごをつくるんだ。国王の声がよく聞こえるように、うまくさえずらないとえさがもらえない。

四七四三 ロシアの一九世紀金貨を買いとる仕ごとだ。戦争に必要だから高値で買うと説明する。

担当SS 持ってたらパスして。

四七四三 銀貨も買いとる。

担当SS 銀貨は年号が珍しいやつだけパスして。

四七四三 一日一〇人ぐらいにしないと、手口に気づかれる。

ナチス将校二 手口がばればれだ。みんなもうかる戦争ビジネスの誘いを待っている。

担当SS 場所を移動しながら休み休みやって。

四七四三 雨の日は休みにしている。ナチスの若い隊員が夜に騒いでうるさいときも休みだ。

担当SS ごみを収集日の二、三日前に出してるわ。

四七四三 古銭の相場が急騰した。鋳造したにせ物があちこちにある。にせ物だとひと目でわかっても買う。そのかわり罪悪感を感じないで毎日始末できる。

担当SS あんた友人が多いわね。

 終点。

 栗林が大きな黒犬(黒い毛が多くまざったおおかみ)を連れてやってきた。黒犬は人に飼われていたらしくて手をさし出すと、お手をする。

北条政子 北条家の茶室に「黒犬の間」を開設した。以後客人をそこへとおすよう。

 

 二七日目。

南雲 カデナだけど。なん人生き返せば足りるかな。

M 一二七人から先に行った八人とニミッツ、スプールアンス、通訳、H.スミス、黒犬、ギリシャ人の小僧を引いて一一三人なら安全だ。

南雲 契約しておくよ。

林 ヨーロッパ人の病死幽霊をどうします。

M 両方のファイルをつくって少しずつぶん離させるしか方法がない。

南雲 カデナより。デンマーク代表。

 栗林が上がってきた。奇妙な物を両手に持っている。

 ナチス囚人兵五人が片づいた。

M 五一二五人だな。空を飛ばそう。

担当SS 彼は金細工職人でした。

ナチス将校 三〇㎏の金塊だ。幽霊がみえる王冠をつくらせてやる。

五一二五 宝石は使わない。純金だけでつくる。始末した人間の顔を小さく刻む。

五一二五 顔を忘れないように、特徴をすぐに記録する。太っているやつの幽霊はやせている場合が多い。

五一二五 アトリエの庭に平らな石を並べて、幽霊を立たせる。誰がリーダーだったら、全員がみえるかを毎日考えていた。

五一二五 ある日見覚えのない東洋人幽霊がまざっていた。他の幽霊がなん人かみえなくなっている。王冠を見ると東洋人幽霊に食われていた。

担当SS それ古代中国の兵士亡霊です。捕獲できないですか。

五一二五 長さ二mの丸太を半分地中に埋めて、針金でぐるぐる巻きにした。兵士亡霊の頭を撃って、食った幽霊を吐き出すまでに一日かかる。

五一二五 王冠が完成した。リーダーは少し太った黒髪の女だ。粗雑なレプリカ王冠をつくって、兵士亡霊を刻む。

ナチス将校 幽霊に王冠をかぶらせたらどうなる。

五一二五 しゃべり出す。

ナチス将校 日本兵の幽霊で王冠を作れ。あの丸太は、なんだ。

五一二五 息抜きのオブジェさ。

米軍将校 戦士の王冠をつくれるんだろ。摺鉢山の頂上で、日本軍の指揮官が切腹自殺している。よろしくな。

 終点。

長野君 丸太と鉄製のなにかをどうしますか。

 いいえ。東京都です。陽気に、人間みたいに話せますけどドアがしまってたら病死幽霊。

M ヨーロッパ人幽霊だ。硫黄島捕虜三一五四人。東京都側に二四六〇人っ。

米軍医 少し太った黒髪女でカイト(病死幽霊ファイル)を構成しましょう。

 東京大空襲の幽霊四 古代兵士亡霊を捕獲した話で、時空を引き伸ばすのよ。

 

      つづく