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AB19450916VIRGO
 

甥の結婚式

2008-07-13 11:51:24 | 散歩
竹下通りを右に折れると ブラームスの小径がある
その中ほどにジャルダンドルセーヌがあった フランス風の洋館

とても暑い日 

ここかな?

ちょっと待って お店の人に聞いてみる

ここで一服している

舗道わきにたっていた灰皿の横で火をつけた
じっとしていても 額に汗がにじんでくる
幅2メートルもない狭い路地 見上げると空が細い帯になっている



やはりここみたいよ

そうか 見ろよ いい道だ

原宿も変わったわね あなたと表参道歩いたのは
もう40年にもなるのね

義姉の子が もう30になるが ようやく結婚する気になったようだ
相手ははもう妊娠8ヶ月と聞いている
10年前会った時 細身のきりっとした青年だった

今 街ですれ違っても 多分気づかない
それくらい しっかりした体形になっている
目も柔和になり 幸せそうだ

今日は夫婦共々 幸せを分けてもらいに来た

こじんまりした 礼拝堂
出席者は30人ほど
司祭が コリント書53を読み上げ夫婦の誓いをさせる

小学生の時の記憶が蘇える
結婚式に列席したことがあった
花嫁のベールを持つ役目をしたような
定かではない 記憶が遠すぎる

自分はもうローマンカトリックではない
だが 銀のクロスはお守りとして首からははずさない
方便でも 偶像でも 自分はやはり目に見える形が欲しいのだろう

アメイジング・グレイス 賛美歌 第2 167
ハモンドオルガンの演奏が流れる
心の中で十字を切りエイメン 未来の幸せを祈る

義兄と義姉の親友 俺たち夫婦が1テーブルだった
ナイフとフォーク3組 シャンパングラス ワイングラス タンブラー パン皿が並ぶ
二人でこの食事を楽しみにしていた
コース料理なんて 十年ぶりかな

義兄は66 まだ現役で仕事をしている
髪もグレイになったがふさふさして若い
大恋愛の末 結婚した奥さんと離婚して もう久しい
今は 89になる義母と暮らしてくれている
元気すぎる義母と同居してくれている とてもありがたい




妻は 今日は仕事だ
窓を全開にして風を入れると まだエアコンは必要がない
今日は久しぶりに家でゆっくりできる




4人でおしゃべりしながらの食事は美味しかった
思い出してみる



このHELI Q キディランドに立ち寄って急に欲しくなって購入した
垂直に上昇下降するだけのおもちゃだが 男は何時までたっても子供の部分が残っている
妻は 俺がこうゆうの買っても もう呆れなくなった
多分 何言ってもだめだから 諦めたのだろう

これ買おうかな? と言ったら
いいわよって 寛大なお許しが

でも 考えたら 俺が自分の金で買うわけだから

昨日のメニューを見て味を思い出す

前菜 鮪のコンフィとマンゴーのゼリー和え
白のワインでいただく
コンフィ 油で茹でた鮪とマンゴーの薄切りを交互にはさんでゼリーを載せている
60度前後の油で煮るわけだから 程よくレアの食感で程よく油が回っている
マンゴーの微かな酸味と甘さが 鮪とあいまって口の中で調和する
そして ワインで口を洗ってまた一切れ テリーヌ風でなおかつさっぱり

スープ カボチャの冷製
これは自分でも作るが 
お向かいの彼女は ジューサーで作るという 
なるほど裏ごしの必要がないし
でも 俺は とうの昔にジューサーもプロセッサーも危険物で捨てた
今は人力プロセッサー つまり ただの擂鉢しかない
粗くつぶした ジャガイモの冷たいクリームスープも捨てがたい

魚 スズキのポワレ オリーブの香りソース
このオリーブのソース 真似しよう
ポワレされた スズキの焦げる寸前の皮が美味しい
さっきから白ワイン一人で飲んでる気がした

・・・オリーブ・・・ ボーっとした頭に
キンキンに冷えたヴェルモット無しのドライマティーニが浮かんだ
ま ただのジンだが あのオリーブがジンと合う
冷たいくせに松脂の匂い
ワインはどうしても甘い 飲兵衛はどうしても 旨いものを食っていても
悪い癖だ 

口直し 桃のシャーベット
ウィスキーグラスほどの入れ物に入っている
桃の香りがとてもたっている 桃の果実を擂り潰し絞ったものだろうか
ほんの少量が 次のメインを引き立てる

肉 フランス産鴨胸肉のローストに香りよい緑胡椒ソース
鴨肉なんて最近食っていない 申し訳程度にローストしたほとんどレアの鴨
最近肉は食べなくなったが 黒服のウェイトレスが赤を給仕してくれた
一口方頬張って とまらなくなった
ワイン 鴨 ワイン 鴨 うまい 粘りつくような肉からジュースが染み出る

見ると 妻も 義兄も 一切れ食っただけで手をつけない
二人とも レアが苦手なのだ
もっけの幸いと 二人の分も全部もらって食った
3人分だ 十分堪能した 来て良かったな

お腹も程よく膨れ 酔いも程よく回った
昼間から 酔うのは久しぶりだ

部屋を代え 2Fでデザート
ウェディングケーキとプチケーキ コーヒー紅茶が並んでいる
甘いのは苦手だが ウェディングケーキはいただく
ラズベリーとブルーベリーを皿にいっぱい入れてもらった

終わって着替えして 帰り義兄と 喫茶店へ寄る 酔い覚ましだ
そしたら 偶然 花嫁さんのご両親たちや義姉たちが入ってきた
すぐに 本人たちも入ってきて総勢12人でおしゃべりになった
俺と義兄は ネパール紅茶を頼んだ 3杯分くらい入ったポットで
突然来た夕立をがあがるのを待って さよならした

妻と俺は 原宿を懐かし散歩



おい あったぜ

あらあ

ケヤキがえらいでかくなったな
懐かしいな お前と新宿で待ち合わせてデートしたよな

あら 私がここへ迎えに来たのよ

え そうだったっけ?

会社の人とすぐ飲みに行っちゃうんだもの
あなた 目はなすと すぐ他の人とどっかへ あぶなかしくって

いやー そんなことなかったと思うけど

そうなのよ 女の記憶のほうが正確なの

入ろう

中は変わってしまったけど 建物は同じね あなた1Fの担当だったわね

そうだったな

5Fまで見て回って あの当時のことを思い出し 少し浸った



ここも懐かしい場所



浪人してた頃 ここのてっぺんでアルバイトした
東京オリンピックの前の年 駐屯地だったこの場所に施設が作られた

あの屋根 上から見るとほとんど垂直に見えるんだ
落っこちそうになったこともある
バイト代高かったし 必死で稼いだっけ

勉強しなかったの?

代々木ゼミには行ってたさ
でも小遣い欲しくてさ

なんに使ったの?

なんだろ? ジャズ喫茶が唯一の居場所だったから それでかな

あなたも さびしい時代があったのね
ね 聞くけど彼女いた?

いるわけないだろ まじめな浪人さ

ふーん 変われば変わるものね

今でも根っこは変わんないさ

この靴足が痛い もう帰りましょう

そうしようか

新宿で湘南ライナーを待って乗った
夢を食うのが獏なら 思い出を食うのは何だろう なんて考えた
座ってから 二人とも寝てしまった 
駅に着く頃には 酔いも醒めていた

暑い日だった けど なんかいい日だった














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