日本列島史として 対外関係を もう一度考えてみる①

読書百遍とは言うものの・・・
現代中国の維基文庫は　後漢書にも所々簡体字を使う
自分が持ってる中華書局の原本との比較も面白い

陳 寿　233年ー297年　三国志
范 曄　398年ー445年　後漢書

范曄は当然三国志は読んでいる
それを踏まえた上での後漢書を読む


後漢書　東夷伝　倭の条

倭

倭在韓東南大海中，依山島為居，凡百餘國。自武帝滅朝鮮，使驛通於漢者三十許國，國皆稱王，世世傳統。其大倭王居邪馬台國。樂浪郡徼，去其國萬二千里，去其西北界拘邪韓國七千餘里。其地大較在會稽東冶之東，與硃崖、儋耳相近，故其法俗多同。土宜禾稻、麻紵、蠶桑，知織绩為缣布。出白珠、青玉。其山有丹土。氣温暖，冬夏生菜茹。無牛、馬、虎、豹、羊、 鵲。 其兵有矛、楯、木弓、竹矢，或以骨為鏃。男子皆黥面文身，以其文左右大小别尊卑之差。其男衣皆横幅，结束相連。女人被发屈紒，衣如单被，贯頭而着之；并以丹硃坌身，如中國之用粉也。有城栅屋室。父母兄弟異處，唯會同男女無别。飲食以手，而用籩豆。俗皆徒跣，以蹲踞為恭敬。人性嗜酒。多壽考，至百餘歲者甚眾。國多女子，大人皆有四五妻，其餘或两或三。女人不淫不妒。又俗不盗窃，少爭訟。犯法者没其妻子，重者滅其門族。其死停丧十餘日，家人哭泣，不進酒食，而等类就歌舞為樂。灼骨以卜，用决吉凶。行來度海，令一人不栉沐，不食肉，不近婦人，名曰“持衰”。若在涂吉利，則雇以財物；如病疾遭害，以為持衰不謹，便共殺之。

建武中元二年，倭奴國奉貢朝賀，使人自稱大夫，倭國之極南界也。光武賜以印綬。安帝永初元年，倭國王帥升等獻生口百六十人，願請見。

桓、靈間，倭國大亂，更相攻伐，历年無主。有一女子各曰卑弥呼，年長不嫁，事鬼神道，能以妖惑眾，於是共立為王。侍婢千人，少有見者，唯有男子一人給飲食，傳辞語。居處宫室、楼观城栅，皆持兵守衛。法俗严峻。

自女王國東度海千餘里，至拘奴國，雖皆倭種，而不屬女王。自女王國南四千餘里，至硃儒國，人長三四尺。自硃儒東南行船一年，至裸國、黑齿國，使驛所傳，極於此矣。

會稽海外有東鳀人，分為二十餘國。又有夷洲及澶洲。傳言秦始皇遣方士徐福將童男女數千人入海，求蓬莱神仙不得，徐福畏誅不敢還，遂止此洲，世世相承，有數萬家。人民時至會稽市。會稽東治縣人有入海行遭風，流移至澶洲者。所在絕遠，不可往來。

５７年　[倭奴國朝貢　光武賜以印綬]　とあるから　福岡藩主黒田家に伝えられた「漢委奴國王」印はこれだろう

使用痕が無いとか　きれい過ぎるとかの理由で贋作説もあるが　
陰刻の封泥印であるし　漢の寸法規格2.3cmより微妙に大きい2.347×2.347×2.236である

中国での使用例をみると　
普通コピーを作ってそれを封泥印に用いるのが普通で　本物は・大事に保管される
儀礼の際は　現物を紫綬の紐で勲章のように首からぶら下げて地位の目印としたようだ
だから　この「漢委奴國王」印は実務用のコピー品と推定される　

倭奴をなんと読むのかは分からない 諸説沢山ある
「イト」かも知れないが　やはりまだ定かではない

委は　入れ墨や　文身　顔や体に文様を描いてる様を示す
つまり　委をしている東夷が委奴の漢字になった
多分　自称「ウォ」に　蛮夷の人々を意味する奴を付けウォヌとしたか　
自称「イト」或いは「イナ」に対しての中華意識による漢字の当て字かもしれない

でも　思うに　音は関係なく　中国特有の意味語ではないのか？
そのような様子の国であるから　そのように名付けよう
つまり委の風俗を持つ　蕃夷の国の奴で委奴国としたのではないか？
ひょっとして　朝貢した彼等の自称と意味語を重ね持つ語かも知れない
定かではない

また　中国では　金印に「漢の○の○の国王」の読み方の例はないので
素直に「漢の倭奴國王」つまり倭奴國の王印でいい
後漢書の本文にも　倭国の極南界にある倭奴國とあるし　蛮夷には漢字二文字使うのは通常であるから倭奴國でいいだろう

「漢匈奴悪適尸逐王」銅印駝鈕　漢と統属関係にあれば　このように記す
「匈奴単于璽」漢と等属関係にあれば　このように記す　漢は付かない

匈奴は自称ではない　自称がヒォンヌかどうかは分からないが　自称に対しての中華意識から来る当て字だ
匈奴は　戦闘の際　胸に×じるしの模様を描いた　それで匈の字を当て　奴は蛮夷を蔑む当て字

彼等は　中国古代の周礼の大夫を自称した

周　春秋戦国期における　諸侯に対する大夫は　王ー卿ー大夫の順になる
これは　室町時代の守護大名に対する国人の位置　地頭を出自とする武士層などの在地領主層に似ている

また注目すべきは　この倭奴國は　倭国の極南界也とある

倭国の中の一国が倭奴國であり　その国は倭国の南限に位置した
倭奴國が何処であるか分かれば　その北方全域が倭国と推定される

[去其西北界拘邪韓國]と書いてるように　
倭の西北界が狗邪韓国であると 漢は認識しているので
もし伊都国が倭国の極南界であれば　その北全域が倭国である

安帝永初元年，倭國王帥升等獻生口百六十人，願請見
107年 50年後　倭國王帥升が朝貢

桓、靈間，倭國大亂
146年 - 189年の間倭国大乱

[自女王國東度海千餘里，至拘奴國、雖皆倭種，而不屬女王。]とある

東に海を渡る４００km程　拘奴國に至る
木の国　紀の国　紀伊半島を含む領域に　女王に従わない勢力がいた
でも　倭種である　と　後漢書は記す




YOUTUBE映像　１００年前の事だが
この年になると
つい　こないだのような気がしてくる
俺が生まれる　たかだか３０年前
懐かしいわけないのに　何故か懐かしくて　しみじみする
カラー映像で蘇る東京の風景


まだ３時
外はまだ暗い
無駄に早起きが習慣になってしまった
出勤まで後５時間ある
茶でも飲むか