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6月27日一般質問の解説(3)CLT(直交集成材)の導入促進について

2014-09-06 | 活発!な活動報告

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 前回から時間が経ってしまいましたが、6月27日の一般質問についての解説の続きです。是非、お読み下さい。


② CLT(直交集成材)の導入促進について

問(鈴木) 国が基準策定を進めているCLT工法は、海外では10階建ての大型木造建築を可能にするなど、県産木材の利用拡大につながるものである。高知県等のようにCLT導入促進のための取り組みを進めるべきだ。

答(県) 県では平成25年度から静岡大学や企業と連携して県産材によるCLTの試作や試験に取り組んでいる。CLTは県の森林資源を更に活用する有望な方法であり、県内生産の可能性についても検討していく。


解説: 通常の集成材はひき板を平行に重ねたものですが、ひき板を直交に重ねて作ったものがCLTです。国が平成28年度の早い段階での基準の策定を目指しているCLTを用いた工法は、既に海外では10階建ての大型木造建築を可能にするなど、これまで、原則として3階建てまでしか木造建築を認めてこなかった建築基準法のあり方を大きく変え得るものです。既に高知県は、そうしたCLTの普及を見越して、市町や森林組合と協力して、岡山県に本社がある企業(銘建工業)の製材工場(高知おおとよ製材)を誘致する等の取り組みを進めています。また、その岡山県は、真庭市や企業、大学等と共同でCLTパネルを使用した全国初の市営住宅を今年中に建設する予定です。


※CLTの見本(高知おおとよ製材にて)


※日本で初めてCLTを構造躯体として使用した建物である高知おおとよ製材社員寮(高知県大豊町)(平成26年6月3日)


 CLTの大きな利点の一つは、構造材としては使いにくかった国産杉の使用を可能にしながらも、十分な耐震性、耐火性、断熱性、遮音性を確保できることです。外国産木材が中心のツーバイフォー工法等とは異なり、CLTは、木材の産出、加工、使用、そしてリサイクルまでの流れを静岡県内で完結させる、つまり、地域内で「おカネ」が循環することを可能にします。正に人口減少時代における地域活性化や循環型社会の実現に相応しい取り組みなのです。また、CLTパネルはプレハブのように短期間での組み立てが可能なため、後で建て替える必要がない緊急時の災害住宅への活用も大いに期待できるはずです。

 更に、現在、有志の方達により「駿府城天守閣」再建に向けた市民運動が盛り上がりつつありますが、かつてのように忠実に木造建築で再建するには、希少になっている大径木・長大材の確保や耐震性の問題も解決しなければなりません。CLTはその有力な答えにもなるのではないかと思っています。

 お読み下さり、ありがとうございます。


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