Garbanzo blog

政治経済と音楽のブログ。
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移民してもらえる国へ

2010-07-30 09:44:35 | 政治

僕がチマチマ見ているblog、My Life in MIT Sloanにて
blog主のLilac氏が不景気だからこそ移民のススメというトピックで
移民についての意見を述べられている。

彼女の言う高機能移民が起業家社会を促進するという言葉はウソではなく、
日本ならLotteやSoftbankは在日韓国人の1世や2世達が起こした会社だ。
米国は移民による弊害も様々に存在するものの、間違いなく彼らは
経済的、あるいは政治的な推進力になっており、異質性の高い集団故に「変化」に強い。
こういった集団は利害や理論によってしか纏まる事が出来ないので、
日本のような情緒的な処遇が入る余地がない。これは米国の経済の強さの一因だと思う。
高機能移民の獲得競争は租税競争と同じように、
ヒト・モノ・カネが自由に動く社会に於いて非常に重要だ。
現代では優秀な人材が生み出す利益は凡人の一万~二十万倍以上にも昇るので
給与額を平均的な人間の千倍にしても十分おつりがくる。

ただ経済的な意味で言うなら必ずしもアメリカが今行っているような「移民」という
形態を取る必要は無いように思う。いわゆる優秀層の人材の獲得競争というのはまさに
「あの国のあの企業で更に今よりも利益が出るか」という事を考えてくれるかであって、
そもそも法人税率が4割にも近い日本では大成功するビジネスでないとリターンが薄く、
企業間買収でも一般的な三角合併すら認めないほど規制が
(そして事業主の反発も)強いため、いわゆる「合理化」が非常に嫌われる。

Lilac氏の言う「高機能移民」は、例えるなら高校生レベルの問題だ。
今の日本には資本主義に於ける小学生や中学生レベルのもっと基礎的な問題が沢山あるので、
まず高機能移民を受け入れる土壌から作っていく必要がある。
金秀明氏のような在日こそ高機能移民であるかのような馬鹿らしい言質や
(しかもその後に韓国併合条約の無効を求める声明まで出た)
Lilac氏がわざわざ高機能移民と断っているにも関わらず
コメントではアンチ中韓を叫ぶ人々で溢れていた所を見るに、
経済的には成熟国家であっても、社会的には日本はまだ幼稚に過ぎる。

今必要なのは野口悠紀夫氏が言う「資本開国」であり、
城繁幸氏が言う「雇用の流動性」であり、
貿易なら小沢元幹事長が言うような「FTA」である。
あらゆる意味で中途半端な鎖国は止め、開かれた国にしない限り、
優秀な移民になりそうな人材だけヘッドハントしようと思っても、
彼らが日本に来るインセンティヴが現在の所文化的な面以外ほぼ無いのでは、
結局諸外国との獲得競争に負け続けるだけだ。
まずは市場原理で動く「普通の国」になり、それにのっとった上で競争すれば、
自然と優秀な人材は世界から集まってくる。
この国には人々を惹き付ける事の出来る潜在的な魅力は十分にあるのだから。



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