Garbanzo blog

政治経済と音楽のブログ。
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近藤洋介政務官に強く反対する

2010-09-08 22:37:37 | 政治

J-CASTにて政府が国内産業をリードしていく それが成長のポイントだ
/経済産業省の近藤洋介政務官に聞く
 という
タイトルだけで読む気が無くなる記事が出ている。

詳細は引用元の記事で確認してほしいが、要するに斉藤氏の言う所によると
小泉政権下での自由主義的な経済政策が失敗したせいで現在のような状況になった、
だから国がターゲッティングを行って産業を指導する必要があるという。
高度な「釣り」かと思ったが「それぞれの分野で、2020年までに達成すべき数値目標を示し、
達成に向けた取り組みの工程表も決めました」と言っているのでどうやら本気のようだ。

彼が評価しているオバマのグリーン・ニューディールは経済的にはバラマキだとして評判が悪く、
長期的なエネルギー戦略的としては良いが
雇用実績はゼロであり、
そもそもが経済効果が狙いの政策ではない。
またサムスンの成功は李健煕氏の鋭いビジネスセンスによる、
(英断かつ独断的な)トップダウンがガバナンスとして機能しているという点が大きい。
つまり政治家があれこれ指導してサムスンを復活させたのではなく、
サムスンの方から自社に有利な政策を作ってほしいという
ロビー活動によって政治的圧力をかけられている、という方が正しい。

地デジは大コケ、電波割り当ては超非効率、スパコンでの巨額すぎる損失、
無駄な箱物行政、圧力団体の言いなりの教育改革、年金破綻の後世へのツケまわし・・・。
書いているだけでも気が滅入る。国がコミットして成功したプロジェクトは
近年では南米への地デジフォーマットの売り込み程度だろうか。
しかも南米で最も売れているテレビメーカーはサムスンである。

国が行う事業は身銭を切らないという意味で恐ろしくコミットメントが薄い。
他人の金で失敗出来るプロジェクトに、一体誰が本気になるというのだろう。
そこには明確な責任の所在も創意工夫を凝らしたイノベーションも存在しえない。

現在の日本では必需的な生活インフラがある程度整備され、個々の需要が細分化している。
そして、国はある産業に於いて民間よりも正確な情報を持っているとは限らない。
よって民間同様に次の成長産業が何かなど解るはずもないのである。

このような状況では数多の投資家が自身の身銭を切ってリスクを負い、
分の悪い博打を承知で「一体何が儲かるのか」という社会実験を自らが行って、
死屍累々の会社の中から、僅か数社だけが競争を勝ち抜き、
最初に新しいステージに立って巨大な利益を得る。
そしてその企業が国の産業を牽引していくのである。現状それ以外の方法は全て効率が悪い。
この経済の新陳代謝に於いて、国は彼らの邪魔をしない以上の事は出来ないし、すべきでもない。
逆に言えば日本は規制だらけで国が邪魔をしているケースがいくつもあるので、
それを弱めるだけでも大きな効果が見込める。
その意味ではまだまだ政治が成さねばならない余地は沢山あるはずだ。


斎藤氏の言は80年代の古きよき日本への懐古であり、回帰だと言える。
だがもはやパラダイムはシフトし、世界は変わってしまった。
それが解らないのなら、彼の居場所は少なくとも政治には存在してはならない。
もうあなたの望む時代は終わったのだ。
年齢は45歳でも、発言の中身は70歳の老人と変わらない。



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