ありったけはげ山の一夜レビュー (前置き文はこちら)
第四弾はサー・コリン・デイヴィス指揮 アムステルダム(現ロイヤル)コンセルトヘボウ管弦楽団より。
このディスクも展覧会の絵がメインで、はげ山の一夜はカップリング曲だ。
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Ravel : Philips
Conductor : コリン・デイヴィス
Orchestra : 現Royal Concertgebouw Orchestra
Rec:1971年 ホール録音/セッション録音
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コリン・デイヴィスもショルティ同様英国を代表する名指揮者だ。83歳だがまだまだバリバリ現役である。
貧乏な家で生まれたのでピアノが買ってもらえず、一番安かったというクラリネットから音楽を始め、
指揮者どころかナイトの称号まで授かってしまうという、昭和ド根性アニメも真っ青の意思の強さ。感服です。
さて本作の演奏だが一聴して感じるのは(うっすらとだが)ジャズっぽくリズムがハネていることだ。
テンポはやや遅めで、演奏時間は11:30ほど。なんというか軽快なリズムのお陰でウキウキ感がある。
客観的に見たら悪魔達の阿鼻叫喚のパーティだが、当人達は「お楽しみタイム」なのだから、
視点が違うだけでこれはこれで正しい表現な気もする。テンポは遅めに取っているが、間延びしてはいない。
いい所では音の伸ばすタイミングでグォっとクレッシェンドをかけつつ僅かに速度も落としている。
あざといといえばあざといが、この曲はなんでもやったもん勝ちかつ下品な方が向いている。
あっさりなデュトワの指揮よりはコッテリな味付けの彼の指揮の方が好きだ。
録音に関してはアナログ録音全盛時代のもので、リマスタリングもしていないため芳醇ではあるものの音は荒っぽい。
濁った感じはしないがクリアさは最近の録音に比べるとやや劣る。音の像は近すぎず遠すぎず、ちょうどいい。
ホールトーンは適正量の範囲の中でもやや多めの方で、気持ちが良い。
それにしても当時からコンセルトヘボウは渋くていい音を出すオケだ。さすが。
評価 : ★★★☆☆
録音 : B
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