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京都・細見美術館「判じ絵」展 ~200年前の風流は心地よい

2018年06月13日 | 美術館・展覧会

京都の細見美術館で「江戸のなぞなぞ-判じ絵-」展が始まりました。判じ絵(はんじえ)とは、文字や絵画に隠された意味を当てるなぞなぞである「判じ物」を描いた絵のことです。江戸時代に庶民の娯楽として広く親しまれており、浮世絵師たちが趣向を凝らして難問・奇問を表現していました。

そんな江戸のなぞなぞをたっぷりと味わえます。ぜひ答えを考えながら、江戸の風流を楽しんでください。



判じ絵の回答には、人名・地名・動植物・道具などありとあらゆる言葉があります。問題となる絵は、言葉の読み方である「音」だけを伝えるものが中心ですが、中には絵そのものに意味がある場合もあります。まさに出題者と回答者の知恵比べとなります。

昭和50年代に、司会が出したヒントをもとに答えのキーワードをあてるテレビのクイズ番組がお茶の間に定着していましたが、まさにその原点のような存在です。

判じ絵が実際にどんなものか体験できるサイトがあります。展覧会主催者の京都新聞、判じ絵を多数所有する国会図書館が開設しています。また細見美術館の公式Twitterでも出題しています。まずは試してみてください。

【細見美術館公式Twitter】
【京都新聞公式サイト】 あなたは解けるかな?江戸のなぞなぞ―判じ絵―に挑戦!
【国会図書館公式サイト】 江戸名所判じ物クイズ

判じ絵はなぞなぞを表現するために描かれた絵ですが、それだけでない不思議な魅力があります。なぞなぞが解けたらそれで用済みではなく、江戸時代の流行を感じさせるイラストとしてオーラを発している作品がたくさんあります。

人間や動物の豊かな表情は、北斎漫画のように見ているだけでほのぼのとしてきます。現代の漫画家を志す若者のように、無名の新人が新しさと面白さを表現しようと腕を磨いたことでしょう。しかし決して熱すぎません。心地よい熱量を絵から感じます。

【公式サイトの画像】 浮世絵版画と判じ絵

浮世の判じ絵は、売れっ子タレントのポスターとしてもよくできていると感じさせます。役者の表情には愛嬌があり、着物も庶民のあこがれを誘うようにあでやかに表現されています。判じ絵が四色フルカラーの錦絵になると、見事なグラビアにもなるのです。

現代人はちょっとしたスキマ時間ができると、スマホでSNSやYouTubeを見たりします。判じ絵は江戸時代のスキマ娯楽として人々の心をとらえたのでしょう。今から200年ほど前の世界有数の大都会の人々が生活を楽しんでいた証が、判じ絵なのです。

こんなところがあるのです。
ここにしかない「美」があるのです。


細見美術館 「蛇足庵コレクション 江戸のなぞなぞ-判じ絵-」
http://www.emuseum.or.jp/exhibition/ex060/index.html
主催:細見美術館、京都新聞
会期:2018年6月9日(土)~ 8月19日(日)
原則休館日:月曜日
※この展覧会は、今後の他会場への巡回はありません。

おすすめ交通機関:地下鉄東西線「東山」駅下車、2番出口から徒歩10分
JR京都駅から一般的なルートを利用した平常時の所要時間の目安:35分
JR京都駅→地下鉄烏丸線→烏丸御池駅→地下鉄東西線→東山駅
公式サイトのアクセス案内
※この施設に駐車場はありません。


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