sumire日記

映画・本の感想、レビュー、趣味のタロット占いをしていきたいと思います!

ジュリアン

2020-06-30 12:48:00 | 日記



始まりの法定シーン。元夫婦のどちらかが裁判官に虚偽を伝え、真実が見えない。
家庭内暴力はあったのだろうか…誰にも何にもわからず未確定なまま、長男のジュリアンの悲痛の訴えだけがぼんやり浮かんで終わった。

しばらくすると判決が下り、妻の、母の訴えは通らず、ジュリアンは週に一度、父親との面会をすることになってしまった。

父親の暴力は事実であった。ジュリアンは母を守るために賢明な嘘をつき、そして涙を堪えたその視線は常に痛ましかった。

そしてある時、母と姉とジュリアンと、逃げるように構えた新居を見つけ出されてしまう。
そこからは息を飲む展開が待っていた。


始まりの法定シーンの閉じられた扉と、一番最後のシーンのアパートの扉が対となっているように感じ、当事者にしかわからない目に見えない恐怖がDVの惨状であると、訴えかけているように思った。



マイインターン

2020-06-01 12:54:00 | 日記
フロイトいわく愛と仕事が人生の全て

「私は退職し妻に先立たれ今は時間を持て余している。
妻が死んで3年半、とても寂しい。
隠居生活はやること探しの毎日だ。
最初は悠々自適な怠けた生活を楽しんだ。

たまったマイルで海外旅行。だがどこへいっても帰った途端虚しさを覚える。振り払うには動きつづけること。どこでもいい。家の外に出よう。
雨でも7:15にはスタバへ。社会の一部になった気がする。

また、その後はなんでもトライした。

わたしは不幸なわけじゃない。むしろ逆だ。ただ、ぽっかりあいた穴を埋めたい。

そして今日、スーパーを出て張り紙を目にした。"シニアインターン"募集」

ベンはそんな風にweb採用に使う自己紹介ビデオを撮った。
そして見事採用されたベンは、スーツにネクタイ、そしてポケットにハンカチを入れて出社した。

ベンは社長直属の部下となった。お気の毒になどと口々に呟かれたが、社長はファッションの通販事業を1人から築き上げた立派な女性だった。名はジュールズといった。

ジュールズは仕事と家庭の両立をする次世代の働く女性だった。しかし、会社は彼女の経営に限界を感じていて、新しい社長を迎え入れなくてはいけなくなった。また加えて家庭でも、すれ違いから旦那に浮気をされてしまった。

順風満帆かと思えたジュールズに多くの試練が降り注ぐ中、ベンのハンカチがジュールズの涙を癒してくれていた。

"ハンカチは貸すためにある。女性が泣いたときのため。"
そんな風に、ベンは優しくジュールズに寄り添い続け、唯一無二のインターンとして共に乗り越えていったのだった。



ベンの日課は公園でのヨガだった。
そこに嬉しそうな顔をしたジュールズが来る。一番に良い報告したかったようだ。


左手を立てて、左膝を上に、ゆっくり息をして、バランスを取る。
そして、深く息をする。