千寿の碁紀行

小林千寿の世界囲碁普及だより

MGプレスより 36回『英国の女王と女性首相』

2022-09-27 09:16:00 | 日記

 写真:オックスフォード大学クライスト・チャーチの食堂。今も学生の食堂として使われ、映画「ハリー・ポッター」のモデルになった
2022/09/23 碁縁旅人
オックスフォード大学クライスト・チャーチの食堂。今も学生の食堂として使われ、映画「ハリー・ポッター」のモデルになった
在位期間70年7カ月の英国エリザベス女王が崩御されました。改めて大変な時代を生き抜いた女王の意志の強さ、優雅さは、今後どこの国の誰もが追随できない類い稀(まれ)な存在だったと気づかされます。
そして亡くなる寸前の2日前に英国の78代目となるリズ・トラス新首相の任命。公務を大切にされ責任感が強い方であったと、よく分かります。
英国の歴代の3人の女王、エリザベス1世(1533~1603年)、ビクトリア女王(1819~1901年)、エリザベス女王(1926~2022年)。女王在位中は国が繁栄するというジンクスがあると言われています。
そして、国家の政治を担う首相にマーガレット・サッチャー(1925~2013年)、テリーザ・メイ(1956年~)に次いで、トラス首相が3人目の女性首相として誕生しました。長い歴史の中で英国は女性リーダーの存在を認める土壌がある国だと羨(うらや)ましくなります。
英国の首相の出身校の大半はオックスフォード大学です。因(ちな)みに71代のサッチャーから78代のトラス首相まで、8人中6人がオックスフォードの卒業生。英国と日本の大学システムは違うので比べ難いですが、オックスフォードは世界でトップの大学です。
英国の大学はいくつかのコレッジ(カレッジ)で構成され、例えば前首相ボリス・ジョンソンは「オックスフォ|ド大学・ベリオーズ・カレッジ卒業」、トラス新首相は「オックスフォード・マートン・カレッジ卒業」となります。
日本の天皇をはじめ皇族の方々も留学されています。
明治時代に囲碁が世界に普及された折に理系の人々の間で碁が知らされたこともあり、英国ではケンブリッジ、オックスフォード大学の囲碁部が代々強く、6年ほど前の囲碁部部長がマートン・カレッジだったので、私はそこで囲碁指導をしていました。
これからも英国の文化、伝統が継承されることを願います。




Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

柳田泰山先生の書展

2022-09-12 06:34:26 | 日記
9月9日に上野森の美術館の柳田泰山先生の書店を拝見してきました。
藤澤秀行先生の書の先生でもあります。
お父様の柳田泰雲先生は語が大好きでした。

 久しぶりの『文化度の高い時間』を過ごせて幸せでした。

柳田泰山先生の書


藤沢秀行先生の書
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

MGプレスより 『碁縁旅人』35回 『 ドイツ・オクトーバーフェスト』

2022-09-12 06:00:35 | 旅行
ハンブルクから毎年メモリアル大会に参加しているマイケル君(2010年、当時9歳)


今年は世界中が大規模な「干ばつ」で、欧州は過去500年で最悪の水不足とのこと。猛暑、水不足に、光熱費、物価の高騰で庶民の生活は圧迫されています。
そんな中、ドイツの南、バイエルン州ミュンヘン市では9月17日から10月3日まで、3年ぶりにビールの祭典「オクトーバーフェスト」が開催されます。最初は1810年の皇太子ルートヴィヒとザクセン公女の結婚式のお祝いから始まり、そのまま国民を喜ばせるために続き、今の祭典として継承されています。
コロナ前は600万人が来場、700万リットルのビールが飲まれたとのこと。今年は3年分のビールを待っていた人たちで盛り上がるでしょう。
南ドイツの大きなビールジョッキをいくつも抱えてサーブ(提供)するチロリアン衣装の女性は健康的で勢いがあります。因(ちな)みに北ドイツと南ドイツのビールの度数は北の方が強いので、お気をつけてください。
私は毎年9月末の週末にドイツ囲碁協会主催で開かれる「ハンス・ピーチ六段メモリアル囲碁大会」(著者の弟子、日本に囲碁留学。ブレーメン初のプロ棋士、南米で囲碁指導中に死去)の応援のためにドイツを訪れる機会が多いです。
ドイツ国内持ち回りで、学校の校舎を借りボランティアの方々で行われている大会です。各小中高校から3人で1組のチームで参加(欧米では囲碁漫画『ヒカルの碁』方式と呼びます)。学校の地元の生徒のお母さんたちが作ってくれるランチも嬉(うれ)しく、生徒たちは寝袋持参で体育館、教室で1、2泊します。
今年は3年ぶりにデュッセルドルフ近郊で9月17、18日に行われます。久しぶりにドイツの青少年たちの成長を見たいのですが、残念ながら今年も行けそうもありません。
日本各地でも「オクトーバーフェスト」が行われるようになっています。ビールを飲みながらドイツの子どもたちが碁を打つ姿を思い浮かべていただけたら幸いです。
2022/09/09
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

MGプレス 32回 『南仏ニース の夏』

2022-09-07 14:02:26 | 旅行

由緒ある建物の中庭で開催された野外コンサート

2011年8月、フランス・ニースで毎年開講されている音楽マスターコースを、パリ在住時にご縁ができたピアニストのイブ・アンリ先生(パリ国立音楽院教授)の伝(つて)で見学しました。
このコースは欧州の音楽大学の学生が主ですが、日本からも音大の学生、既に音楽の先生をしている方、趣味でピアノを続けている方など多様な生徒さんが参加。日頃は囲碁を教える立場ですが、他の分野のマスターが教える様子を見学するのは、とても参考になりました。
ピアノの技術は分からなくても先生が生徒に何を要望しているのか、伝わるものがあり、興味深かったです。
また夏休みの南仏ニースはバカンスの人々で賑(にぎ)わい、夕暮れ時の海岸沿いの散歩、映画にも出てくるネグレスコ・ホテルの美術館のようなロビーの見学。有名ブランドのウインドーショッピングで目の保養。夜はテラス・レストランで海を見ながらお食事。どこのレストランもおいしく、日本好きの人も多く好意的で、明るい南の人たちとの会話も楽しかったです。
また夜は野外コンサートへ。南仏でも夜は快適な気温で心地よい長い夜です。オペラ、クラッシック音楽も大好きな私には素晴らしい数日でした。
ただ残念だったのは、ニースから海岸沿いに12キロ(その先8キロにモナコ公国)、コート・ダジュールのエズ村に行けなかったこと。海岸から数百メートル、標高427メートルの岩山にあり、歴史が紀元前2000年からある小さな村で、要塞(ようさい)の役目もありました。そこから見る紺碧(こんぺき)の海、石畳の家並みを見たかったのです。
地中海の海の色、空の色は日本にない青さ。そして遠い対岸はアラブ諸国です。
紺碧の海を跨(また)いで異国が、どんな歴史を築いてきたのか興味深い地域です。

https://mgpress.jp/2022/07/22/%e3%80%90%e5%b0%8f%e6%9e%97%e5%8d%83%e5%af%bf%e3%83%bb%e7%a2%81%e7%b8%81%e6%97%85%e4%ba%ba%e3%80%9132-%e5%8d%97%e4%bb%8f%e3%83%8b%e3%83%bc%e3%82%b9%e3%81%ae%e5%a4%8f/


Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

MGプレスより 33回『欧州の危機』

2022-09-01 10:01:57 | 旅行

  2010年5月31日 シャンゼリゼ通りのデモの様子

1974年から2019年秋までに合計10年ほど海外在住え、海外旅行も数え切れないほど行きました。その間、日本では経験しそうもない「危険」に何度も遭遇しました。
1980年、アメリカ・ワシントンDCへ囲碁指導に訪れた時に泊まったホテルがウォーターゲート事件で有名なウォーターゲート・ビルの隣だったので見学に行きました。大きなビルの中のショッピング・エリアの宝飾店に入ると、店員の若い女性たちが泣いているのです。異様な雰囲気だったので、思い切って「どうされたのですか?」と聞くと、「今、銃を持った強盗が宝飾品を奪って出て行ったんです!」。私は、すれ違っていたはずです。
2010年5月31日、フランス・パリのシャンゼリゼ通りがトルコとイスラエルの国旗を持った人々と、機動隊に埋め尽くされていました。
支援物資輸送のためにパレスチナ自治区ガザに向かっていた支援団体の船団6隻とイスラエル軍の衝突があった直後です。
いつもは観光客で埋まるシャンゼリゼ通りが殺伐化していました。それを横目に歩いていると突然、機動隊が歩行者に催涙ガスを放出!強烈な痛みで目を開けていられず、涙がボロボロ出てきて、顔はヒリヒリし、10分くらいは身動きできませんでした。
やっと目を開けて最初に見えたのは、避難した洋服店の中で手錠をかけられている人たち。ドサクサ紛れに物を盗む人たちがいたのです。
フランスで爆弾事件が多発した頃は、飛行場に3人一組の警官がライフル銃を持ち、警察犬を連れてパトロールしていました。
そして、日々どこでも持ち主が不明と思われる荷物があれば、人々は気づくとすぐにその場から離れます。もし、すぐに持ち主が現れない時は爆発物処理班が中身を確かめずに特別な箱に入れて処理するそうです。
日本の平和な日常生活が保たれることを心から祈ります。

https://mgpress.jp/2022/08/12/%e3%80%90%e5%b0%8f%e6%9e%97%e5%8d%83%e5%af%bf%e3%83%bb%e7%a2%81%e7%b8%81%e6%97%85%e4%ba%ba%e3%80%9132-%e6%ac%a7%e7%b1%b3%e3%81%ae%e5%8d%b1%e9%99%ba/
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする