千寿の碁紀行

小林千寿の世界囲碁普及だより

第30回パリ名人戦

2012-11-15 12:58:17 | 日記

 

第30回パリ名人戦が始まりました。

 30年続いているパリ日本人会主催の囲碁大会です。

 50年近く前にパリに移りシャンゼリゼから少し入ったところに日本レストランの走りである『レストラン美紀』の

オーナーの上野巌氏があちこちに声をかけ出来た囲碁大会です。

 賞品も素晴しく、まだ囲碁大会が少なかった欧州では貴重な大会でした。

上野氏は1年半前に膵臓ガンで余命3ヶ月を告知され、29回、30回の賞品までを寄付し大会運営をしてくれる後継者を

探しました。幸い元気になられゴルフをするまでに回復されたのですが2012年五月初めに亡くなりました。

今回は上野氏の追悼の碁会になってしましました。

 パリで日本の碁を大切に囲碁界を盛立てて下さった方です。

『囲碁界の縁の下の力持ち』は何も要求せず、寡黙に多くの事をして下さいました。

心から感謝する気持ちを少しでも形にしたいと今回の大会に合わせ私は今パリ滞在中です。

毎年11月に開催されるパリ名人戦、外は枯れ葉が美しい季節です。

偶然,メトロに乗ったら,こんなポスターが。。。

大会は2週末に分けて行われます。

最初はCクラス。3級以下.と言っても日本の初段くらいまで。

パリ日本文化会館の囲碁講座で碁を覚えて3ヶ月の少年も大会は初参加!

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『能』と『碁』

2012-11-12 11:02:56 | 日記

元文化交流使として,先日の『古典の日』の文化庁主催のシンポジウムで,ご一緒させて頂きました河村晴久師匠より

碁が出てくる『能』の演目を探して頂きました。

 めったに演目として登場しないようですが、機会があれば是非、是非,観たいものです。

女流棋士の祖とも言える『喜多文子名誉八段』は能楽師喜多流14代家元の喜多六平太に嫁がれています。

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  • 作者 左阿弥
  • 素材 『源氏物語』空蝉の巻
  • 場所 京・三条京極
  • 季節 秋
  • 時 室町時代
  • 演能時間 約1時間30分
  • 分類 3番目 鬘物

■あらすじ

常陸国より都へ上る僧(ワキ)が三条京極に着き、この辺りは父親が源氏物語の話をしていた中川の宿の跡であろうと感慨深く古歌を口ずさんでいると、尼(シテ)が現れ、お宿を貸そうと言う。そして源氏の方違いの話から、中川の宿、夕顔の宿の話など語るが、今宵の慰みに碁を打って見せようと言う。相手はと問う僧に軒端の萩と決まっていると言い残し、涙を流し消え失せる。僧の夢に空蝉、軒端の萩が在りし日の姿で現れた。源氏へ昔の思い出も恨みも残っているが、今は懺悔に碁を打って見せましょうと言い、碁の話を語る。源氏の巻の名を言い合いながら碁を打ち始め、空蝉は負ける。空蝉は乱れ心となり、昔、源氏が忍んで来た折、上着を残して逃げ去った事、その苦恨と恋慕が募るが、源氏も軒端の萩も恋しく悲しい深い想いに堕ちたけれど、お僧の回向と碁を打った功徳で成仏した喜びを述べ消え失せる。

■みどころ

この曲は空蝉によって、光源氏の空蝉に対する恋慕と苦悩が描かれている。この苦悩は、能には多く取り上げられているテーマであるが、その苦悩の昇華が、本曲では一曲の見せ場となっている仏教的な意味づけをされた碁の対局の場面となっている。

曲名から想像されるには縁遠い作品であるが、この碁を打つというのが大変な特徴である為この曲名がついたと思われる。室町時代、金春元氏による初演が(1460頃)「禅鳳雑談」に記されている以外は江戸時代、鳥取落にての所演があるものの、久しく廃曲となっていた。明治20年に金剛謹之助 昭和37年に金剛巌 平成13年に梅若六郎、大槻文藏にて復曲上演された曲である。その後観世清和の所演がある。

■ワンポイントアドバイス 

この能には碁の用語が多く用いられている。難しい言葉が出てくる個所(クセ・上歌)は碁の話、碁を打つところであって、通常叙情的或は叙事的に書かれているクセ部分を、碁の用語を用いて生死を語っている。平安時代碁は女の打つものであった。

■舞台展開

  1. 旅の僧(ワキ)常陸国より都へ上り、三条京極ヘ着く。
  2. この所が、中川の宿の跡で、昔父親が源氏物語の話の中で出て来た所と感慨深く、古歌を口ずさむ。
  3. 尼が一夜を貸そうと声を掛けてきて、中川の宿の事、夕顔の宿の事など語るが今夜の慰みに碁を打って見せましょうと言い、僧の誰と打つかの問いに、軒端の萩に決まっていると云い、さめざめと涙を流し消え失せる。
  4. 僧が所の人に中川の宿、光源氏、空蝉、軒端の萩の話を詳しく聞く。
  5. 僧が弔いをしていると、夢の中に、空蝉と軒端の萩が現れる。
  6. 源氏の巻の名を言い合い、そして碁を打ち始める。
  7. 空蝉は碁の勝負に負けたことで心が乱れ、昔源氏が忍んで来たことを察知して、衣を置き抜け出し、源氏は間違って軒端の萩と契った想い出を述べる。そのことで空蝉の心も源氏の心も苦悩と恋慕に苦しんだことが語られる。
  8. しかし、僧の弔いと碁の仏教的功徳で成仏したと舞を舞い、喜びを述べ去っていく。
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11月1日は『古典の日』

2012-11-11 05:26:14 | 日記

今年から正式に11月1日は古典の日と制定されました。

それに伴い文化庁で『古典の日の進歩寺生む』が開催されました。

募集が200名のところ300名の沢山の方にお集まり頂きました。

内容は『古典の碁』『能』『落語』その後,パネルデスカッション。

(少し緊張しました!!!)

詳しい内容はhttp://kiyowta.blog27.fc2.com/blog-entry-8383.html

 写真は終了後に近藤文化庁長官と出演者と関係者で。
 

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第23回 国際アマチュア・ペア碁選手権戦大会

2012-11-06 07:24:03 | 日記

 11月の初めと言えば、囲碁界は国際アマチュア・ペア戦。

 今年は欧州代表に今年5月まで院生留学をしていたAntti Tormanen君 と日本語を学んでいるElina Pieniniemiさんがフィンランドから。

 3年前から夏休みにはプチ留学をするフランスのMilena Bocle(19才)とSimon Billouet氏(シモン君のお母さんはフランスの有段者のはしりで女流アマ選手権戦にも招待された事があります)

オーストリアからは欧州の囲碁の生き字引のようなHelmut Wiltschek氏(奥さまは元日本棋院の看板娘)といつまでも美しいSieglinde Gurberさん。

大会終了後に10月からセルビアから初めて院生留学を始めたNikola  Mitic 君(20才)等と皆で合流して夕食を!

碁友達は世界中にいますよ!!!(この写真に何カ国の碁を打つ人が入るでしょうか???)

 

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