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日本史の勉強している

中国や韓国との歴史認識の相違が問題になっているので、「正しい歴史」を勉強しようと思った。

新古今和歌集

2012-11-13 14:33:28 | Weblog
 1.名 義
 古今集の正統を継承し、かつ和歌の新時代を創造する意をこめている。
 
 2.選 者
 後鳥羽院親裁のもとに源道具・藤原有家・定家・家隆・雅経が選ぶ。寂蓮は途中没したため選者に数えない。
 
 3.成 立
 建仁元年(1201)11月3日宣下。元久二年(1205)3月26日竟宴(終功の宴)、一まず成立。更に切継(歌の削除、補入)が続き、承元四年(1210)9月ごろ完了。後鳥羽院は隠岐遷幸後、約四百首を除いて精選し隠岐本を作る。
 
 4.歌数・歌体
 本により異なる。流布本で1981首。切出し(削除)歌を含まぬ本では1978首。すべて短歌。

 5.組 織
 20巻。春(上下)・夏・秋(上下)・冬・賀・哀傷・離別・羇旅・恋(1~5)・雑(上中下)・神祗・釈教の部を立てる。配列には、四季の推移、歌題、歌風の変遷を微妙にからみあわせ、物語の進行、絵巻の展開を思わせる。首尾に藤原良経の仮名序、藤原親経の真名序を付けている。
 
 6.時代・歌人
 「万葉集に入れる歌はこれを除かず、古今よりこの方七代の集に入れる歌をばこれを載することなし」と序に言っている。記名作者396人。

 7.万葉歌人の歌
 約60首。人麻呂23首、家持11首、赤人7首。ただし万葉集にみえる歌は真作かどうか不明。真作にしても「田子の浦にうち出でてみれば白妙の富士の高嶺に雪は降りつつ」のように、当世好みの形で採られている。
 
 8.七代集歌人の歌
 約1080首。時代が下るに従い歌人の数が多くなる。貫之32首、和泉式部25首、西行94首で集中最多、式子内親王49首。菅原道真の歌12首を入集しているのが特異。
 
 9・当代歌人の歌
 宣下当時生存者の歌約740首。慈円92首、良経79首と九条家歌人が上位を占め、俊成72首、以下定家・家隆・寂蓮・後鳥羽院と続く。
 
 10.史的意義
 源平争乱、武家政権樹立、混迷の世に、俊成門下の俊才たちは現実を拒否し、ひたすら超現実の美を追求する。その人々が、延喜天満の治を慕い、王政復古を志す後鳥羽院の歌壇に結集し、余情妖艶の美を実現する。言語の表現機能を超越した彼らの象徴的手法は歌道の異端である。異端なればこそ万葉、古今に比肩する高峰たりえたとも言えよう。新古今風は主流たる二条派でなく、京極、冷泉派に受け継がれ、有心連歌、能楽など中世文化に広い影響力をもち、近代の浪漫主義、象徴主義にまで及んでいる。     おわり