日本史の勉強している

中国や韓国との歴史認識の相違が問題になっているので、「正しい歴史」を勉強しようと思った。

夢浮舟について

2009-11-17 15:35:05 | Weblog
 ものがたりは・・・ 
 横川の僧都のもとに訪れた薫は、僧都から浮舟の動静のあらましを聞き、その僧都に浮舟との仲介を依頼する。とりあえず浮舟の弟の小君に手紙を託すことにした僧都は、彼女を出家させたことを後悔し、また出家の女人を破戒者にさせかねないという懸念も抱いた。
 僧都の文使いとして小君が浮舟のもとに派遣される。その手紙には、薫の愛執の罪が消えるようにしてあげてほしい、などと書いてある。浮舟は、来訪の小君に母中将の君を思い起こして涙ぐむが、対面を厳しく拒んで人違いの手紙だと言い張った。小君はむなしく帰るほかはなかった。
 この話を聞いた薫は、浮舟の心をはかりかねて、もしかすると誰かが彼女を隠し住まわせているのかもしれない、と疑った。
 鑑賞のためにから・・・
 古来、横川の僧都については、横川で修行の日々を送り『往生要集』などを著した高徳の僧、源信僧都がモデルになっていると解する説が有力視されてきた。浮舟の救済を親身に見守る人物として、いかにもふさわしいのであろう。その僧都が小君に託した手紙で、浮舟の還俗(出家した者が現世に戻ること)を勧めているか否かが、古来の難問になっている、と言われる。いずれにしても、浮舟は堅固な意思で出家生活に生きようとしている。
 物語の最後で、浮舟との交渉の絶たれた薫が、実は誰かが彼女を隠し住まわせているのかもしれない、と疑うところも、薫という人物を考える上で重要である。たとえ浮舟との交渉が再開されたとしても、薫自身、従前どおりのかかわりを持とうとはしていない。   おわり