大連日記

2014年8月27日に大連にやって来ました。大連で見たこと、聞いたこと、感じたことをを日々綴りたいと思います。

それはあかんやろ!

2014-10-31 23:08:03 | 中国

習近平は、「ハエもトラもたたく」をスローガンに汚職政治の撲滅(もしくは撲滅を目指すというポーズ)に躍起だ。中国の政治に腐敗は根深いかもしれないと思ったのは、何も政治家ばかりではなく、「お金」でなんとかなる体質が、けっこうふつうの市民にも蔓延している気がしたからだ。

学生たちの話からさえ、裏口入学つまりお金で入学する類の話が聞こえてくる。

もうひとつ驚いたのは、カンニングである。これは、これまでに、日本語教師をしていた方からき聞かされていた話だ。カンニングがざらにある、と。

そして今日、学生から聞いた話にさらにびっくりである。大事な選考試験で、監督役の学生(これもよくわからないが、教員のアシスタントであるようだ)が、答えをある学生に教えていたというのだ。それに憤慨した学生の話である。

そして、それは単位認定の試験ではさらにあるという。ちょっとちょっと、権力上層部が腐敗しているのはわからなくはないが(それはそれでもちろん大きな問題だが)、学生がそんなことしてどうするんだ。背景があるにしてもだ。それはあかんやろ!


一家心中って日本独特!?

2014-10-28 20:53:42 | 日本の社会現象

一家心中、日本人なら誰でもその意味はすぐわかる。親が子どもを道連れに自殺することだ。親は何らかの事情で死を選ぶとき、子どもを残すのは不憫と思うのだろう。それで、子どもの意志は関係なく、はっきり言えば子どもを殺すわけだ。

中国の学生は、それを聞いて驚いたようだ。中国では、そんなことは滅多にないという。それを聞いて今度はこちらが驚いた。はてさて、一家心中って日本独自なものなの?!

日本では子どもは親のもの、という発想が根強いせいだろうか。それとも、親が死んだ後、残された子どもの将来を悲観してのことだろうか。それにしても、子どもの意思はそこにはない。

個人主義思想がしっかり根付いている欧米では、たとえ親が自殺に追い込まれたとしても、子どもを殺してという発想は生まれないように思う。しかし、同じアジアの国、しかも、儒教思想にしても仏教思想にしても本家本元である中国では、日本と「一家心中」に対する理解は大差はないと思っていた。共産主義国家が誕生して以来、子どもは国家のものという考え方が定着しているのだろうか。それとも、たとえ親が何らかの事情で自殺をした後でも、子どもの将来は経済的にも、精神的にも、さほど問題はなく見通すことができるからなのだろうか。

なぜなのだろうか?疑問だ。


なんてアカデミック!

2014-10-24 20:59:38 | 大学

今日は前から頼まれていた日本語研究室の先生の論文のチェックをした。いいですよ、と気楽に引き受けたものの、どうしてどうして本格的な論文ではないか。考えてみればそうなのだが、さすが大学の先生だ。

論文の内容は、江戸期の読本と言えば、上田秋成、滝沢馬琴くらいしか知らなかったが、都賀庭鐘という作家の作品と彼が題材とした中国白話小説との比較を論じたものだった。もうひとつ、明治期の作家(残念ながら名前は忘れてしまった)とやはりその作家が原典とした中国の書物との比較もあった。

主人公の生き方を巡っての儒教的道徳観、性の問題等、そもそもの中国と日本とでは、文化、背景などによる享受の仕方が異なることから、敢えて原典とは異なる翻案をしているとか、中国の革命思想に対して、日本は天皇制に依拠した歴史観を持つところから小説の内容を変えているなど、興味深い内容であった。

原典と翻案から、それぞれ中国と日本の(当時の)文化の違いが浮き彫りにされているという内容。そうか、大学の先生って、授業をしているだけではなく、研究をしておられるんだよなと、改めて感心。なんか、ちょっとアカデミックは雰囲気満喫の午前でした。


虎もハエも叩く

2014-10-23 14:43:50 | 中国

今日の昼は、日本語研究室の中国人の先生と一緒だった。大連に来てから、かれこれ二か月になろうとするが、お一方は初めてお会いする先生だった。総じて、日本語研究室の先生方は、私たち日本語教師にあまりお近づきにならない。それはわからないでもない。高校教員時代も、ネイティブの英語教員、何の略称か忘れてしまったがALTと呼ばれる教員がどの高校にもいる。しかし、その先生と話す英語の教員は一部だった。同じような感覚かもしれない。

本日初めてお会いした先生は、ざっくばらんな方で日本語能力もかなり高い。とてもナチュラルに話される。たんにこれまで機会がなかっただけで、別に避けられていたわけではなさそうだ。

お互いに自己紹介をしながら、昼食をムシャムシャ。その先生が言われるには、これまで、日本人教師が来られた時は、日本語研究室で歓迎会をやることになっていたのだが、今は、一切できなくなったと。

あの、習近平の「ハエもトラも同時にたたく」というやつだ。

中国の汚職体質は、上から下まで、かなり幅広くあるようだ。学生からも、「お金でなんとかなる」話はいくつか聞かされた。そのくらいだから、今までは、大学においても、いわゆる公費で宴会をすることもあったのだろう。それがお国から禁止令が出されたというわけだ。

見事なトップダウン構造である。確かに、色々と問題を糺していくことは必要であり大事なことだ、しかし、上からお触れが出れば、それがそのまま14億の民に伝わり、しかも徹底されるとは。恐るべし中国である。

特にここ大連は、汚職問題で失脚した薄熙来が、かつて市長や省長を勤めたところである。それだけ、過敏になっているのかもしれない。

それなら、それで、公金ではなく、ささやかながらも一献傾ける宴を私費でという発想はないようだ。それだけ、人の金すなわち公金で飲むことに慣れ親しんでいたということかもしれない。というわけで、歓迎会は、この後も開かれる予定はないようだ。まぁ、いいんですが、。


Lang‐8というサイトを先生にお勧めします。

2014-10-22 23:22:23 | ネット

優等生のAKから、メールをもらった。そこには、こうあった、

「Lang‐8というサイトを先生にお勧めします。自分が勉強中の外国語で公開できる日記は作文を書くと、ネットで母語としての友人はその作文を直してくれます。相互学習ができます。」

ううん?Lang‐8?中国のサイト?yahooで検索すると、少し古いが(2009年の記事)、次のサイトに紹介してあった。

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0911/18/news075.html

日本発のサイトらしいが、発案者は、日本育ちの中国人、この記事でインタビューを受けたときが25歳であるから今ちょうど30歳だ。

AKの紹介にあったように、相互に翻訳し合うSNSのようだ。さっそくやってみた。と言っても、中国語は初心者、簡単な文章、いや2~3の文を送ると、すぐに中国語を母語とする人から的確なコメントが。しかも、それだけではなく、添削の依頼が。これは、その簡単な文のなかに、日本語教師であることを入れたためであるが。

これはなかなかおもしろそう。でもただで添削するの?いやいやそれはお互いであるし、それに考えようによっては、中国語を母語とし、日本語を勉強している人が、どのような間違いをするのか、私の仕事にもプラスになる。

と思いながらも、これ以上、自分で自分のクビをしめるようなことをしていいのかだ。

今でさえ、5つのブログの更新にアップアップしているのだから~。