国旗は、わかりやすい。小さい子どもに国家のことを話してもわからないが、国旗を通して日常生活特に年中行事において、ナショナリズムを小さいときから教えることができる。いや植え付けると言っていいのかもしれない。郷土の山河とは異なり、国家は所詮幻想の産物。そうであるならば、そのシンボルとしての旗もまた人口的に作られた意図的なものと言える。
国慶節(10月1日)を前にして、中国は、あらゆるところに国旗が掲揚されている。個人の家々ではなく、大通りに等間隔で整然と掲揚されているところをみると、政府の指示のもとであろう。
中華人民共和国の国旗は、赤地に5つの黄色い五芒星を配したもので、五星紅旗と呼ばれる。 赤色は革命を、黄色は光明を表す。 また、大星は中国共産党の指導力を、4つの小星はそれぞれ労働者・農民・知識階級、愛国的資本家の人民階級を表すとされていた。
小さな星それぞれの頂点のうち1つは大きな星の中心に向いており、これは人民が一つの中心(共産党)の下に団結することを象徴している。また、中国本土を中心に満州、モンゴル、ウイグル、チベット、5地域の統合の象徴とも言われた。最近は共産党指導下の全国民の団結を意味するという、抽象的な解釈をしている。中華人民共和国憲法第136条は、「中華人民共和国の国旗は、五星紅旗である」と定め、1990年に中華人民共和国国旗法が制定され、旗の掲揚方法や取り扱い方などが明文化された。
へぇ、って感じだ。国旗法があるんだ。日本の国旗国歌法より10年ほど前に制定されているようだ。ひょっとすると、日本の法制定もその影響?
中国ではこの国旗「五星紅旗」に抵抗感をもつ人はいないのだろうか?少数民族は、この旗に欺瞞的なものを感じたりはしないのだろうか。
そう言えば、韓国ソウルで迎えた8月15日、やはり街は国旗「太極旗」が溢れていた。こちらは、李氏朝鮮の高宗時代、1883年旧暦1月27日に朝鮮国の国旗として公布され、1949年10月15日に大韓民国の国旗として採用された。分断された、もうひとつの朝鮮の国旗は、朝鮮の国名が古代中国人が「朝光鮮麗(朝の光の美しい地の意味)」と美称したことに由来するのに寄せ、国旗はその色から藍紅色旗と呼ばれるそうだ。赤青白は朝鮮民族の伝統色で、青い帯は平和と友好を、赤い帯は社会主義国家の建設精神を、白は光明と純潔を象徴する。白い円は宇宙生命である太極の影響を受けたもので陰陽のシンボルである。赤い星は社会主義を表わすとともに、陽と陰をも象徴する。
しかし、もともとは同じ民族。2000年のシドニーオリンピックでの開会式では、韓国と北朝鮮の選手団が共同入場を行なった際に、統一旗を掲揚し国際的な感動をよんだ。
国家は人民を統制するためにあらゆる手を使うのだろう。私は国旗もそのひとつと思っている。
そういう私でも、国慶節を祝う五星紅旗につい見とれてしまった。ってな具合だから、日本人が日の丸に歴史的経過とは別に、あす種の愛情を感じる気持ちはわからなはない。
でも、気をつけた方がいい!そんな素朴な郷土愛をうまく利用しようという輩はまちがいなくいるのだから。そして、それはしばしな国家の戦争に国民を駆り出すときに使われるのだから。
(参考)http://tospa-flags.com/index.html
さて、上記HPを見て、驚いた。現在、自衛隊では、あの、旭日旗を海上自衛艦旗として使用しているそうだ。旭日旗って、ヘイトスピーチを繰り返す人たちの専売特許と思っていたが。