常さんの徒然写真日記

旅や趣味を写真を主に紹介、でも何となく鉄道旅行が主なテーマになりそう。

バルセロナ(2)

2013年02月24日 | 鉄道

カタルーニア駅より私鉄のカタルーニア線に乗ってティビダボに行く。
この鉄道はれっきとした私鉄だが地下鉄7号線のような表記になっている。そして地下鉄の回数券がそのまま使える。そして後でだんだん分かってきたが、都市区間は全体としてゾーン制を取っていてそれは国鉄だろうと私鉄だろうと地下鉄だろうと同じゾーンでえあれば同じ切符が使えるのである。いわば都内であれば山手線も地下鉄も私鉄も全部共通なのである。この辺は他のヨーロッパの都市でも同じようで、要するに日本だけが遅れているようだ。会社の区分けはお客にとっては関係ない話で、地下鉄の中でも東京メトロと都営地下鉄で乗り継ぐと別計算の運賃なんて、こちらの人が聞いたらとんでもない話であろう。強いて言うと1ゾーンしかない地下鉄の場合自動改札は入口だけで出口がフリーだが私鉄の場合は出るときもチェック(自動改札)をしないと出られない仕組みになっていた。この辺は収入計算の区分けの都合と推定。
このティビダボ線の終点まではせいぜい12、3分だが車両はやはりメトロとは少し違った落ち着いた雰囲気を持つ。

終点のティビダボを地上に上がり目の前の通りを超えると目指すレトロトラムの乗り場がある。バルセロナでも他のヨーロッパ都市と同じようにLRTの最新路面電車が見直され復活しつつあるが、この線は昔からのものが残され保存の形でレトロ車両を走らせている。実際には土日10時-18時とされているが実際には昨日の土曜日に訪れたら動いていなかった。路線はかなり急な市街地の坂を上り2k程度と思われるケーブルカーの始発駅まで15分程度走る線でケーブルカーの終点は遊園地になっているとのこと。私は数時間後にはマドリードに行く列車に乗らなければいけないのでのんびりはできずただ往復乗って見ることにした。
途中の車庫を覗くとレトロ車両が大事に管理されていた。

 
 

Barcelona tram2

終点ではポール回しが行われる。
毎日走らせていないため結構営業運転までの手間は大変車両が出てくるがまずは路上にあるポイントの掃除などしながら一度全線を露ばらい運転をする。保存鉄道の為全線共通の回数券は使えない。片道4€往復7.5€と言われた。往復といったら片道しか売ってくれない、よく聞くと往きの切符を持っていれば帰りはそれを見せて割引になるとのことだった。そこそこ観光客が乗り込んで出発、終点でそのまま車内に残り往復する客は私一人だった。車掌は呆れて帰りは運賃いらないと言ってくれた。
車輪カバーが床上につきだしている。

Barcelona tram3

元気なおばさんがコーヒーを飲みながら運転、本来ブレーキハンドルを常時握るべき手はコーヒーを持っている。ここはスペインなのである。

このレトロ車のその乗り心地のすごいこと、もちろんバネはついているが当時であれば馬車の方がまだましだったかもしれない。私は2軸台車の車両には、横浜、京都などで乗った経験もあるがこんなにすごい印象はない。全線結構な坂を登るのだがその登坂性能は素晴らしい。このモーターを含めどこまでが原型なのかわからないが、流石にブレーキだけはハンドブレーキでなくエアブレーキを備えていた。残念ながら全面は曲面ガラスを使うなど近代化されてしまっているが今時吹きさらしという訳にはいかないだろう。しかし車内を含め基本はレトロを大事に保守している。このレトロ風にしている訳ではなく本物であるのがいい。

barserona tram

ブレーキ音を軋ませてゆっくりと坂道を降りてくる。




ヨーロッパはどこでも路上駐車(違反でない)も多いがこんな景色を見ると一体どういう仕組みで出入りをしたり仲良く暮らしているのだろうといつも思ってしまう。昔はこんな時に車を押しのけるためのバンパーがついているなんて聞いたことがあるが今の車はスペインでも壮大なバンパーは消え失せている。でも押しのけなければ絶対に出られそうもないのは事実である。

いよいよ高速鉄道でマドリッドに行く為サンツ駅に行く。バルセロナもバルセロナという駅はなくこのサンツ駅が国鉄の代表駅ですべての国内主要線、国際線はここから出ている。
 列車に乗る前に極めて軽い昼食を駅構内で取る。なんと酢漬けのいわしがあり、魚好きのつれは喜んで食べていた。別に春巻きのようなもの、中に何が入っていたか忘れたが私はこんな時ワインを飲んでいれば十分だった。

バルセロナ-マドリード間に高速鉄道(AVE)が開通して5年立つ。スペインというと時間通り走らない、あてにならないと思う人も多いかもしれないが今や立派な鉄道王国と言われている。新幹線網は中国に次いで2位、新幹線の定時制は日本に次いで2位という。スペイン在来線は広軌(1668)が採用されているが、新幹線は他国との直通を考慮すると標準軌(1435)による新線建設が必要だった。他の欧州各国はもともと標準軌のため新幹線も高速化のため部分的に新線建設をするが在来線にそのまま乗り入れる場合も多い。現在はさらに在来線の広軌にも乗り入れができるよう軌道可変車両も開発されその新幹線網もどんどん進んでいる。当初新幹線技術はフランスTGV、ドイツICEから導入されているが、現在は昔から有名なスペイン独自のタルゴ列車もAVEの仲間入りをしている。

バルセロナ、マドリード間は在来線で6-9時間ぐらいかかっていたのがAVEは2時間45分くらいで行く。これは大好評で現在はビジネス客はAVEで(1万円強)パッカーなどは格安航空でと昔と利用客は逆転しているという。このスペインの2大都市だが最初のAVEはマドリッド、セビリア間だった。いわば東京、大阪間でなく東京、新潟間を優先させたようなもの。これには都市間の複雑な思惑もあったように聞く。スペインも近世まで各都市がそれぞれ独立、対峙しておりそれらの歴史を紐解けば多少は理解できるかもしれない。

 実際に乗車するには広い空港のような構内で出発番線の表示案内をまつ。出発30分くらい前になってやっと表示されるがその入口をはいるとX線手荷物検査があり搭乗待合室になる。10分くらい前に一人ひとり乗車チェックを行い各自ホームに行く。要するに航空機に乗るのと手続きは全く同じである。搭乗カウンターを過ぎて行き着く先が飛行機か列車かの違いである。従って社内検札はなかった。

ホームに入り列車を見るとどこかで見たようなスタイルである。あとで調べてみるとこれは正しくドイツICEと同じシーメンス製であった。さらにはその最新型の日本の新幹線と同じ動力分散方式で機関車はついていない。この列車はAVE3132(13:00発マドリッド15:45着)

  

 フイルムタイプの電光表示がかっこいい。

なぜかホームとの段差が2ステップある。このためバリアフリーにはならず、車椅子などは事前の予約を要するとのこと。せっかくの新線なんとかならなかったのかと思う。

途中峠超え区間では吹雪も見られた。

 広大なマドリッドアトーチャー駅到着。フランス型、ドイツ型、スペイン型(タルゴ)などAVEのオンパレード。

 この駅は在来線とは別に新たにAVE専用に造られた駅で壮大な近代建築の駅となっている。ここも飛行場のような雰囲気で地下鉄に乗り継ぐためには結構移動する必要があった。

 



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