よく分かる 住まいづくり・・(檀建築コンサルタント)

私達の考える住まいは、住まいづくりの原価を探り、無駄のない資金で、遊び心のある家を作る事。

ハウスメ-カ-の行方

2010-03-31 07:44:52 | 住まいづくりの進め方、考え方

 建築に限らず言えることだが、母体が大きくなり経費も増え続けると会社経営は成り立たなくなり、会社を維持するには仕事を受注しなければならなく、無理な受注をし、最後は閉鎖に追い込まれる事となる。

過去にNO1であった殖産住宅も今は無く、今日の不況下の中、一時の勢いは無く、受注件数も減少し、母体を維持していくのが精一杯の中での品質は良くなることはなく、ますます利益を優先しなければならない中で作られる品質も問題となってくる。

今後はブランドやラベルに依存しない選択をしなければ
求める要望を満たす為の”家づくり”が出来なくなり多くの予算をラベルを貼ってもらうために使われる結果となってしまう。



大手ハウスメ-カ-の行方

2010-03-30 08:33:24 | 住まいづくりの進め方、考え方

私が、 20代の頃、大阪の工務店に勤め、現場監督をしてた頃、その会社は年間12億円程度の物件をハウスメ-カ-から下請けしていた。
今は残っていない、殖産住宅と言う会社で、その当時まだ展示場展開をしていなかった時代のトップメ-カ-であり、多分2年連続売り上げNO1の記録も残した会社でもあった。

私が、最初手がけた物件は、3階建ての鉄骨造の店舗で、殖産住宅の受注金額は5000万円で、現場に渡された予算は3000万円で、工期は3ヶ月の厳しい工事期間の中で現場は動き、実行予算から更に10%の利益を上積し完成した。

結局、実際現場に要した費用は受注額の60%であり、4割以上が、経費と利益になっており、現在も大手の利益配分は多分その当時と変わっていないだろう。
大手であるため、その多くの経費は人件費となり、母店経費、支店経費、下請経費、に多くの費用が使われ、結局必要とされる建物に使われる実質予算は6割程度となってしまう。

これは大きさ故の宿命であり、大きな図体を動かして行くにはそれだけのエネルギ-が必要となり、そのエネルギ-がつまり、莫大な資金であることは否定できない。

資金に見合う”見た目”を作るため、メ-カ-はデザイン優先の商品を作り、出来るだけ安い材料で見た目に良い物を作らなければならない。

当然無垢材では作れず、人工的素材に、ペンキを塗り、クロスを貼り、自然素材からかけ離れた所で商品開発を強いられる。
坪単価80万円もする家であっても、殆どがクロスと集成材で仕上がってしまい、それすら疑問に感じない消費者が居ることも確かで、今なお多くのハウスメ-カ-が生き残ってる。

我々設計者から見ると、決して魅力的な商品とは思えず、それだけの予算があるなら、もっと良い物が作れるのに・・。とその予算を聞く度思ってしまう。


大手ハウスメ-カ-の行方

2010-03-29 08:08:13 | 住まいづくりの進め方、考え方

 30年前、ハウスメ-カ-は、全国展示場展開により爆発的な進歩を遂げ、集客力を伸ばし、保守的な和歌山にハウスメ-カ-は適応出来ないだろうと言われていたが、総合展示場の進出により、一時期は住まいの平均坪単価最高額を記録した。

その当時の全国平均年収の中で和歌山は、ワ-スト10に入っており、産業の無いこの和歌山が坪単価の高い家を買う背景には負の要素が働いており、保守的だと言われていたその当時の心理的要素が高かったのだろうと思われる。

和歌山だけではなく、日本には守る体質が強く、みんなが買う物には警戒心を起こさず買う、日本人の体質でもあり、ブランドに弱い日本人だとも言える。

みんなが良いと言う物を買い、自分一人が損をするのが怖く、みんなが損をする中での損は納得出来る、と言ったような大衆心理が働き、自分の本音で動こうとしないのが日本人だったのかも知れない。

「出る杭は打たれる」 「長い物には巻かれろ」を信条とした日本人の体質が有ったのかも知れない。
多くの情報が簡単に入手できるようになった今、私達日本人は、自分を守る手立てを多くの情報の中からどのように見極めていくのだろうか?


保証

2010-03-26 20:44:38 | 住まいづくりの進め方、考え方

 保証大国日本、と言ってもいいかもしれない、家電から、車から、住宅まで殆ど保証が付き、保証が付いているのが当たり前で、保証のラベル無しでは物は売れない時代なのかも知れない。

これが世界に誇れる技術力ゆえの事なのだろうか、それとも、日本の保証つまり、守られる事を心地良しとする日本の気質なのだろうか?

守られる事に慣れてしまった日本は、物の本質を見抜こうとする眼力はなくなりつつあり、自分で見分ける事をしなくなった。
保証の無かった頃、物づくりが日本に目覚めた頃は、多分物事を見分ける眼はしっかり持っており、自らが家を守り、家が傷めば親父が大工道具を取り出し修理をし、長い年月家を守って来た時代も確かにあった。

日本も経済的に安定し、安定と共に物を見抜く必要もなくなり、高額な物が買える時代と共に価値観が変わり、
ブランドに頼るようになり、ラベルを誇る風潮が生まれ、高価な物を買うことで安心を得るようになってしまったのかも知れない。
経済大国と言えなくなってしまった今、私達は物を見極める眼を持ち、ラベルに頼らず、理屈で物事を考える意識を持たなければならない時代になり、保証に頼らない眼を持たなければならない。


 


保証制度

2010-03-26 07:35:18 | 住まいづくりの進め方、考え方

 保証は昔から家電商品に多く存在しており、1年保証から近年5年保証と言ったような長期保証が家電商品に見られる用になってきた。
この現象は消費者が保証の付いている商品を求めているからで、本格的な保証の時代の始まりかも知れない。

見方によれば、それだけ故障しないだけの日本の技術力が向上したとも言える。
精密機械、家電商品、建設機械、全てにおいて日本技術は世界に誇れるものをもち、性能を持っているのだろうが、その保証が工場生産品に留まらず、建築の建物に対しての保証が、昨年国土交通省のもと法案も通り、10年保証が義務づけられる事となったが、保証基準中に多くの問題を残し、結局そのアバウトの基準を満たすため、施主に負担を強いる結果となっている。

このように、保証は消費者にとって安心の目安とは成り得るかも知れないが、時には安心を買うために多額のお金を出さなければならない事にもなる。

 



 


基礎

2010-03-25 07:46:37 | 住まいづくりの進め方、考え方

 近年、国土交通省から建物保証制度が義務化される事となったが、はたしてこれは消費者にとって利益をもたらす法律となるかどうかが疑問に思える。

国土交通省が建物保証制度にまで介入する事により、国土交通省の組織に利益をもたらす事は間違いないだろうが、保証がエスカレ-トしこの制度を利用して利益を計ろうとする企業がでる可能性は高いとも言える。

今年に入り、立て替えの為45年前の鉄筋コンクリ-ト二階建てと木造平屋の二棟を解体した。
地盤は粘土質ではあるが、建物の中では最も重い
コンクリ-ト造も45年間で沈下もなく、地耐力はこの建物を支えるには充分の耐力を持っていたと言える。

今回、その後に建てる建物は、木造平屋建てで、鉄筋コンクリ-トに比べれば五分の一程度の重さ程になるだろうが、国土交通省が定めた基準に20KN以下の場合安全対策を講じなければならないと定められているが、これは建物の重さに関係なく、平屋の建物でも、3階の建物であっても、建物の規模に関係なく定められた基準となる。

今回の平屋建ても、この基準のため杭打ちをしなければならない調査結果が出てしまい、保証会社が設計した杭本数は52本が必要との報告書が届いたが、杭耐力から逆算すると200㌧以上の重さに耐えられる耐力を保有する基礎となり、実際建てる平屋の建物重量は80㌧程度の重さしかない。

工学的判断により保証会社との交渉で、38本まで本数を減らすことで保証を付けてもらえる事となったが、何も知らない場合、52本の杭を打ってしまう事となっているだろう。
このようにして、保証は建築主にとっては保証を付けるために無駄な杭打ちを強いられてしまう結果となる。



相場

2010-03-24 07:43:38 | とりとめもなく

  物を購入する場合、殆どにその時の相場があり、その時の相場を決めるのが、今、私達が味わってる不況、が最も大きな決めてとなる。

一般的には物の価格を”相場”とは表現しないが、卸売りの世界では、相場と言う言葉が使われ、物の値を判断するとき、その時の相場で安いか高いかを判断する基準となる。

一般的に良く知られている言葉に”金相場”があるが、これも景気の変動により、金の価格は動く。
過去のオイルショックの折には、相場が崩れ、建築資材は毎日のように値段が上がり、一枚980円で買えた商品が二倍の価格になった時もあった。

この大きな価格変動は、石油が入手出来ない事に端を発し、人間の欲が絡んだ結果、石油に関係の無い物まで価格が高騰してしまう事もある。
オイルショックの相場が狂った事に目をつけて、業者が買い占めを行い、その商品が不足し、高値がつき、その時売って儲けようとする人為的な価格変動によりインフレは引き起こされる。

住まいを考える中で、一般の人は建築相場をあまり知る機会もなく、個々の単価は殆ど知ることがないため、坪単価を相場だと考えてしまい、安い坪単価に目がいってしまう。
国道を走っていると、「坪単価25万8千円で家が建ちます!」とあるが、多分行った人の数だけ後悔があるのだろう。


相場

2010-03-23 06:29:22 | とりとめもなく

 人は皆、住まいづくりには、一杯夢があり、要望があり、それらを出来るだけ多く満たしたいと思っているが、まず第一歩を踏み出さなければ事は始まらず、住宅雑誌を買い、どのような間取りにするか家族で話し、結局上手くまとまらない為”勉強”という理由で、住宅展示場巡りを始めるのが、一般的な家づくりの始まりとなる。

進む選択肢で、住まいは自ずと決まってしまう場合があり、自分の意思に反し、思うようにならず、結局は「おしきせ」の住まいとなってしまい、思い通りにならない場合がある。
何処と話しを進めようが、予算を考えることなく、資金にゆとりのある人は、何処に依頼しようと思った事は叶えることは出来るが、殆どの人は予算に限りがあり、無理のない所で望む家が出来ないものかと、思案し、思いを託す事となる。

 

住まいづくりをどのように進めて良いのかも分からず”とりあえず”展示場巡りをし、訪問した業者の中に、接客してくれた人がとても優しかったので”とりあえず”その業者にプランを書いてもらうことになり、要望を言い、出てきた予算は希望金額を大きく越えてしまい、予算の範囲内で納めるには、夢を諦めなければならなくなってしまい、夢の多くは予算に潰され、妥協の中の家づくりとなってしまう場合もある。

私は、家づくりに迷っている人に例え話をすることがある。

例えば、ご主人が道路を走っていたとき”美味しい大根5本1000円”の看板を見て、奥様を喜ばせようと5本1000円なら安いだろうと思い、奥様の喜ぶ顔を思い浮かべながらその大根を買い、家に持って帰り、
「お~~い立派な大根があったので買ってきたぞ、5本も入って1000円だって!」

優しい奥さんなら、「あら・・立派だ事、ありがとう、でも今度買うときは電話頂戴ね!」というかもしれないが、そんな優しい奥様ばかりじゃなく、「何でこんなに高い大根かってきたの?」
「高いでしょう!・・一本2百円もする大根なんて!」と怒られてしまうのが落ちになるかも知れない。

大根一本の相場がいくらか知らない奥様は殆ど居ないだろう。
ス-パ-に買い物に行けば、大根一本95円程度で売っており、豊作の時は80円で買える事も知っている。
されど、1000円で目くじらを立てて怒る金額でもない。


打ち合わせ

2010-03-20 07:42:53 | 住まいづくりの進め方、考え方
 打ち合わせは出来るだけ多くの時間をかけ検討するのがいいが、各家庭の都合もあり、なかなか時間が取れない場合が多く、時間が空きすぎると前回の打ち合わせも復習しながら進めないとならなくなる為、限られた打ち合わせ時間を有効に使う事もままならなくなってしまう。

ネットを利用した打ち合わせは、思いついた時、疑問に思った時など、電話とは違い情報量も多く。言葉の説明だけでは分からない時なぞ大いに役立つ、カタログが必要なときそのURLを貼り付けることにより同じ情報も共有出来、現場が動き出しても自宅に居ながら現場を見る事も可能となってくる。

文明の力により、他府県のクライアント様の仕事も簡単にできる事となる。
過去には、岡山、姫路、東京、神戸での物件を設計させて頂いた事があり、東京での物件はス-パ-マ-ケットの仕事だった為、朝8時の飛行機で飛び、夜8時の便で帰る打ち合わせをしたが、この時今のシステムが使えていればと思える程、便利な時代となった。

打ち合わせ

2010-03-19 09:51:37 | 住まいづくりの進め方、考え方

 今、奈良にお住まいのN様と打ち合わせが進んでおり、聞けば、この事務所を訪れる際、電話を入れたが、応対に出た私の反応が無愛想だったようで、その時の対応がどんな話しだったのか覚えていない。

今後、反省しなければいけないと感じながら、スカイプの文字を通して、その時の奥様の表現が、実に楽しく書き出され、声を出して笑いながら、書き出される文字を追った。
それは、昨日のやりとりの中でのことで、実はかねてより、PC通信を使って打ち合わせが出来れば、両者の都合に合わせなくても、お互い手の空いたとき、交信し要望や、それの図面をウエッブカメラを使って打ち合わせが出来れば、行き来の時間も省け、思いついたときに伝えることが出来るので、使って見たいと思っていた。

丁度、そんな時、N様が当社に訪れ、お住まいは奈良で、和歌山までは一時間以上かかり、その往復時間を考えると、大きな時間の無駄が強いられる事となる。
”ならば”・・とN様に提案したところ快く承諾していただく事となり、スカイプ無料ソフトをダウンロ~ドしていただき、文字を打ち込み、指がつかれて来ると、音声に切り替え、カメラを出し、リアルタイムのプラン打ち合わせをして、N様もPCにウエッブカメラを接続し、切り抜きの写真や、プランの要望を映し出しながら事は進み、融資予約の返事が来る前にプランが決まってしまった。

今までのお客様の打ち合わせ時間の三分の一の短期間で要望をまとめ、お互い気に入ったプランに行き着いた。
文明の力とは、使いようによっては有効な道具となり、今は一歩進んでメニカムを使ってこちらのキャド図面や3DをN様の画面にリアルタイムで出すことも出来るようになり、よりいっそう理解を深められる打ち合わせが進んでいる。



打ち合わせ

2010-03-18 07:58:21 | 住まいづくりの進め方、考え方
 打ち合わせは、建物を造るための情報収集だけのものではなく、依頼者との間の意思の疎通を図るものとも言え、お互いの信頼関係が良い住まいづくりとなる大事なコミュニケ-ションの場となる。

出来上がった物を販売するのと違い、その時の感情により出来上がりが違ってくる場合がある。
駆け引きのない所で進む打ち合わせはこちら側も警戒心を持たず、時には無理な事も引き受けてしまいそうになる事もあるが、そんな中から楽しい住まいが出来上がる。

打ち合わせ

2010-03-15 07:30:55 | とりとめもなく

 建物を造る場合、住む側と、創る側とのコミュニケ-ションが重要で、お互い同じ目線で進めていかなければならす、どちらかが優位に有ってはならない。
住まいづくりに必要な情報を設計者に出来るだけ多く出し、要望も前もってまとた方が、その関連性や手順が設計者が理解しやすく、無理のないプランを組み上げることが出来る。

思いつきで、小出しに出された場合、一つの要望が、構造から見直し、他の部分の変更までも強いられる場合さえ有る。
プランは、予算を考えながら、その範囲の中で最大限可能な中で組み上げながら創られていき、その途中で変更が有った場合、予測が崩れ、変更を満たすために、構造や方法を変えていかなければならない。

当社では、出来るだけ多くの情報を得るためや、途中で要望や変更が変わらない為にも、プランづくりの前に、スクラップブックを一冊作っていただき、その中に気に入った写真の切り抜きや記事など切り貼りしてもらい、コメントも一緒に書き込んでもらうようお願いしている。

その他の情報として、靴の数や、ハンガ-に吊されている服の数、家具の寸法や種類、家電製品のサイズと種類、新規購入予定の家電類、なぞ、必要な情報を全てスクラップブックに書き込んでもらうようお願いしている。


つくる

2010-03-13 08:09:07 | 住まいづくりの進め方、考え方

 子供をつくる、人をつくる、ものをつくる、それぞれに”つくる”か付き、やがてその”つくる”は育てるに変わり、物は愛着へと言葉は変わっていく、愛がつく言葉にかわり、それと関わりながら、作ったときの苦労や、我慢したときの悔しさを思い起こしながら、その人の生活の中に必要とされたものが残っていく。

愛と言う言葉をつけられ、大切に使われ、維持されていく物の中に、物づくりの意味があり、深みがある。
個人が作る中で最大の物づくりが、自分の住まいを作る事であり、日曜大工で作る、棚や箱とは大きさが違い、規模が違う。

買う値段の桁が違い、数が違い、品質も様々で多くの知識が必要となり、手に負えなくなってしまう。
そんな中、人は”素人だから分からない”と言って誰かに任せる事を考え、最も大切な物づくりの殆どを人任せにし、お金の使い道さえも、分からないまま、住まいを完成させようと考える。

長い年月を包み込まなければならない器。
子供を育て、疲れを癒す大切な人を守らなければならない場所、分からないまま造り上げられた物には、愛がつかない、単なる器になってしまう。


作る

2010-03-12 07:43:18 | 物づくり

 作り出す過程の中から多くの事を学び、多くの喜びが生まれ、また我慢をすることも受け入れながらも作る喜びと、夢と、優しさを混ぜ込み造り上げていく。

与えられたものの中には、優しさが見当たらず、作る実感も経験できず、買った事実が残るだけになり、愛着はあまり湧かない。
与えられることに慣れてしまった今、私達はもう一度作る喜びを感じ、優しさを感じ、苦労も感じるべきなのだろう。

自らが造り上げることを忘れてしまえば、生まれる物は少なく、 文句を言うだけになってしまい、誰かのせいにしながら生きていく事になってしまう。
”誰が責任を取るんだ”・・・と人事のように言う人ばかりになり、自分自身が決断することや、事が起きた場合自分で解決する勇気さえ失ってしまう。

全てに保証をつけ、守られすぎた日本、そんな中では夢は生まれず、感動さえ薄らぎ、大衆の中で紛れ込み自分の喜びさえも見失ってしまう。