【日付】2021/10/16(土)
【場所】旭岳・姿見の池園地
【天候】晴のち曇り
【気温】~7℃
【風速】~14m/s
一週間ぶりの姿見に出勤すると、駅前の池に氷が張っていました。
とは言え晴れて陽が射しているせいか、10時の気温は7℃と思っていたより暖かく、
着込んでいたのでちょっと暑いくらいでした。
エゾシマリスがあちこちで冬支度のため走り回っていました。
霜柱が融けて、散策路がドロっとしているところもありました。
靴を汚したくない方は、姿見駅にレンタル長靴(1足300円)があります。
しかし巡回していると曇ってきて冷たい風がどんどん強まり、16時には1℃まで下がりました。
明日以降、雪が積もり始めると、登山道や園地内に張ってあるロープを外す作業をします。
第五展望台のロープは、凍るとハイマツと合体して外しにくくなる所があるので、前もって少し緩める作業をしました。
その近くで、高山植物の上に不自然な石が数個あったので見に行くと…石の下に大便とティッシュが隠されていました。
大便と石が凍って固まってしまい取れないので、ティッシュだけ回収しました…
用をたすなら、携帯トイレを持参するか、姿見駅のトイレを使用してください。
高山ではそう簡単に自然に還りません。回収作業をする人のことを想像してみてほしいです。
散策路の石段が凍っていたので、氷を割ったり水が流れるように小石を避ける作業をしました。が!
まだ手をつけていない階段で、お客様が氷で滑って転んでしまいました…
作業が間に合わず、申し訳なかったです。
今後は雪が降ってさらに滑りやすくなるので、ツルツルに凍った日は、
無理せず自力で行ける範囲で冬景色を楽しんでいただけたらと思います。
午後はすっかり寒々しい様子になりましたが、旭岳を見て、
「日本にこんな綺麗な山があると思わなかった。今度登山したい。」と話してくださった方がいました。
これから雪が降るので、来年の夏、晴れた日にぜひ登りに来てください、とお伝えしました。
帰りのロープウェイから近くの山を見ると、雪が降り始めたようでした。
今夜から平地では雨の予報で、山や峠では雪になりそうです。
【10月大雪山・旭岳登山について】今日の様子は↓ですが、明日以降は雪が積もりそうです。
例年、雪が降り始める10月に、旭岳では遭難事故が多発します。
10月の登山をオススメしない理由は、道に迷いやすくなることによる遭難です。
雪が降ると360°真っ白になり、目印(踏み跡、石に描かれたマーク、標柱、周囲の景色)が何も見えなくなる
出発時に視界がよくても、その後霧に包まれることもある
ロープが外される
日没の時間が早い
さらに、
上記のように天気が悪くても、日程を変更できず無理に行ってしまう
冬山登山の装備・知識・経験がない
道に迷っても、元の場所に戻らない(雪で足跡が消えて戻れない)
警察への通報が遅い
遭難後に悪天候(吹雪)が続き、その後晴れても積雪ですべての痕跡が消えてしまう
(悪天候時はヘリも出動できません。警察、消防、自衛隊、遭難対策協議会…
その他大勢の方々が総出で何日も何日も探しても、見つからないです)
低温(気温はマイナスになります)、体力消耗
…なども、重なって起こっていると感じます。
宿泊先で、ビジターセンターで、ロープウェイの駅で、
そして私たち旭岳自然保護監視員が、「今日は危ないので登山は止めた方がいいですよ」と、
理由を説明しつつ声を掛けても、行くと決めた方は行ってしまいます。
「行ける所まで行ってみます」と言って、帰ってこなかった方がたくさんいます。
もし行くのを止めていたら、家族や友人ともまた会えて悲しませることもなかったし、
その後も登山を続けられたのに…と考えてしまいます。
それでも、どうしても冬山登山に行きたい方は、冬山ガイドを依頼するなど万全な安全対策をお願いします。
旭岳自然保護監視員:羽馬 和美
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