1.序論
麻雀格闘倶楽部(以下、MFC)にはシリーズ当初から、「CPUはイカサマをしている」という噂がありました。
「CPUがリーチをするとプレーヤーは一発目で当たり牌を引かされる」
「CPUはツモ山の中身を知っている」
「CPUは他家の手牌を知っている」 etc
いくつかあるCPUイカサマ説の中でもっとも有名なのが、
「CPUのリーチ一発ツモは異常に多い」というものです。
つまり、一発でツモってしまうことでライフ回復のインカムを増やしたり、
ゲームを早く終わらせて、台の回転率を上げたりするためだというのです。
(ただし、これをやって儲かるのは店側であって、MFC発売元のコナミには関係ないので
わざわざコナミが一発ツモを多くする理由がわからないのですが。)
そこで、実際にCPUのリーチを記録して本当に一発ツモが多いのか調べてみました。
2.方法
記録方法:
MFCをプレイながら、CPUのリーチ回数と一発ツモの回数を記録した。
ただし、リーチ宣言牌でロンされたときはリーチ回数に含めない。
また、一発消しがあったときはリーチの一巡後にツモっても一発に含めない。
対象:
MFC3、4の半荘A1リーグ・黄龍闘技場AAAで同卓した全てのCPU
いとさんなどの通常CPU、プロCPU、だいうちなど全て
期間:
2004年12月26日~2005年9月19日
半荘数でいうと1533半荘
3.結果
リーチ総数 329回 一発ツモ回数 19回
一発ツモ率(実測)5.775% 一発ツモ率(理論値)5.766%[1]
図3-1 CPUのリーチと一発ツモ
理論値は「科学する麻雀」から引用
図3-1の結果は、ほぼ理論値と一致してしまいました。
リーチ回数329回では、一発ツモ率を理論値の5.766%として計算してみると
95%の確率で一発ツモは11回~27回の範囲内に収まります。
かなり、一発ツモ回数がゆらぎますね。
(ただし、平均329×0.05766=18.96685
標準偏差4.22770の正規分布と近似しました。)
4.考察
上記の結果から「一発ツモが異常に多い」ことを証明することはできませんでした。
無論、この結果をもってCPUのイカサマが無いと完全に決定づけられるわけではありません。
しかし、イカサマなど無いのではないかと考える契機にはなると思います。
では、なぜCPUの一発ツモが多いと思ってしまうのでしょうか?
考察してみます。
(1)一発ツモが出ないときを意識していない
理論値によれば一発ツモは19回に1回の割合で出るはずです。
しかし、実際には19回に1回ずつ律儀に分布するのでなく、
あるときは一発ツモが集中したり、またあるときはなかなか出なかったりします。
図4-1はリーチ総数と一発ツモの合計値の推移を示したものです。

図4-1 リーチ総数と一発ツモ数の合計値の関係
初めの42回目のリーチまでは、まったく一発ツモが出ずにびびりました。
むしろ、実は一発ツモは少ないんじゃないかとさえ思いました。
しかし、そんな心配はその後56回目までに4回の一発ツモが出て吹き飛びました。
この後も、108回目から157回目までのリーチや、255回目から303回目までのリーチで、一発ツモが出ない「不調」をCPUは経験しています。
そこで、我々はどうもCPUが一発ツモを連発する「好調」ばかり覚えていて、
一発ツモが出ない「不調」を覚えていないんじゃないかと思い始めました。
(2)脳は「起きたこと」を記憶する
そんなある日、TVのチャンネルをたまたまNHK教育に合わせると、
「なぜオカルト現象が起こるのか」という番組が放送されていました。
その番組によると、人間の脳は「起きたこと」を優先的に記憶し、「起きなかったこと」はあまり記憶しないそうです。
だから、特殊な事実を一般的だと誤解して人は騒ぐと言ってました。
ただ、この脳の性質は人間が種を残すうえで重要なことだそうです。
なぜなら、脳は危機的状況を素早く判断して対応しなければいけないので、早く情報を得なければいけないからです。
つまり、目の前で起きた情報を素早く拾っていって構築する必要があり、
起きなかった情報にかまっている暇はありません。
麻雀の場合でも同様のことが起きているのでしょう。
5.まとめ
MFCのCPUの一発ツモが異常に多いというデータは得られなかった。
恐らく、CPUは一発ツモに関してイカサマはしていない。
プレーヤーが一発ツモが多いと感じてしまうのは、
「一発ツモが起きた」ことは覚えていても、「一発ツモが起きなかったこと」は覚えていないからだと推測される。
6.ついでに、MFCのCPUのすり替えイカサマに関して
MFC4のロケテスト中に、バグでCPUの手牌が見えたことがあったそうです。
すると、CPUはツモるたびに手牌のすり替えをしていたそうです。
このことをもって、MFCのCPUはイカサマをしているということになっていました。
確かに、この現象の証拠写真は僕も見ました。
しかし、これはバグ中のことであり、バグ中に起きた異常が正常動作中でも起きているとは限りません。
バグったからこそ、すり替えが起きたのかもしれないのです。
よって、この現象をもってCPUはイカサマをしてるとは言えません。
参照
[1]とつげき東北 「科学する麻雀」 講談社 2004年
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麻雀格闘倶楽部(以下、MFC)にはシリーズ当初から、「CPUはイカサマをしている」という噂がありました。
「CPUがリーチをするとプレーヤーは一発目で当たり牌を引かされる」
「CPUはツモ山の中身を知っている」
「CPUは他家の手牌を知っている」 etc
いくつかあるCPUイカサマ説の中でもっとも有名なのが、
「CPUのリーチ一発ツモは異常に多い」というものです。
つまり、一発でツモってしまうことでライフ回復のインカムを増やしたり、
ゲームを早く終わらせて、台の回転率を上げたりするためだというのです。
(ただし、これをやって儲かるのは店側であって、MFC発売元のコナミには関係ないので
わざわざコナミが一発ツモを多くする理由がわからないのですが。)
そこで、実際にCPUのリーチを記録して本当に一発ツモが多いのか調べてみました。
2.方法
記録方法:
MFCをプレイながら、CPUのリーチ回数と一発ツモの回数を記録した。
ただし、リーチ宣言牌でロンされたときはリーチ回数に含めない。
また、一発消しがあったときはリーチの一巡後にツモっても一発に含めない。
対象:
MFC3、4の半荘A1リーグ・黄龍闘技場AAAで同卓した全てのCPU
いとさんなどの通常CPU、プロCPU、だいうちなど全て
期間:
2004年12月26日~2005年9月19日
半荘数でいうと1533半荘
3.結果
リーチ総数 329回 一発ツモ回数 19回
一発ツモ率(実測)5.775% 一発ツモ率(理論値)5.766%[1]
図3-1 CPUのリーチと一発ツモ
理論値は「科学する麻雀」から引用
図3-1の結果は、ほぼ理論値と一致してしまいました。
リーチ回数329回では、一発ツモ率を理論値の5.766%として計算してみると
95%の確率で一発ツモは11回~27回の範囲内に収まります。
かなり、一発ツモ回数がゆらぎますね。
(ただし、平均329×0.05766=18.96685
標準偏差4.22770の正規分布と近似しました。)
4.考察
上記の結果から「一発ツモが異常に多い」ことを証明することはできませんでした。
無論、この結果をもってCPUのイカサマが無いと完全に決定づけられるわけではありません。
しかし、イカサマなど無いのではないかと考える契機にはなると思います。
では、なぜCPUの一発ツモが多いと思ってしまうのでしょうか?
考察してみます。
(1)一発ツモが出ないときを意識していない
理論値によれば一発ツモは19回に1回の割合で出るはずです。
しかし、実際には19回に1回ずつ律儀に分布するのでなく、
あるときは一発ツモが集中したり、またあるときはなかなか出なかったりします。
図4-1はリーチ総数と一発ツモの合計値の推移を示したものです。

図4-1 リーチ総数と一発ツモ数の合計値の関係
初めの42回目のリーチまでは、まったく一発ツモが出ずにびびりました。
むしろ、実は一発ツモは少ないんじゃないかとさえ思いました。
しかし、そんな心配はその後56回目までに4回の一発ツモが出て吹き飛びました。
この後も、108回目から157回目までのリーチや、255回目から303回目までのリーチで、一発ツモが出ない「不調」をCPUは経験しています。
そこで、我々はどうもCPUが一発ツモを連発する「好調」ばかり覚えていて、
一発ツモが出ない「不調」を覚えていないんじゃないかと思い始めました。
(2)脳は「起きたこと」を記憶する
そんなある日、TVのチャンネルをたまたまNHK教育に合わせると、
「なぜオカルト現象が起こるのか」という番組が放送されていました。
その番組によると、人間の脳は「起きたこと」を優先的に記憶し、「起きなかったこと」はあまり記憶しないそうです。
だから、特殊な事実を一般的だと誤解して人は騒ぐと言ってました。
ただ、この脳の性質は人間が種を残すうえで重要なことだそうです。
なぜなら、脳は危機的状況を素早く判断して対応しなければいけないので、早く情報を得なければいけないからです。
つまり、目の前で起きた情報を素早く拾っていって構築する必要があり、
起きなかった情報にかまっている暇はありません。
麻雀の場合でも同様のことが起きているのでしょう。
5.まとめ
MFCのCPUの一発ツモが異常に多いというデータは得られなかった。
恐らく、CPUは一発ツモに関してイカサマはしていない。
プレーヤーが一発ツモが多いと感じてしまうのは、
「一発ツモが起きた」ことは覚えていても、「一発ツモが起きなかったこと」は覚えていないからだと推測される。
6.ついでに、MFCのCPUのすり替えイカサマに関して
MFC4のロケテスト中に、バグでCPUの手牌が見えたことがあったそうです。
すると、CPUはツモるたびに手牌のすり替えをしていたそうです。
このことをもって、MFCのCPUはイカサマをしているということになっていました。
確かに、この現象の証拠写真は僕も見ました。
しかし、これはバグ中のことであり、バグ中に起きた異常が正常動作中でも起きているとは限りません。
バグったからこそ、すり替えが起きたのかもしれないのです。
よって、この現象をもってCPUはイカサマをしてるとは言えません。
参照
[1]とつげき東北 「科学する麻雀」 講談社 2004年
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確かに「リーチ総数329回」では「イカサマがない」ことを立証するには十分とは言えないだろうけど、少なくとも「イカサマがある」という主張にムリがある根拠にはなるんじゃないかな?
これからも楽しませてくださいね!
今週も頑張ってください。
お天気が良くなくて残念。
お体にご注意くださいね。
またブログの更新お待ちしています。
頑張ってくださいね。
今週も頑張ってください!
楽しい週末を♪