気の向くままに

卒寿過ぎた私の日々の行動と昔の思い出の掲載です。北海道日本ハムファイターズのファン~元祖東急セネタース時代から

想い出の中国旅行 その37(2007年10月11日~17日)

2022-03-24 11:18:33 | 旅行

3月24日は朝から晴天で昨日に比べ大分暖かくなりました。午前中に買い物の途中にある公園の桜もちょびっと咲いていました。今回の中国旅行の想い出はチベットのラサ迄の列車が前年に開通し仲間で既に行った人がいたので参加者を募り実施しました。

訪問地 西寧~ラサ~杭州

実施時期 2007年10月11日~17日
                      

西蔵鉄道(天空列車)でチベットへ行く、私の今回の中国旅行は、お仲間17名で昨年7月に開通した天空列車(西蔵鉄道)に乗ってチベットに行くことにしました。高山病にかからないか心配しながらの旅でした。結果は一人がかかってしまいしましたが、元気に全員帰国することが出来ました。車中からの雄大な景色、西寧・ラサでチベット文化に触れてきました。

10月11日、
JAL603便約4時間の空の旅で現地時間13時40分広州空港に着く。日本からの添乗員無し、入国後お馴染みの中国スルーガイド陳さんのお出迎え。西寧へ国内線乗り継ぎのため国内線ロビーへ移動。時間が若干あったので自由行動をしたが空港内レストランの缶ビール1缶60元(日本円で960円換算)同じ物が売店で30元、高値に驚く。16時15分中国南方空港便にて青海省の省都西寧へ。19時頃西寧空港(標高2,275㍍)着。現地ガイドはチベット族のノリツオさん(若い女性)のお出迎え。ノリツオさんは2年前まで小田急線の鶴川にある和光大学に5年間私費留学生で、江東区に住み、働きながら通学したとのことで日本語は上手。早速今夜の宿泊ホテルである「西寧青海賓館」前のレストランで旅の無事を祈ってビールと地酒で乾杯。(青海省の面積は日本の約2倍、人口は約520万人で大きいことが特徴の山河、湖、草原、盆地で形成され、その中でも琵琶湖の6倍の青海湖そして長江、黄河の源流がある)
10月12日
ホテルを10時に出発し、西寧郊外にあるラマ教ゲルク派6大寺院の一つである「タール寺」に行き、1561年に創建された山門、花寺、小金瓦殿、大金瓦殿やマニ車、壁画など漢民族、チベット族の古建築群を見学。その後市内に戻り「西海省博物館」で旧石器時代から民国時代までの文化財3万件を保有している「史前文化財」「青海民族関係文化財」「青海チベット伝佛教芸術」「青海民族文化」などの各展示室を見て回り青海省の歴史を学習した。今日の最後の行動は列車に乗る前に西寧ホリデーインホテルで男性は入浴、女性はシャワーを。(ラサに着いた日は高山病予防のため入浴とシャワーは禁止と言われた)20時28分定刻とおり西寧発ラサ行き列車に乗る。車両は硬臥寝台車(6人一部屋)これから26時間列車の旅となる。手荷物、スーツケースの格納に苦労し、上段に寝る人を決める。今回は高山病対策のため列車内とチベット滞在中は全員アルコール類は飲まないことに決めてある。同室者との会話も少なく早々に横になるが一晩中ウトウトで過ごす。青海湖畔を走ったが全然気がつかず。

西寧市・歴史博物館で
 

タール寺のマニ車とスルーガイドさん

西寧郊外・タール寺前で 

タール寺のチベット壁画

西寧市内で

乗車する列車の機関車 

寝台車内

10月13日
朝7時頃現地はまだ暗闇の中、ゴルムド駅(標高2,780㍍=ここまでは1984年に開通)に約20分停車。機関車の交換を行う。写真を撮りに行くが暗くて良く写らなかった。やがて夜が明けると遙か彼方に雪山が眺望される。朝食に食堂車まで行くが2両続いている硬座車両(普通車)はチベット族の乗客で子どもも多く座席数以上の人で通路を通るのに一苦労。ここを朝食、昼食、夕食と3回通う。外の風景は、最初は遠くに雪山が眺望され近くは裸の山と草原を見る。列車は中国大陸を横断する長江の源流であるトト河が近くにあるトト河駅(標高4,547㍍)に停車するが外に出ることは出来なかった。(列車は高山病対策のため飛行機と同様な機能と酸素吸入器の設備がありチューブを貰う。医師も同乗している)14時20分頃標高5,068㍍のタングラ駅を通過。私は列車内に表示されている電光掲示板の標高数字を見続ける。そして見にくいが標高5,074㍍の数字を写す。外の景色は、雪はなく高原とヤクの群れがつづく。16時30分頃ツォナ湖畔を走る。湖面と最も接近する場所は数十㍍しかなく、まるで湖面を列車が走っているような感覚となる。果てしない大草原と青い空に引き立てられたツォナ湖は美しい。列車はチベットの草原の中をヤク、羊、馬などの多くの草食動物を見ながら22時予定よりも若干遅れラサ駅(標高3,650㍍)に着く。現地ガイドの漢民族の隆さんが一人一人にカター(白い絹のような長い布)を首に巻いてくれてお出迎え。3日間泊まるラサ飯店に向かう。(チベット自治区はチベット民族発祥の地で面積は日本の3倍、人口は約270万人、世界最高峰8,848㍍のチョモランマ=エベレストがある)

 

遙か彼方のタングラ山脈

車窓からの風景

車窓から見たヤクの群れ

車窓から見た ツオナ湖                             

列車の食堂車で

最高地点 5074㍍の電光掲示板

10月14日
ホテルを9時に出発し、2時間30分のバスの旅で標高4,990㍍のカムバ峠へ向かう、道程では羊を追うチベット族の少年や放牧されているヤクや馬の群れを見る。山道に入り日光のいろは坂より多くの曲がりくねりと崖っぷちの高さに怖さを感じながらタルチョ(教文が印刷された祈祷旗)が出迎えるカムバ峠に12時頃に着く。眼下にターコイズブルーの色をしたヤムドゥク湖(ヤムドゥクとは白鳥の意味)と遙か彼方にチベットの山々が眺望される。観光用のヤク等を写真を撮った後、昼食もせずにラサ市内に戻る。昼食後は岩山(セラ・ウツエ山)の蔵に建ち日本人の多田等観や河口慧海も修行したゲルク派6大寺院の一つのセラ寺を見学し壁面や仏像を見る。(西寧のタール寺にもあったが、いずれも境内を照らすのはチューメと呼ばれるバター灯。バター灯はヤクというチベットに住むウシ科の動物の乳で作られるもので見学中はバターの臭いを満喫)ホテルに戻り夕食迄に時間があったので近くを散策、ホテルの前には露店が多数出店してマニ車等チベットの骨董品的な物を見る。そして市場に行ったら携帯電話の店が多くあり不思議さを感じる。

ヤムドウク湖を眼下にカムバ峠(4990メートル)で
                                      
カムバ峠のタルチョ

セラ寺

10月15日
ホテルを10時30分出発。歴代のダライ・ラマの夏の宮殿ノルプリンカを見学し数代のダライ・ラマの建造物を見る。午後は今回の旅のメインであるポタラ宮の見学。階段が600段位、見学時間は入場口から出口まで1時間以内と言われパスポートで入場者を確認されポタラ宮に入る。ポタラ宮は1994年に世界遺産に登録され13階建てで、高さ178メートル標高が丁度富士山頂と同じ。骨組みは木と石で作られ、外壁はすべた花崗岩である。内部は東の白宮、中央の紅宮、西の僧室の3つに分かれており、チベット仏教建築の特徴を随所に見る。金メッキの真鍮板で葺かれた屋根、金箔張りの柱など。そして宮殿内の壁や天井にも色とりどりの壁画や文様が描かれ豪華な雰囲気に満ち、ここでもバター灯が目につく。階段600段はポタラ宮全部の数のようで全員1時間以内に出口に集まった。その後ラサで最後の見学先である五体投地(寝そべっては立ち、寝そべっては立ちを繰り返しながら祈りを捧げる)する人が多く見られる7世紀中期に立てられ、チベット仏教を信仰する者にとって一生に一度は訪れたいジョカン(大昭寺)で五体投地、釈迦牟尼像等を見る。ジョカンを見学後、寺を囲む巡礼用参道にあるバルコル(八廊街)と呼ばれる繁華街にある店で休憩し、夕食まで自由行動となり、マニ車や仏像画、線香、骨董、帽子、アクセサリーなどチベットならではの品物がバザールのように店に並んで混雑する人の中を散策する。夕食はこの店の3階にある食堂でチベット郷土料理をバイキングで食べるが食欲が出ない。ラサ最後の夕食なので現地ガイドから頂いた麦からつくる地酒チンクー酒を「おちょこ」1杯飲んだが甘かった。

ラサ・ダライ・ラマの夏の宮殿であったノンブリンカ

ラサ・ポタラ宮

ポタラ宮出口から見たラサ市内

ポタラ宮内  

                                    
 ラサ市内のお茶店で

ポタラ宮出口のタルチョ 
   
ラサ・大昭寺  

大昭寺屋上で 正面バックにポタラ宮がみえます
 

ラサ・八角街

大昭寺前で五体投地をする人たち

ラサ飯店前で

10月16日
ホテル7時55分出発しラサ空港へ向かう。途中まではカムバ峠への道筋と同じでインド洋に流れるラサ川を横断しトンネルを潜るとチベット最長の川ヤルツアンプ川の河川敷にラサ空港があった。11時ラサ空港発の中国国際航空便で成都で乗り継ぎ17時頃陳さんの地元である杭州空港に着く。夕闇でライトアップされた西湖湖畔を散策後、近くのレストランで今回の旅行で初めての紹興酒を飲み盛り上がる。宿はお馴染みの「黄龍飯店」。

ラサ空港で

杭州・西湖湖畔で

10月17日
ホテルを8時40分に出て、龍井茶畑の中にある浙江省お茶博物館を見学し説明員から中国のお茶の歴史等を聴き、プーアル茶を大きく円形(直径は人間くらいあった)にした物等を見る。杭州空港ビル内レストランで早めの昼食を最後の紹興酒も飲み13時30分杭州発JAL636便で17時15分成田に着く。
今回の旅は高山病が心配されたので6月にチベットに行った仲間のアドバイスで事前に医師の処方箋で予防薬を飲んだが、ラサ滞在中は唇はカサカサになり、話す言葉もろれつが回らなくなったりしたが、チベットの文化と自然、そしてチベット仏教を信仰する多くの人達を見て考えさせられました。

              

    

    上の記事は2008年2月25日朝日新聞朝刊32面アスパラクラブaspare TRAVAL 

    に掲載されました 朝日新聞HPアスパラクラブ「旅の思い出」海外編(冬期)で

    最優作品になりました。

 

 

 

                  


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