いよいよエールフランスの人となる。
これから乗り込む機体。
搭乗口付近。
しかしさすがエールフランス、
ゲルマン系といった顔立ちの方々がすごくおおい。
小さいアジア人、さっそく萎縮。
(花の都パリにむかう便だというのに、
飛び越えてイギリスなんかに行くって知れたら嫌味いわれるんじゃないかしら・・!)
フランスとイギリスは、ドーバー海峡を隔てた隣国同士だというのに非常に仲が悪いそうで。
googleでイギリスとフランス、と打ち込んだら予測検索トップに「仲が悪い」と出るほどです。
凄まじい。
お席はさっそくエコノミーへランクダウン。
短いハイグレードライフでございました・・。
上映中なのはホビット。マーティンの演技が可愛すぎて途中で悶え死。
そして座席は一番後ろなのだよ。
眠る用の枕と、スッピン隠しのマスクで装備は完璧であります。
これからロシア上空を越える、長い長いフライトがはじまる。
ロシア上空って行けども行けども恐ろしいほどにロシア上空だからね、
寝ておきて寝ておきて寝て寝て寝てようやくおきても まだロシア上空。
寝てる間に機体がロシア上空で休憩したに違いないくらいロシア上空が終わらない。
どう考えてもスタンド使いが現われている状態なので(copyrightジョジョ)飛行機搭乗中は「現在地はどこか・・」なんて、極力思わぬように過ごすことがベストです。わたし調べ。
とはいえ、飛行機という閉鎖空間に閉じ込められることもすきなのだ。
「これから10時間くらい拘束するよ、でもその間自由にしてていいよ」
っていう、制限下での自由ってたまらない。
手放しの自由より、制限があるほうが工夫や創作も生まれるものです。
さて国際線のお愉しみといえば、やはり映画でしょう。
2行前を颯爽と無視する、さっそく創意工夫ない選択肢ですね。
スパイダーマンやホビット、CSIを、英語音声で字幕なしで観る。
SHERLOCKと違ってわかりやすい・・泣
途中、ディズニーアニメとかをはさみつつ、
エールフランスが贈るエコノミー症候群対策運動を探すが、なかった。
西洋医学は「運動による対策」を重視しないのでしょうか。
さてお楽しみ!機内食!!
ここは最後尾、すでに選択の自由はなくなっております。有無を言わせず置いてかれた。
なので選べたはずのもう一択が何だったのかも、さらに言うとこれが何なのかもよくわからない。笑
ところでこれ、お米とパンなのだけど。。
フランスにおける米ってオカズの位置づけなのかい?
ちなみに味は「期待どおりのザ機内食」。ふつうにあんまりおいしくない。
コリアンエアーは何だったの、あれは夢か?
でも!
この機内食を切って捨てられないの!チーズが!う!ま!!!いの!!!!
最初はコクが強い印象のチーズで、あとからケモノが襲ってくるような。
ヤギかな?それが、もうフランスパンに最高に合う!!
こんなチーズをあっさり出してくるなんて!!
あなどれぬフランス!エールフランス!
これは日本かえっても食べようそうしよう、夕食に出てくるチーズの包装紙を記録にのこすのだ。
好きな食べ物はと問われたとき、「チーズでは○○がすきですね」とこたえ、なんてハイソ!ワイン通!みたいなイメージを醸成するのだ!
とか思っていたら夕食は無難にチェダーチーズ(?)であった。
だれかどこかでわたしの行動監視してるでしょうか。
「甘いね、そうはいかないよ」って聞こえてきたぞ。
なんで昼食のときに「夕食のときに商品名確認しよう」なんて思っちゃったんだろう・・・・・
チャンスの神様は前髪しかないから、
通り過ぎた後につかもうと思っても間に合わないんだってさ。
今回の旅でも何度も頭をよぎるフレーズです。
さて12時間を超えるフライトも間もなく終え、
そろそろ降り立つときがきた!と思っているころ。
ふくふくしたサンタクロースがヒゲをカットしたようなスチュワード氏がわたしを呼んでいる。
トランジットについてのお達しの様子。
乗継の搭乗口でも再確認してくれるんだろうか?
のほほんとお話を伺うと、
失礼、マドモアゼル。ちょっとよろしいですか? 「はい、どうぞ」
お知らせがあるのだが、この便は遅れている 「!?なっ、そ
がイッツオーケー。
乗換の便も遅れている。
予定どおりターミナル2E、K26へ行ってね♪
ドントウォーリービーハッピー!
恐ろしいインフォメーションで血圧急上昇させ、
しかし反論の余地を与えず畳みかけ、
けむに巻いたうちに退散する。
見事なコンボ。
ってか、おまえら、これ、慣れてるだろ・・!
茫然としている間に恐ろしいクリスマスプレゼントを投げつけたサンタは、さっさとどっかに消えてしまった。
だ、だいじょうぶ・・・・・なのか?
確かに来る前に、トラブルがあって飛行機に乗り継げなかったらどうしようと思った。
フランス語で「乗り継げなかった」はどう伝えるのか、メモりもした。
でもまさか、よもや、活用する機会がさっそく発生しようとは・・・・・!!!!!!!
ぐぬぐぬ考え込んでいる内に、空港が見えてきた。
間もなく着陸、滑走路が見えている・・というときにまさかの垂直落下!
恐怖に襲われる客室!
しかし何とかランディング、客室が安堵感に包まれた瞬間を狙いすまして
信じられない横滑りという二段落ち!!!
キャー!ウワー!!客室が騒然となる中、わたしの頭の中にもレッドランプが点灯。
頭を下げてー!ヘッドダウン!!
(それは降下中のときに行うべきか?)
飛行機が突然ロジャーラビットのカートゥンスピン化したと言えば一部の方にはおわかりいただけるだろうか。
わたし、取り乱して隣のフランス人に詰め寄ってた。
「エールフランスは!いつも!こうなのか!!?」
しかしパイロット、根性で立て直してくれたのか、転倒することもなく五体満足でパリの地を踏むことができた。
シャルル・ドゴール空港。
なんとオシャレ、さすが花の都パリ、空港名すらエレガンツ、などと思ったら過去のフランス大統領の名を冠したものらしく、やはり横文字名というのは何は無くともオシャレなのだった。
そう考えると和名のダサさって異常じゃないか?例えば安倍晋三空港だよ?認めん。
巨大なハブ空港?らしく、移動はモノレールで。
ぼんやりと聞いていたアナウンスがフランス語で、ひとつも分からない。
「ターミナル・ドゥ・エー、ドゥ・エー・・・」しかしフランス語、訛りが強いな、「two」が「ドゥ」になって・・・る、、、、、
!!
ドゥ!
アン・「ドゥ」・トロワ!!!!
あれかーーーーー!!!!!
フランス語で「2」は「ドゥ」と発音することがわかり、
ほんとうにバレーのカウント、アン・ドゥ・トロワなんだなと感動した。
という話を帰国してから周りに伝えても、全然うけない。
・・・あれ、感動しない?これ?
ちなみに、すべて英語でリピートしてくれました。さすがは国際空港です。
セキュリティチェックで割と多めに剥かれる。
靴も脱がされるし、パーカーもはぎとられた。
パーカーとったら部屋着なので恥ずかしかったぞよ・・・パリきびしい・・・・・
そのままチェックイン。
カウンターの職員に「フランス語で話しかけるなよ」「ひとことも分からんからな!!」と目で圧迫。
したおかげか、素通りできました。
さて、まだここまでは気分的にものんびりであった。
なんだかんだ、サンタおじさん「大丈夫」つってたし。
それがフライトボードを見ていると、どんどん恐ろしくなってくる。
・・・・そもそも、今、何時・・・・・?
当たり前のことだが日本とパリには時差がある。
イギリスの時差は調べてきた。時差、8時間。
わたしのiPhoneの「世界時計」に何ならロンドン時間は設定済みです。
しかしフランス。フランスって何時間時差あるの・・?
そもそも時差ってh(時)に対して発生するものであって、
まさかもしやm(分)は世界共通の時を刻んでいるのか?
などと思うのは、その仮定が正しければ、
わたしの腕時計はあと数分足らずの内にわたしが搭乗するはずの飛行機が離陸してしまう時間を指しているからだ。
時計。時計。
時計、どこにある・・・・・・・・・!!?
羽田や成田ってこんなに時計なかったっけ!?
トランジットに使用される空港で、どうしてわかり易いところに時計の設置をしてくれていないんだろう!
わたしのようなアホな観光客が空港でパニック起こすケースを想定していないってどういうこと!!
あれか、堂々と遅れるためには時計があったら困るのか!なるほどなあ!!納得だよ!!!(にしおかすみこ風に)(懐)
取り乱し、チェックインカウンターの男性スタッフさんへ詰め寄る。赤の他人への詰め寄り、パリでは二回目である。
こここ、このチケット記載の搭乗はまだ間に合いますか・・・!(英語)
英語に対してフランス人は、
「ここはフランスですけど?フランス語で話せ」って感じなのに対して
イタリア人は「やあ何かこまってるのかい!英語で話してる気がするけどよくわからないから全部イタリア語で返すね!」ってかんじで、
共通点は通じないことです。
とのことでして。フロムついったー。
しかし流石国際空港。意図は理解してくれたようで、フライトスケジュールとチケットをにらめっこしはじめてくれた。
まあ、フライトボードの前でパニックになってチケット差し出してくるアジア人の意図を読めない空港スタッフなど完全に終わっている。
しばしして、笑顔で行ってらっしゃ~い(フランス語)と送り出してくれた。
手渡してくれたチケット裏に、搭乗ゲートらしき数字を書き込んで。
違・・・・!
時間・・・・・・・・!
間に合うかを知りたかったの・・・・・・・・・!!!!
伝わらず。思いも言葉も伝わらず。
やむなく、お兄さんにお礼を言って走り出す。
ちなみにここが日本だったらスタッフさんのその対応でもう安心する。
ギリッギリ時刻だったらチケットを見た瞬間表情を強張らせ、手荷物なり何なりをつかんで「お急ぎください!」叫んで目で「死ね!ただちに!」と罵ってはきても可能な限り搭乗に間に合わせるべく併走してくれるからです。
・・そうです、経験者です。その節は申し訳ない。
しかしここは異国。そうフランス。
なんでもストライキ先進国らしく、ストライキカレンダーなんてものが存在するんだそうな。
前もって計画して予定どおり開催するなんてなんと良心的な、どうぞそのまま先に進んだままでいてください後進国を放っておいて下さい。
観光客としては予定日さえ調べておけば問題なし・・・
とか思っていたら突発的ストライキもあるらしく。
何だそれロンドンの市営交通か!!!!!
結局は全然良心的なんかじゃないのだった。
そんなフランスなのだ。
あと5分で飛び立つ飛行機に搭乗予定のアジア人なんて、平気で見送りそうではないか。
シャルルドゴール空港。
ターミナル2E。
素敵なんですよ。
全面レッドカーペット。
ここ空港だぜ・・?
なに、この漂うラグジュアリー感。見渡せばオシャレ。
を、汗だくになりながらダッシュするアジア人。
夕刻迫り、落ち着きすらみせる空港内。
駆け抜けるDUTY FREEエリア。
あまつさえスッピン。
恥以外のなにものでもない…!!!
時計を必死で探しつつ走る。
しかしどうやらゲート番号的にはわたしの搭乗は最果ての地であることが判明し、さらに絶望する。
しかしおかしな事に、わたしの搭乗ゲート付近に、ひとがいるのだ。まばらに。
搭乗にしては少なすぎるうえ、人びとに全く動きがみられない。
次便の方々だとしたら、なぜ使ったばかりのゲートを使うのか。
わたしの認識だと、連続でおんなじゲートって使わないとおもうけど・・・
???
はてなマークだらけになりつつ走り寄ると。
【遅れてます!搭乗開始は、本来の予定時間の30分あとだよ☆】
って。電光掲示板に表示されてた。
安堵・脱力しすぎて崩れ落ちそうになるわたしの後ろに、日本人家族がやって来た。
あかん、遅延やて。
ほんま?この風景、日本じゃありえへんな。
なにが?
誰も文句言うてないやん。
………確かに!!!!!!!
日本で遅れでもしようもんなら、カウンター叩いてるオジさんがどこからか召喚されてそうなものだ。
そんなひと、だれひとりいない。
しかしそもそも、スタッフひとりもいない。
憂い顔で遅延の説明やケアをするスタッフが、ここにはひとりもいない。
大人しくおとなしく、無の境地で待ちつづける乗客たち。
遅延機待ちの空港じゃないぞ・・・この静けさ。
掲示を信じて免税遊びに行ったら置いてかれそうで怖かったので他所に行くことはせず、静かにロビーで待つことに。
その後、予告もなく再遅延しており(アナウンスも何もないのね・・・気づいたら掲示板の表示がひっそりと書き換えられていた他、乗客への通知は一切ない。何なら引き続きスタッフも来ない)結局搭乗できたのは、予定時間の60分後だった。
異国に「期待するな」という情操教育をされた結果、もう遅れもアナウンスすらないことにも何も感じないですよ。
日本で飛行機遅延なんて、気体整備不良とか悪天候とか、何らかの説明責任をマックスで果たそうとせんばかりに乗客におよそ関係ないことまでも伝えてくるけど、このエールフランス、搭乗しても降りても結局何の説明も受けず。
しかし、この穏やかなパリ上空にフライトの何を狂わされたんだ。