北国の春雷に想うこと

季節はすっかり春なのに、北国の札幌は一夜にして真冬の状態に戻ってしまった。


所用があって一週間ほど帰省しているが、前日は暖かく外を歩いてもコートの必要も感じないほどだった。
しかし、朝起きてみると外は一面の銀世界。
雪も一晩で20cmも積もっていた。

しばらくたつと吹雪になり、風も強く辺りも真っ白になってきた。
すると大砲のような音も数秒間聞こえてきた。
雷の音である。
寒冷前線がもたらす雷で春雷である。
春の到来を伝えてくれるめでたい雷とも云われている。


この寒冷前線がもたらした悪天候は数年に一度と報道され、学校も170校ほど休校になった。
道路の通行止めや列車の運休、船や飛行機の欠航など多くの交通手段をストップさせた。

帰宅する日の天候は大丈夫だろうかと心配するが、天気予報をみて一安心する。


雪が降るとそれぞれの家々は、朝早くから除雪作業をする。
私の実家でも弟が除雪作業をしていたが、途中から雨も降り雪が異常に重かったと云う。

隣の公園の敷地に雪を捨てるのを断念して融雪機を作動させた。
この融雪機はバーナーで鉄板を熱く焼き雪を載せて溶かす方法と、お湯を噴出させて雪を溶かす二つの機能があると云う。






今回はお湯を噴出させて溶かすのを見せてくれたがなかなか面白かった。

しかし、毎日のようになるとなかなか大変である。
年を取っていくと身体の負担も大きい。


四か月も雪に閉ざされた生活から、雪のない東京に職を得てこちらの暮らしが長くなった。
雪国の暮らしには、全く馴染まなくなってしまったが、実家を継ぐため北海道に戻ってきた友人もいる。

諸般の事情から私もどうすべきか、雷鳴に驚く虫のようにあれこれ心も落ち着かない。



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