江戸川教育文化センター

「教育」を中心に社会・政治・文化等の問題を研究実践するとともに、センター内外の人々と広く自由に交流するひろば

映画「オレの記念日」を観て〜桜井昌司さんのドキュメンタリー〜

2022-10-11 | 随想



三連休に「オレの記念日」という映画を観てきました。
三連休ということもありほぼ満席でした。
監督は金聖雄さんです。
金さんは、冤罪被害者を描いたドキュメンタリー映画を世に出すのはこれで4回目です。


「オレの記念日」は桜井昌司さんが主人公のドキュメンタリー映画です。
桜井昌司さんは、無実であるにもかかわらず、1967年茨城県で起きた強盗殺人事件の「犯人」にされてしまった冤罪被害者です。

なぜやっていないのに、自白したかについて、不思議に思う人がいるかもしれません。
しかし、狭山事件の石川一雄さんも他の事件の冤罪被害者もそうであるように、警察は、やったという前提で証拠を揃えようとするのです。
その過程で、桜井さんの主張を、ことごとく信じず、人格を否定し、嘘を告げて自白を誘導するというとても民主主義国家とは思えない酷いやり方で、自白を強要しました。

このような取り調べが続く限り、冤罪事件は生み出され続けるでしょう。
桜井さんは、無期懲役判決を受け、29年の超長期にわたる獄中生活を余儀なくされました。
桜井さんは、刑務所での生活について、楽しいことしか思い出せない。
獄中に囚われたことについて幸せだったと振り返っています。

なんて前向きで強い人だと感じる人もいるかもしれません。
それはある意味当たっているかもしれませんが、それだけではないということもこの映画からわかると思います。

29年に及ぶ獄中生活がどんなだったか、それは想像に絶するものであり、獄中生活の思い出や辛さは体験者にしかわからないものがやはりあるだろうと思います。
だからこそ、私たちは映画を観て、手記を読んで、その思いに触れることが大切ではないでしょうか。

桜井さんはとても歌が上手で詩も桜井さんしか書けない言葉で表現されています。
 
桜井さんは、無罪判決を聞いて肩の荷が降りるという諺を実感したといいます。
現在は、がんを患いながらも、冤罪被害を生み出さないための制度づくりや冤罪被害者支援の活動を続けています。


この映画の最後のエンドロールに桜井さんが支援する冤罪被害者が挙げられていました。私が知っている冤罪事件はこれらのうちのほんの一部でした。

布川事件で無罪を勝ち取った桜井昌司さん、杉山卓男さん(2015年に亡くなられた)に続き、狭山事件の石川一雄さん、袴田事件の袴田巌さん、その他すべての冤罪被害者の一刻も早い再審開始-無罪を勝ち取るために、私たちも市民としてこの問題に注目し、できることをしていきましょう!

 
上映後、監督の金聖雄さんと「それでもボクはやってない」の監督周防正行さんとの対談があった。
周防さんは、冤罪被害者の苦しみは想像できないかもしれないが、自分が言ったことを全て否定される苦しみを想像してみてください。
それが続くのが冤罪とおっしゃっていた。
また、声が上げられず、支援してもらえていない冤罪被害者も多くいる。
取り調べの録音・録画など、冤罪を生み出さない仕組み作りが必要ともおっしゃっていた。

金聖雄さんは、関わったからには石川さんには無罪になって欲しい。
袴田さんも冤罪が晴れてほしいとおっしゃっていた。






桜井さんの「オレの記念日」に、冤罪被害者たちの再審が開始された日、無罪が勝ち取られた日が続くようにしようではありませんか。
素人が常識的に考えても明らかに無実なのに、再審が開始されていない事件がたくさんあるなんて、おかしいではありませんか。

映画はポレポレ東中野で上映中です!
ぜひご覧ください!




<狭山事件の再審開始を求める緊急署名もよろしく!>


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 給食カレーに漂白剤混入事件... | トップ | 給食カレーに漂白剤混入事件... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

随想」カテゴリの最新記事