甘い人間

本★ときどき★パン

虎を追う 櫛木理宇

2019-08-16 06:32:48 | NetGalley



内容紹介
SNSで世論を動かせ!
栃木県警捜査一課を5年前に定年退職した星野誠司は、ずっと心に引っかかっている事件がある。
1987年~88年にかけて起きた『北蓑辺郡連続幼女殺人事件』。
亀井戸健、伊与淳一を逮捕、二人には死刑判決が下った。
星野は実はこの事件には真犯人がいるのではないかとずっと思ってきた。

その亀井戸が喉頭がんを患い東京拘置所内で死んだ。
亀井戸の死をきっかけに、再度事件を調べ直したいと思った星野は、
昔馴染みのフリー記者・小野寺に相談し、世論を動かすことが必要であると認識。

孫である旭とその友人・哲に協力を仰ぎ、SNSや動画投稿サイトを使い、
”冤罪事件の真相解明をリアルタイムで見せる”という形で拡散することに成功。
被害者遺族の協力も得、新たな証拠・証言を見つけ発信していくうち、
「虎」と名乗る男から真犯人しか知り得ない情報を含んだ小包が届く――

べストセラーノンフィクション『殺人犯はそこにいる』を彷彿させる冤罪事件解明劇!
『死刑にいたる病』の著者による骨太社会派エンタメミステリー、堂々誕生!


感想
SNSと動画サイトで再捜査を進めやすくするアイデアには驚きました。
ネット主流の世の中のように捉えがちですが、テレビの影響力を持ってくる点にも納得。

残虐な犯人に憤りと嫌悪感を持たせつつ、30年の歳月が流れた困難な捜査にも関わらず、
人々の関心を呼び起こし、事件の解決と冤罪を防ぐ流れが圧巻で、一気読みしました。

拘禁症状「ガンゼル症状」、幼児期の「トゥレット症候群」など、亀井戸には同情すべき点が多い。

ロム専、サイレントマジョリティーなどのネット利用者にはいろんなタイプがいる。
ノイジーなマジョリティーは少数だけど、うるさい。なるほど、そうです。

犯人に対して強い嫌悪感を持った。承認欲求の異様なまでの強さが解決に繋がった。
伊予が、早い時期に真相を伝えていたら...


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