甘い人間

本★ときどき★パン

成瀬は信じた道をいく

2024-01-11 18:14:37 | NetGalley


「いかにもわたしが成瀬あかりだ」
新たな成瀬あかり史が刻まれた!

「何かになるより、何をやるかが大事だ」
「わたしはまだ大津市民としてやりたいことがあるんだ」
内容紹介の「前作ファンの期待を軽々と上回る成瀬カムバックの第2作」
本当に、期待をはるかに上回る成瀬再登場! 

小4のみらいちゃんの取材を受ける成瀬「ときめきっ子タイム」四年四組三班メンバーが小学生時代の成瀬史を辿る。
みらいちゃん成瀬に弟子入り。

「成瀬慶彦の憂鬱」京大医受験の成瀬を見守る成瀬父慶彦。
親の想定内には収まらない成瀬に対する感慨、まるでディープインパクトのようだ・すごすぎてわからない
と思いつつも、成瀬の一番のファンは父慶彦だろう。赤ちゃんはいはいレース優勝時代から成瀬が獲得した優勝記事をファイリングしているのだから。
面白すぎます。受験に行って受験生を拾ってくる成瀬。さすが成瀬です。
母美貴子が娘あかりを語るのは次回に持ち越しか。ぜひともお願いしたい。

大学生成瀬近所のスーパーでバイト。「やめたいクレーマー」の呉間氏、成瀬に見込まれ頼み事に巻き込まれる。

そんな伏線がここで出てくるとは! 参りました「コンビーフはうまい」成瀬 2025年度びわ湖大津観光大使着任。応募の理由「わたし以上の適任者はいない」「わたしはびわ湖大津を世界に発信していくつもりだ」「中学生の頃からときめき地区の発展に努めてきた。その活動範囲を大津市全域に広げるのが一年間の目標だ」

相方の女子大生、鋭い。成瀬インスタデビュー。インスタ投稿の成瀬構文、インパクト大です。

そして、最終話の「探さないでください」成瀬出奔か?!
やっぱり成瀬には島崎です。島崎目線で語る成瀬を読めたのが一番よかったです。
成瀬らしい真っ直ぐさが眩しかったです。

膳所から紅白へ!
ちゃくちゃくと“天下”を取りにいく成瀬から目が離せません。
絶対にもう一度・いや、これから何度も成瀬に会いたいです。

成瀬は信じた道をいく #NetGalleyJP

とんこつQ&A 今村夏子

2022-07-18 19:27:30 | NetGalley


不器用なのか、純粋なのか。 どこかにいるような人たちなのに、読み進むうちに独特のざらつき感、いや~な感じが迫ってくる。
短編が4つ。作品を読むたびに思う。今村さんは読み手を思わぬ所に連れて行ってしまう。

「とんこつQ&A」のどかな中華料理店だと思っていたのに、四人ともいびつ。今川さんの一生懸命さが痛々しい。
「嘘の道」これはゾゾゾっとなった。そのうち消えていなくなるのは…。
「良夫婦」この夫婦、酷い、酷すぎ。タムが気の毒です。
「冷たい大根の煮物」いつの間にかスルリと人の懐(財布)に忍び込む芝山さんの生き方。いるかも、いたよ、こんな人。


内容紹介
真っ直ぐだから怖い、純粋だから切ない。
あの人のこと、笑えますか。

“普通”の可笑しみから、私たちの真の姿と世界の深淵が顔を出す。
人間の取り返しのつかない刹那を描いた4篇を収録、待望の最新作品集!

弊社は買収されました 額賀澪

2022-02-24 14:59:58 | NetGalley


額賀史上?!最高傑作登場です!
経済小説の大家たちが束になってもこの小説を超えることはないっ!

おもしろい、最高におもしろい。
そして、読後の爽快感も最高。

「花森石鹸」総務部の真柴忠臣35歳、
自分の勤務する会社なのに、買収のニュースをテレビで知る。あんまりですよねえ。

ご家庭の定番商品 × 外資系の“匂いがきっつい”トイレタリーメーカー。対立は火を見るより明らか。

買収で一番のネックとなるのは、役職つきのいじさん社員たち。
融通が利かない、風通しの悪い、コッテコテの日本の会社が「花森石鹸」なのです。
そそりゃあ、総務部の真柴も苦労するでしょ。
合併で変化を期待した若手や転職入社組は会社から気持ちが離れてゆくし。

ベテラン経済小説家たちの作品なら、ここで、主人公がリーダーシップを発揮、
指示を飛ばし、正義感を振りかざし、24時間働くところですが、
花森石鹸の真柴は自分の役割を淡々と実直に果たす。
ベースとなるのは、築き上げた信頼。
信頼されている当人はその自覚がないのがよいです。人柄ですよね。
ごく普通の会社員の真柴が合併の渦に飲み込まれてゆき、
濁った渦がじょじょうに澄んでくる過程が読みどころ。

枝葉の部分と内面描写が細かすぎるのが、これまでの額賀作品の特徴だったが、
この新作は、書き手として一皮むけた感じがします。
買収騒動の一年間、珍しくない出来事なのかもしれませんが、
額賀さんの手で爽やかなエンタメ経済小説に仕上がっています。超お薦めです。

以下引用です
内容紹介
朝テレビつけたら、ウチの会社、買収されてた……! !
令和時代のまったく新しい“お仕事小説”誕生!

社名変更!? 人員削減!? 技術流出!? 働き方激変!?
愛社精神満点の総務部員の奮闘の一年を描く、企業買収ヒューマン・コメディ!

新宿区の外れにあるレトロなアパート「林檎箱館」に学生時代から住んでいる真柴忠臣(35歳)。
ある朝ニュースで、勤務先の「花森石鹸」が外資系トイレタリー企業「ブルーア」に買収されることを知る。
混乱と対立のるつぼと化した社内で、忠臣は総務部員として東奔西走する。
激務に耐えるベテラン、合理性を求める若手、葛藤するシングルマザー、謎多きブルーア日本支社社長……
仕事へのモチベーションも立場も性格もさまざまな社員たちは、この大激変を乗り越えられるのか?

読みだしたらとまらない、令和時代の新しいお仕事エンタメ小説!
装画:山本さほ 装丁:大原由衣

パラダイスガーデンの喪失・仮 若竹七海

2021-06-29 12:24:16 | NetGalley
「葉崎市シリーズ」最新作が、8年ぶりに書下ろしで登場

表紙の書影はまだ出ません。
Amazonで検索しても該当無し状態。


内容紹介
2020年秋、葉崎市の崖の上にある個人庭園〈パラダイス・ガーデン〉で、身元不明の老女の自死死体が発見された。
庭園のオーナー・兵藤房子は自殺ほう助を疑われ、ささやかな暮らしは大きく乱される。

葉崎署の二村貴美子警部補が捜査に乗り出すが、
署内は新型コロナのクラスター騒ぎで落ち着かず、
事件を端に、他の住民たちの日常にも綻びが見えはじめるのだった。

新作キルトの着想を得て心を躍らせる引退した大御所キルト作家、
亡くなった老女の正体を噂する房子の亡き母の幼馴染たち、
〈パラダイス・ガーデン〉の名を騙った老人ホーム詐欺の発覚、
不穏な動きを見せる出所したばかりの「日本一有名な殺人容疑者」、
ママ友の息子の身代金誘拐事件に動揺する移住ママ……等、
総勢15名以上の住民の物語を、様々な視点からパッチワークのように綴っていく著者の緻密な筆力は圧巻。

8年ぶりの、若竹七海氏の人気シリーズ〈葉崎市シリーズ〉。
今の世相とコージー・ミステリーの世界を見事に合わせた、書下ろし長編推理小説!