c01. オレンジ

『オレンジ』

リリース：2000年8月30日
作詞：市川喜康
作曲：市川喜康
収録CD：『らいおんハート』
調性： C


SMAPファン以外の人々の間でも知名度の高い『オレンジ』。
もともとは『らいおんハート』のc/w曲だったのである。
c/w曲にも関わらず『SMAP×SMAP』の歌コーナーでも頻繁に歌われる。
また、2000年の『Live S map』以降、2003年の『LIVE MIJ』を除いては毎回のコンサートツアーで必ず歌われるほどの人気曲でもある。

確かに『らいおんハート』に負けず劣らず名曲である。
一度聴くと、かなり耳に残る。そして、市川喜康の作詞・作曲。
イントロのピアノからして胸を打つ響きを残す。
数年前、ふと出会った大学生が、「小学生の時に、クラスで合唱した」と話した時は驚いた。

最後の歌詞が、木村拓哉の提言で変更になった話も、もはや有名な逸話となった。
♪「さよなら。」消えないように…　ずっと色褪せぬように…
の後に、
♪「ありがとう。」
が書き加えられた。

「さよなら、で終わるんじゃあまりにも寂しい。せめて最後に“ありがとう”を言いたい」
と木村が主張したと、ラジオで自ら語っていた。

私も、この曲は「ありがとう」があってこそ、胸を打つ曲なのだと信じている。
内容は失恋の歌と思われるが、どこか爽やかな気持ちが残るのが、この「ありがとう」の効果だと思う。
そして、後輩であるKis-My-Ft2の北山宏光は、「あそこがカッコいいんですよ」と言う。
終わりに近づいた歌詞、

♪…出会えることがあるのなら　その日まで…

このたった2文字の「まで」、ここですべての演奏が止まり、木村の完全ソロになる。
この声に思わず、ハッと息を呑んでしまう。

ライブでこの「どソロ」を歌う時、短縮化しなくてはならないため、同じメロディーの2番、

♪…歯痒い旅路の途中で　寝ころんだね…

で代替させる（？）ことが多いのだが、その度に私は、
「いや、ここは、“まで”じゃないとダメだ！　それも“まで”は3回目だから一層いいんだ！」
と、心の中でひとり強硬に主張している。

『オレンジ』が定番ナンバーとなったことにより、以降のSMAPのc/w曲にも、名曲が続くようになった。
年末に発売予定の『SMAP 25 YEARS』の投票結果でも堂々の第2位である。

SMAPの歌う知られざる曲の中には、ここまで素晴らしい曲もあるのだと、世界に大声で知らせたい。


SMAPさん『オレンジ』の歌詞