楽曲についてのみ淡々と記すはずが、どうしても書かずにいられなかった。
12月14日の午後7時から3時間にわたって文化放送ラジオで放送された、『STOP THE SMAP 25周年記念スペシャル!』(以下、25周年スペシャル)である。
緊急特番生放送という形で放送枠が確保され、斉藤一美アナウンサーが司会進行を務めた。
SMAPメンバーは出演しない。
にも関わらず、SMAPファンは歓喜に沸き、放送開始を待たずにツィッターで続々とその模様がリアルタイムで投稿された。
『Otherside』で幕を開けた25周年スペシャルは、あくまで「25周年」と銘打ち、解散という言葉を忌避するファンの心情にどこまでも寄り添う企画だった。
何と言っても、斉藤一美氏の大活躍だった。
放送前日から「明日の夜が楽しみでなかなか寝られない」とツィッターで呟いた斉藤。
斉藤一美は1993年~97年まで『STOP THE SMAP』のあとに放送されていた、『斉藤一美のとんカツワイド』のパーソナリティを務めていた。
SMAPのメンバー一人一人のことを熟知しており、ブレイク前のメンバーのエピソードを明かしたり、「だってSMAPは(森且行を含めた)6人だもん!」と強く叫んだり、所々でSMAPに対する愛を惜しみなく主張してファンを喜ばせた。
オンエアされた楽曲は63曲。
シングルを中心に構成され、フルでかかった曲は比較的少数であり、他はメドレーという形で流されていた。
楽曲よりも、幼いメンバーの声を聞けたことが私としては希少な機会であり、一言一句聞き逃すまいと必死であった。
年齢から言えば、とうに中居“さん”、木村“さん”と呼ぶべきところを、どうしても僕は「中居くん」等と呼びたくなってしまう、と言いながら、ずっとメンバーを「くん」づけで呼んでいた。
斉藤一美渾身の進行を聴きながら、この人は誰よりもSMAPを愛情深く見守ってきたのだということが、しみじみと胸に迫った。
また、絶えず送られてくるファンリスナーからのメールも、昔のことにも関わらず、実に細かいエピソードまで披露してくれるものもあり、全員が全員、ただのアイドルを超えて、SMAPを完全に日常の一部として生きてきたのだと痛感した。
「もしかすると、一番楽しんでいるのは私かもしれません」
番組の冒頭に、そう言った斉藤一美。
すごい熱量だった。
そういう人がこの番組を担ってくれて、これほど嬉しいことはない。
斉藤氏は、「もう一度SMAPに関われてうれしい」とも言った。ファンとして本音を言えば、彼のようにSMAPに対して愛のある人物だけに、こうした番組制作に携わってほしい。
解散は確かに避けられない事実かもしれないが、もし解散がなければ、ここまでSMAPに対する気持ちを確認する機会もなかったのかもしれない。
想いが溢れる。
番組終了が近づき、『世界に一つだけの花』からデビュー曲の『Can't Stop!! -LOVING-』でラストを飾りながら、斉藤一美は
「私たちはSMAPに出会えて幸せでした」
と、こらえきれない涙声で語った。
私も同じ気持ちである。
文化放送と斉藤一美氏に、厚くお礼申しあげたい。