本が読みたい!

子育ての合間に少しずつ読んでいる本の感想や、
3人の子ども達に読み聞かせる絵本の紹介など、本にまつわるお話です。

東方見聞禄

2006-03-09 | 大昔
昔 社会の授業ででてきた「マルコポーロ」の東方見聞禄だ。
私は マルコが書いたものをそのまま本になっていると思ったのだけど ちょっと違うみたい。時々第三者の言葉が入るから マルコの見聞禄を誰かが写し、それを訳したものかな。

いろいろな地名(国名)の小タイトルから始まり、位置や地形、特産物などが延々と紹介されている。昔の地名なので 私にはどこら辺の事なのかちっともわからない。地図でもつけてくれればわかるのだけど 大雑把なものしかない。地名と地名の境目も今とは全然違うだろうから (現在の○○) なんて( )つけもできなかったのかも。「タングート地方」「カムル」「チンギンタラス」「ハラホルム」こんな名前が並ぶ。 はっきり言ってちょっと退屈。

現在のどこらへんかわかれば まだ少しは思いを馳せる事もできるが 全くわからない。でも、さすがに日本の話しとなると別(^o^) 全ての文章 一言一句おもしろく感じる。

小タイトルは「チパング島」。
「チパングは東海にある大きな島で、大陸から2400キロの距離にある。住民は色が白く、文化的で、物資に恵まれている。偶像を崇拝し、どこにも属せず、独立している。黄金は無尽蔵にあるが国王は輸出を禁じている。・・・・」
こんな感じで紹介が続く。

「宮殿の屋根はすべて黄金でふかれており、その価格はとても評価できない。宮殿内の道路や部屋の床は、板石のように、4センチの厚さの純金の板を敷き詰めている。窓さえ黄金でできているのだから、この宮殿の豪華さは全く想像の範囲を超えている」
「チパングでは敵を捕虜にした時、身代金が支払われないと、自宅に親類や知人を呼び集め、捕虜を殺して肉を食べてしまう。世界にこれほどうまい肉はないと言っている」

一体ホントに日本の事なの?と思う。が仕方がない。あまりに遠くてマルコ本人は日本へ来たことがない聞き書きなんだから。

商人のマルコは フビライハーンに17年間仕え、莫大な富を築いてベニスに帰国する。危険で長い旅を(600人乗った船が8人しか生き残らなかった事もある。もちろんマルコはその8人の中の一人だ)何度もしているマルコは本物の強運の持ち主だと思う。

日本に来ていればどんな紹介文をかいていたのかな・・・

マルコポーロ 東方見聞禄
青木富太郎 訳
教養文庫 社会思想社