魚鳥木、申すか?申さぬか?

ぎょ・ちょう・もく、申すか?申さぬか?
申す!申す! 魚⇒ニシキゴイ。鳥⇒ニホンキジ。木⇒制定無し、花は桜と菊

百人一首の和歌の原文・現代訳・英訳を紹介します。「33」

2017年12月24日 | 百人一首
百人一首の和歌の原文・現代訳・英訳を紹介します。「33」

※英訳については、1909年にWilliam N. Porterが書いた百人一首の本
『A HUNDRED VERSES FROM OLD JAPAN』を参照しています。

和歌番号033 
作者:紀友則
author of waka:TOMONORI KINO(KINO TOMONORI)

原文
久方の 光のどけき 春の日に しづ心なく 花の散るらむ
(ひさかたの ひかりのどけき はるのひに しづこころなく はなのちるらむ)

現代訳
こんなにも日の光が降りそそいでいるのどかな春の日であるのに、どうして落着いた心もなく、花は散っていくのだろうか。

英訳
THE spring has come, and once again
 The sun shines in the sky;
So gently smile the heavens, that
 It almost makes me cry,
 When blossoms droop and die.

Tomonori Kino was the grandson of Uchisukune Take, a famous warrior, and nephew of Tsura-yuki, who composed verse No. 35; he was one of the compilers of the Kokinshiu, and died at the beginning of the tenth century. He refers in this verse to the fall of the cherry blossoms.

Hisakata is a 'pillow-word' for heaven, without any definite meaning in the present day; it is generally used in poetry in conjunction with such words as sun, moon, sky, or, as in this case, 'the light' (of heaven).

The picture shows the poet with his attendant, watching the petals falling from the cherry tree.

解説
 紀友則(きのとものり・生没年不明 / ?~907年?)は平安中期、宇多、醍醐天皇の頃の人で、紀貫之の従弟、あるいは甥だと言われています。
 紀友則は、少内記、大内記を歴任し、貫之と共に藤原公任が選んだ三十六歌仙の一人としても知られていて、『古今集』の選者にも選ばれています。
 しかし、残念なことに友則は『古今集』が完成する前に亡くなっていますが、友則の和歌は「古今和歌集」の45首を始めとして、「後撰和歌集」、「拾遺和歌集」などの勅撰和歌集に多くの歌が伝えられています。

 この和歌では自然の情景が詠まれていますが、春ののどかな日差しと、散っていく花との対比で、巧みに人々の共感を呼び起こしています。




★おススメ本★  

A Hundred Verses from Old Japan: Being a Translation of the Hyaku-Nin-Isshiu
Tuttle Pub


図説 百人一首 (ふくろうの本/日本の文化)
河出書房新社


百人一首の歌人列伝(業平、定家に西行…人気二十歌人の面白エピソードと代表歌を知ろう! )
歌林苑


本書は「平成和歌所」のウェブコンテンツ「一人十首の歌人列伝」を再編集したものです。
http://wakadokoro.com/

厳選した百人一首歌人の「おもしろエピソード」と「十首の秀歌」を分かりやすく解説した読み物は、幅広い層の和歌ファンに人気を博しました。
これを読めば「はるか昔にいた正体不明のオジサン」だった歌人たちが、グッと身近に感じられることでしょう。

そして本書を読み終わった後、あらためて百人一首を一番から眺めてみてください。
王朝の歴史絵巻が紐解かれ、つまらなかったあの百首歌たちが息吹を宿し、断然おもしろく感じられるはずです。

※読みやすい文字サイズ&文章で、約200ページがあっという間に読み終わります!

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 百人一首の和歌の原文・現代... | トップ | 百人一首の和歌の原文・現代... »

コメントを投稿

百人一首」カテゴリの最新記事