虚構の世界~昭和42年生まれの男の思い~

昭和42年生まれの男から見た人生の様々な交差点を綴っていきます

1984年

2021-06-17 08:30:52 | 小説
1984年
私は高校2年生だった。

頭の中は「彼女が欲しい」ということ

彼女とデートをしたいということ

当時、流行っていたホットドックやポパイなどの雑誌を購読していた。

ちょうど、今ぐらいの季節に同じ学年の女性と付き合った。

テニス部のマネージャーをしていた。

ポニーテールが可愛らしかった。

初めてのデートの日、待ち合わせは喫茶店だった。

前の日から緊張で眠れなかった。

何を話そうか
何を着ていこうか
喫茶店のあとはどこに行こうか

そんなことばかりを考えていた。

背伸びしていた1984年

さて、今日もがんばりますか

80年代

2021-06-16 08:14:01 | 小説
80年代を美化する番組が多い。

「生きやすかった」と伝える人たちも多い。

しかし、何事も表裏一体だ。

80年代は、今よりも治安が悪かった。

私が中学生ぐらいのときは、街に行くと、よく「カツアゲ」と
言われる恐喝もよくあった。

街には不良が溢れ、喧嘩や小競り合いもよくあった。

公園では集団の乱闘もあった。

学校対学校でケンカをする時代だった。

また、街には吸い殻が溢れていた。

空き缶もよく落ちていて、今より街も汚かったように思う。

反対に今、街で恐喝にあう機会はほとんどないだろう。

防犯カメラと人の目の監視、加えて誰もが画像や映像を撮影できる時代

証拠はすぐに保存され拡散される時代

治安はよくなったが、生きにくい時代かもしれない

今日も一日が始まる。

恨みとの付き合い方

2021-06-15 11:13:08 | 小説
仕事をしていると理不尽な怒鳴られ方をすることがある。

お客様という関係を利用して、攻撃される。

もう30年近く働いているが、何度経験してもメンタルに来る。

相手に復讐したいという衝動が溢れてくる。

相手の住所も電話も名前もわかってるときは、何とか相手に仕返ししたいという思いが日々継続する。

どのぐらい時間が経つと許せるのだろうか。

私はとことん復讐する方法を考える。

実行しないが、とことん考えているとだんだん面倒くさくなる。

そのうち、恨みも消えていくことが多いようだ。

それでも完全には消えない。

だから、人を攻撃すると、その恨みは残り続けるということ。

恨みを買うような言動はしてはいけない。


日曜の夜

2021-06-14 08:36:45 | 小説
日曜の夜、一人で映画に出かけた。

映画館を出ると夜9時を過ぎていた。

緊急事態宣言で街は暗闇に包まれていた。

人々のため息が聞こえてくる。

日曜の夜、サザエさんのエンディングを聞くと、憂鬱になると新入社員が話していた。

いつの時代も変わらないんだなあという思い

新人さんはこの時期みんな覇気がない。

転職サイトを見ているにちがいない。

今日はそんな新入社員に研修で話をする。

乗り越えた先輩として、あの経験があったから・・・

そんな話はしたくない。

新人は出社しているだけで100点だということ
研修を受けられているみなさんはすごい優秀だということ
だから優秀さをつぶさずに会社は支えていく
日々の小さな幸福感を感じられる生き方
仕事以外の充実さ

こんなことを伝えていく

帰る

2021-06-11 12:43:56 | 小説
腹が立ったから帰る。

そればできないから、会社を離れて、クールダウン。

このままだと誰かを怒鳴ってしまいそうなので・・・

当たり前の日常の風景

2021-06-10 17:58:46 | 小説
当たり前の日常が戻る前に続々と店が閉店している。

私の街も繁華街のビルの看板がめっきり少なくなった。

ここは何のお店が入っていたのかという感覚になる。

仕事が終わり、仲間とお酒を飲んでいた風景が消失した。

私は一人で夜の街を彷徨うのが好きだった。

馴染みの居酒屋と色気のあるお店のセットで癒されてきた。

そんな日常はいつ戻るのだろうか。

ラストシーン

2021-06-09 07:58:27 | 小説
恩師の葬儀でかつての同僚だった女性と再会した。

私と同じ54歳

彼女は結婚して退職した。

24年ぶりの再会だった。

彼女とは付き合うというような関係ではなかったが、食事やお酒を飲みに行くことがあった。

私は好意を抱いていた。

知的で優しい女性だった。

「出世したんだったね。社長も夢じゃないよね」と優しい言葉をかけてくれた。

出世か・・・

その言葉が何だか心に残った。

出世はしたが失ったものもある。

それは「優しさ」だ。

偽の優しさをふるまいながら日々生きている自分

今日も一日が始まる。

号泣

2021-06-08 08:13:44 | 小説
恩師の遺体を前に私は号泣した。

その理由は恩師の死ばかりではない。

自分の情けなさ、不甲斐なさからだ。

「お客の立場になって考えろ」
「外見や身なりでお客を判断するな」
「商売とは、弱者の味方になってあげること、貧乏な人にこそ誠実に接しろ」
「仕事ができない人の視点に立って仕事をしろ」
「華やかな人たちばりに目を奪われるな」

こんなことを新入社員の私に叩き込んでくれた。

部長となり、日々、問題なく、自分に責任が来ないように避けるスキルばかりが上達している自分

自分は本物ではないことは痛切に感じている。

恩師と酒を飲みながら、理想の会社について熱く語り合ったあの頃の自分

自分の不甲斐なさ、狡さに申し訳なく、恩師の遺体の前で号泣してしまった。

恩師は何も語らない。

いや今の私には何も語りたくないことだろう。

今日も一日が始まる。

恩師の死

2021-06-07 12:44:51 | 小説
新聞のお悔やみ欄に恩師の訃報が掲載されていた。

私がこの職業に就く恩人となった人だ。

30年ぶりの再会だった。

私に仕事の基本を叩き込んでくれた。

本物とは プロとは何かを教えてくれた。

その顔をみたら、号泣してしまった。

奥さんと娘さんに、恩師のようになりたいと思って、仕事を続けてきたことを伝えた。

「主人も喜んでいますよ」と言ってくれた。

今年の年賀状に「あなたは義理を欠かさないいい男だね。今の立ち位置は大変だろうが登りなさい」と一筆添えてあった。

今でも私は「こんなときは○○さんだったらどうしているだろうか」という視点で考えている。

今日も一日が始まる。




耐えるしかない

2021-06-06 10:23:17 | 小説
馴染みの居酒屋に夕方に顔を出した。

メニューから刺身が消えていた。

生ビールを注文したが、瓶ビールしかないと言われた。

経費をギリギリまで詰めて営業している。

焼き鳥を注文した。

いつもは大きな肉だったが、その肉の半分くらいの肉になっていた。

店主は、もう閉店するしかないと言っていた。

何とかならないのか。

テレビからは、オリンピック開催に向けてのニュースが無神経に流れていた。

この国は確実に優しくない方向に向かっている。


働かせていただけることに感謝

2021-06-04 07:46:57 | 小説
今週は月曜日からトラブル処理に追われ、早朝5時に出社して対応策を練った。結局この日は夜10時まで会社にいた。18時間会社にいた。

一週間がとてつもなく長く感じられた。

明日からの休日がうれしい。

忙しいからこそ、休日の有難みがわかる。
働いているからこそ、休日の有難みがわかる。

20代の頃、毎日が休日という荒んだ生活をしていた。
腐った時間を過ごしていると、人間性までも腐りかけていった。

あの時代があったからこそ、働かせていただいていることに感謝の思いを持てる。

今日も一日が始まる。

怒りをぶつけられたとき

2021-06-03 07:59:38 | 小説
怒りへの対応スキルが今の社会では必須になっている。

あちこちでクレームや怒りへの対応にあたっている。

私の部署でもそうだ。

怒りを他人にぶつけてくる人は、何かしらのストレスや不安、悩みを抱えている。

自分のたまった負の感情をぶつけるために、何かしらの着火点を探している。

「怒っている人の本質を見守る姿勢」という視点で接してみる。

それでも怒りをぶつけられたときは、ストレスを感じるが、怒っている人の弱さを少しだけ感じられると相手に寄り添う姿勢が芽生えてくる。

今日も一日が始まる。

楽しいこと

2021-06-02 07:54:27 | 小説
自分にとっての楽しいことは何だろう。

1日15時間近くは会社にいる。

しかし、そんな忙しい中でもジムには通っている。

精神的な疲労が蓄積するほどに体を鍛えている。

筋トレしているときに、ストレスが解消される。

昔は余暇に体を鍛えている人の心情が理解できなかった。

今は痛切にわくわかる。

仕事に真剣になればなるほど、余暇は体にいいことをしている。

若いころは、仕事のストレスを酒とギャンブルで紛らわせていた。

さて、今日も夜はジムに行きますか。




淡々と生きる

2021-06-01 08:03:03 | 小説
企業のトップに立っている人の立ち居振る舞いは、毎日、同じように安定している。

感情のバランスを崩すことがない。

それに比べて、私は感情の起伏が激しい。

他人の言動に怒ったり、不機嫌になったり・・・

反対に何かいいことがあると、ニコニコして人に話しかけたり・・・

何があっても同じ雰囲気でいなけばいけない。

今日も修行が始まる。

わからなくなる

2021-05-31 17:09:11 | 小説
54歳にして自分の気持ちがわからなくなる

逃げたしたくもなる

しかし、ここまで何とか来た

まだまだ・・・・・

月曜日の夕方、今日も遅くなりそうだ