書評D
大和田敢太〔2018〕『職場のハラスメント』 中公新書
A本書で得た新たな知見とそれに対するコメント
1.電通自殺事件において過重な残業のほかにも上司からの暴言があったこと(p.20)
→この事件は働き方を考える書籍において触れる機会が多いが、この事実を知って改めてハラスメントの陰惨さを感じた。
2.業務の適正を超えた指導(ハラスメント)が禁止されていることは裏を返せば超えない範囲での指導を認められていることになる。(p.40)
→厚生労働省が定義しているハラスメントの概念では不十分だと感じた。ただ指導をしなければ技術の上達は見込めず、他方面からのハラスメントには対処しきれないことから非常に難しい部分であることも念頭に置かなければならないと思った。
3.消費者側からの外部的ハラスメントへの対策(pp.79-80)
→従業員が個別に対応してしまうと対応に差異が発生するため、その企業全体のマイナスイメージを与えることに繋がることも考えられる。これを避けるためにも企業は労働者を守りより良い対応を可能にするためにもクレームや迷惑行為へのガイドラインを作ることが良いと思った。
4.履歴書匿名化の試み(p.180)
→確かに履歴書を参考にすることで個人の能力を大まかに知ることの助けになることは間違いないだろうと思う。しかし、今の日本において新入社員が長続きする保証はなく、インターネットを通じた就職活動が主要なため、差別を生みやすい出身や出身大学の項目は企業によってはなくなっていくと感じた。また、能力に関してはインターンや研修を充実させることで実際に目で判断する必要があると思う。
5.ハラスメント加害者への対応(p.208-209)
→単に加害者を処罰してしまうと加害者は何が相手へのハラスメントに抵触したのかわからず別の場所でもハラスメントを起こしてしまうと感じた。そして加害者も苦しむことになる。この防止のためにも企業は加害者にもカウンセリングや原因に応じた指導をすることが重要であり、尚且つ加害者側の思考や理由を知ることは貴重で企業側の再発防止策に役立つと考えているため実践してみる価値はあるのではないかと思っている。
B感想・批評
平成が終わりを迎えつつあるなか、この何十年間で女性の社会進出が進み社会の職場は大きく変化した。しかしそれと同時に今まで影にかくれていたハラスメント問題が表面化していった。もちろん男性から女性へのハラスメントのみということではなく今やハラスメントの種類は多様を極めている。
本書でも述べられているように、原因はまず加害者であることは確かだが、基本的なハラスメントは「職場で起こるトラブル」であるため、原因の一端は発生を許してしまった職場そして企業にあるということだ。そのため企業は職場を定期的に監視し、問題が見受けられるようであれば早急に労働者の配置を変えるなどの行動が今後はより求められると感じた。
ハラスメントは近年新しくできた問題ではない。以前から多くの人々が体験してきたことがようやく問題に取り上げられるようになったのだ。報道されるものは莫大な母数の一部分であり今も苦しんでいる人達がいるのは明らかである。そういった人達やこれから新しく社会に進む人のためにも企業は慢性的な経営課題と捉えて解消に当たるべきだ。
本書ではハラスメント問題は日本だけでなく世界中の国が取り組んでいるかだいであることがわかり、他国と比較すると日本は何段階も遅れていると感じた。自分は加害者がハラスメントを起こす原因には加害者自身がハラスメントを起こしていることを自覚していないことが多きいと感じている。そのため人口の少ない日本では被害者のケアはもちろんだがいかに加害者に再発防止をさせつつ職場に戻すかが必要だと考えている。
大和田敢太〔2018〕『職場のハラスメント』 中公新書
A本書で得た新たな知見とそれに対するコメント
1.電通自殺事件において過重な残業のほかにも上司からの暴言があったこと(p.20)
→この事件は働き方を考える書籍において触れる機会が多いが、この事実を知って改めてハラスメントの陰惨さを感じた。
2.業務の適正を超えた指導(ハラスメント)が禁止されていることは裏を返せば超えない範囲での指導を認められていることになる。(p.40)
→厚生労働省が定義しているハラスメントの概念では不十分だと感じた。ただ指導をしなければ技術の上達は見込めず、他方面からのハラスメントには対処しきれないことから非常に難しい部分であることも念頭に置かなければならないと思った。
3.消費者側からの外部的ハラスメントへの対策(pp.79-80)
→従業員が個別に対応してしまうと対応に差異が発生するため、その企業全体のマイナスイメージを与えることに繋がることも考えられる。これを避けるためにも企業は労働者を守りより良い対応を可能にするためにもクレームや迷惑行為へのガイドラインを作ることが良いと思った。
4.履歴書匿名化の試み(p.180)
→確かに履歴書を参考にすることで個人の能力を大まかに知ることの助けになることは間違いないだろうと思う。しかし、今の日本において新入社員が長続きする保証はなく、インターネットを通じた就職活動が主要なため、差別を生みやすい出身や出身大学の項目は企業によってはなくなっていくと感じた。また、能力に関してはインターンや研修を充実させることで実際に目で判断する必要があると思う。
5.ハラスメント加害者への対応(p.208-209)
→単に加害者を処罰してしまうと加害者は何が相手へのハラスメントに抵触したのかわからず別の場所でもハラスメントを起こしてしまうと感じた。そして加害者も苦しむことになる。この防止のためにも企業は加害者にもカウンセリングや原因に応じた指導をすることが重要であり、尚且つ加害者側の思考や理由を知ることは貴重で企業側の再発防止策に役立つと考えているため実践してみる価値はあるのではないかと思っている。
B感想・批評
平成が終わりを迎えつつあるなか、この何十年間で女性の社会進出が進み社会の職場は大きく変化した。しかしそれと同時に今まで影にかくれていたハラスメント問題が表面化していった。もちろん男性から女性へのハラスメントのみということではなく今やハラスメントの種類は多様を極めている。
本書でも述べられているように、原因はまず加害者であることは確かだが、基本的なハラスメントは「職場で起こるトラブル」であるため、原因の一端は発生を許してしまった職場そして企業にあるということだ。そのため企業は職場を定期的に監視し、問題が見受けられるようであれば早急に労働者の配置を変えるなどの行動が今後はより求められると感じた。
ハラスメントは近年新しくできた問題ではない。以前から多くの人々が体験してきたことがようやく問題に取り上げられるようになったのだ。報道されるものは莫大な母数の一部分であり今も苦しんでいる人達がいるのは明らかである。そういった人達やこれから新しく社会に進む人のためにも企業は慢性的な経営課題と捉えて解消に当たるべきだ。
本書ではハラスメント問題は日本だけでなく世界中の国が取り組んでいるかだいであることがわかり、他国と比較すると日本は何段階も遅れていると感じた。自分は加害者がハラスメントを起こす原因には加害者自身がハラスメントを起こしていることを自覚していないことが多きいと感じている。そのため人口の少ない日本では被害者のケアはもちろんだがいかに加害者に再発防止をさせつつ職場に戻すかが必要だと考えている。