雄一郎の半生

こんな人生もあるのですね。ノンフィクションの半生記
全ては、書けませんが。。。

すし店開業したが、、

2021年02月23日 06時00分00秒 | 日記

雄一郎の半生

しかし、母も無謀なことをした

ものだ、故郷に錦をとでも

考えての事なのか、二十歳

そこそこで、腕もない自分が

店主となり、すし屋を田舎に

出しても、儲かるわけがない。

それどころか、一部の村人からは

反感を買う事にもなった。

開店日に取引業者や、友人など

から、花輪が揚げられたが、その

中に、わざと葬儀の黒い花輪を

届けに来た業者がいた。全く

不謹慎な輩もいたものだ。

人は、金を持ち、名声が上がると

寄ってくるものだ、道路向かいの

元学校の先生をしていた、

おばさんも、通りを歩いていると

かなり離れた場所から、頭を下げて

きた。誰に挨拶しているのかと

思ったら自分にだった。しかし、

こういう人はだめになると、

見向きもしなくなるものだ、事実、

後にすし店は転売されるのだが、

そうなると近くでこちらから頭を

下げても、見向きもせず挨拶など

してくれなかった。

そんなものなのだ。

 

話がそれたが、開店当初は、上や下への

大騒ぎ状態が続いたが、暫くすると

閑古鳥が鳴く。段々立ちいかなく

なってくる。それに加えて女房が

妊娠。妊娠したことで、忙しい中

実家に出産日の3か月も早く

里帰りをして実家で出産するという。

「3か月も前からでは、店の手が

足りずに困る」と言っても、女房の

実父もまったく、店の事は考えないで

「早く帰ってこい。」などと言っている

自分は、仕込みや仕入れなどで

1日に3時間ほどの睡眠しかとれずに

板前さんからも、「だんな、時間が

ある時に少し休んで来なよ。」と

言われる事もしばしばだった。

それでも、女房は早々と実家に

戻ってしまった。

店の2階は、割烹の座敷のだが、

少し空いた少ないスペースを利用して、

最初は麻雀店を始める計画があった。

雀卓も何台も購入して、いざ、始めよう

としたら店の許可が下りない。

全く無計画な事をやったものだ。

そして辞めておけば良いものを、

業種を変更してスナックを開店した。

すし店の切り盛りだけでも大変なのに、

すし店が閉店後はスナックをみて、

その後は店員を送りその足で、

市場の駐車場で仮眠をとる。

と言う毎日だった。

 

女房の妹は、看護師をしているが

どうした縁で、自分が学生の時に

陸上のクラブで共に短距離の選手を

していた、いわばライバルで同級生

だった友人と結婚することに。

この友人も両親と3人暮らしで両親の

本当の子供ではなく、親戚筋から

もらわれてきたとの、うわさが以前から

あった。卒業近くになるとライバルと

いうより、親しい友達となっていた。

義妹は、こんなうわさを耳にしたらしく

結婚について戸惑っていた。自分に

うわさについて、聞いてきたときに

「仮に、うわさが本当だとして、誰と

一緒になるんだい?。本人かい?、

うわさかい?」と諭した。

この友人であり、義弟となった友は、

自分の弟の葬儀の時、火葬場で自分の

肩をしっかり抱いてくれるような

優しいところのある男だった。しかし、

残念にも、義妹との間に女の子を

授かって間もなく、20代の半ばで

病死してしまう。

 

次回につづく