解けない呪いにかかっているの。
毎日死にたくて、人生の目標も、やり遂げたいことも何もなくて、生きている理由が見つからなかった。生きていく勇気も死ぬ勇気もなくて、八方塞がりの日々。
君は私の特別な人、ではなかった。同じ学科で同じサークル、それだけ。他の誰かとよりかは少し近くて、でも特に何も感情はなくて。特別たくさん話すわけでもなく、どこかに一緒に遊びに行ったりもない。他人以上で、友達未満だった。
「大学の桜並木が綺麗で好きなんだ」
そう言った私に
君が
「来年の桜が楽しみだな」って言ったんだ。
あの時君はどんな表情をしていたんだっけ。私はそれに何と返したんだっけ。もう何も思い出せない。
恋じゃなかった。愛でもなかった。
何気ない会話だった。特別じゃなかったんだ。
だけどね、他の誰でもない君が「来年の桜が楽しみだな」って言ったから、私はいつか君とまた桜が見たくて、あと1年、あと1年だけ生きていようと思うようになったんだ。そうして、今日もまた私、ここで生きています。
あの日君にかけられた呪いに縛られながら。
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