after-studio (画と本のある空間)

経営する喫茶店の名前です。

店のHPはこちら→ http://www.samatsu.info/cafe/

何事にも訳が・・・

2023-10-10 17:19:55 | 人事・生活・世間

三連休、どのように過ごされましたか?
私は旅行を致しました。
そのことをブログにと思っていたのですが、今朝、強烈な出来事があったものですからそれに変えることに致しました。

いつもは車出勤なのですが、旅行の際、車を会社に置いたもので、今朝はバス出勤になりました。
いつもは定時に来るそのバスが、今朝は大幅に遅れたのです。
「どこバス仙台」で確認すると、どうも始発から遅れているようでした。
何かよんどころないことが起きたのだろうと思いつつバスを待っていると、「どこバス仙台」のバスが動き出しました。
やっと着いて聞こえてきたアナウンスが美しい女声だったことにまず驚きました。
まるで録音をしたような奇麗なアナウンスだったのです。
乗車し鏡に映る運転席を見ると、きちんとした素敵な女性でした。
各バス停ごとに遅れたお詫びのアナウンスを美しくなさっておられます。
運転技術も見事で、救急車が後ろから来た時の車のさばき方にも感心いたしました。

が、幾つか目のバス停で、高齢の男性が「遅い!!」と大声で怒鳴りながら乗ってきたのです。
そして、バス停にバスが止まるたびに、大袈裟に体を揺すります。
そして、いよいよ降車バス停に着き、降りる際に美しい運転手さんに大声で遅れたことを抗議したのです。
同じバス停だったので、最後に下車した私の目に入ったのは、同じバス停で降りたであろう若い男性にしきりに話しているその男性の姿でした。
若い男性がイヤそうに距離を置こうとすると、大声でその老人は「俺は69年間も生きてきたんだ!」と怒鳴りました。
歳を重ねるとは、そういう事ではないでしょう・・・(ひとり言)

それに引き換え、若くきれいな運転手さんは本当に運転が好きなのだろうと思わせるハンドルさばき、そして、細やかで温かいアナウンスだったのです。
きっと、いい仕事を心がけておられるのでしょう。
ますます、今朝は市営バスで何かどうにならないことが起きたのだろうと思わずにはいられませんでした。


時は優しく・・・

2023-10-05 17:09:51 | 人事・生活・世間

ずいぶん前に心臓の疾患を持って生まれてきた坊やについて書かせていただきました。
その坊やに妹が産まれ、今年、弟が産まれました。
お兄ちゃんはもう小学4年生です。
今年生まれた弟は4か月。
平均よりずっと大きな弟を、優しいお兄ちゃんは殊の外可愛がります。
学校から帰ると大声で弟の名を呼んで家に入るのです。
そして、抱っこをするのです。
発育の良い弟は、お兄ちゃんの体重に加速して近づいております。
それでも、膝に抱っこをしていっしょにテレビを見たりしているのです。
お兄ちゃんの小さい頃の写真を見ると今の弟そっくりで、なんとも懐かしさがつのります。
あの頃は日々が闘いで、幾度も入退院を繰り返し、長時間の手術を繰り返していたのでした。
生活のほとんどが病院で、食も細く、鼻から管を通して栄養補給をしていたのです。
過ぎてしまえばその闘いも懐かしく、今元気にスポーツ少年に育っているのが嘘のようです。
食欲も旺盛で、ラーメンライスを難なく平らげます。

時は優しく過ぎてゆき、あの苦しい時は今の幸せをより一層充実したものに感じさせてくれます。




2023-10-04 17:41:23 | 人事・生活・世間

中島みゆきの曲「歌姫」に、こんな歌詞があります。
「男はいつも嘘がうまいね・・・女はいつも嘘が好きだね 昨日よりも明日よりも嘘が好きだね・・・」
確かに・・・と笑ってしまいました。
しかし、やはり、嘘はオオカミ少年を作り出してしまいます。
本当の時に、「まただ」、と信じてもらえない本人の不幸があり、つかれた方も信じなかったことを悔やんでしまうという不幸があるかもしれません。
双方にリスクをもたらすのが嘘なのですね。

相手を思いやっての嘘、というものもあるでしょう。
母は私が10代の頃にガンで亡くなりました。
その頃は告知をしないのが常でした。
母も、ガンではないかとの不安に駆られながら、胃潰瘍と言われ続けて亡くなったのです。
どんなに必要と思われる嘘でも、不安を招くことは避けられないかもしれませんね。
幼い子供たちを残して死んでいった母は、本当のことを知りたかったのではないかしら、と今思うのです。
当時の告知しないという常識から、聞いても真実は告げられないだろうと思っていたかもしれません。
しかし、言い残すこと、教え残すことがあったのではないかと思うと切なくなります。
家族は隠し通すことに終始し、それも別の意味での不安を招いていたことでしょう。

いずれにしても、嘘は、平和や幸せとは離れたもののように感じました。


10月の風

2023-10-03 10:43:48 | 記録

10月に入りますと、風の触りが違いますね。
沢山歩いて汗ばむ肌を、風はサラリと撫でてくれます。
風はまるで櫛の様に髪を吹き抜けます。
日差しはまだ強く、日傘が手放せませんが。

昨年暮れ、家族構成に大きな変化があり、この10か月はその変化に順応するための期間となりました。
同時に、同人誌「暖和室」の締め切りが8月末になっておりましたが、遅れる方もあり、9月に入ってやっと揃いました。
今月中には完成する予定です。
先回のブログを見ますと、昨年の同人誌について書いたのが最後だったのですね。
長いことブログ離れをしておりました。
変化前後の嵐のような期間、自分を保つために初めて自己啓発本を読んでみました。
毎日少しづつ、欠かさずまいにちまいにち・・・・。
将来への不安や過去の後悔は少しづつ消えてゆき、今を大切に生きることを繰り返し繰り返し学びました。
思いの煩雑さが消え去り、思考が大変軽くなり、それはまるでこの10月の風のようでした。



同人誌第八号完成

2022-07-19 16:55:55 | 書物・文学・詩

パソコンに疎い私は、画面の変化に対応できず、何ですか殺風景なブログになってしまいました。
しばらく書いていなかったので仕方がないか、と、どこかであきらめております。

さて、アフタースタジオでは同人誌を出しております。
この度第8号が完成いたしまして、ご来店のお客様にもお読みいただいておりました。
先日メンバーで感想会を催しまして、ご自分の作品についてのお話をそれぞれから伺うことができ、なお一層、作品の深みを味わうことができました。
ジャンルは様々で、きっとお読みいただく方の琴線に触れるものに出会っていただけるかもしれません。
ご希望の方、ご一報いただければ郵送も致します。
ご連絡くださいませ。


 


哀しみが優しく

2022-03-30 15:00:10 | 書物・文学・詩

間もなく4月、また一つ年を取ります。
今日、お客様幾人かでお祝いをしてくださることになり、美味しい日本酒の差し入れがありそうです。

お店主催で同人誌を発行していることは以前触れましたでしょうか?
それが第7号まで続きまして、5月末日が第8号の締め切りです。
はじめは何を書いていいやらと悩むばかりでしたが、発行期間が約一年に延びたことでゆっくり進めることができるようになりました。
それで、第7号では心の奥に秘めていた哀しみを書いてみようと思ったのです。
母の哀しみを書いてみました。
自分の昔話をよくしてくれた母でしたが、決して詳しくは話そうとしない哀しい出来事がありました。
それを書いてみようと思ったのです。

そして第8号では私の哀しみに向かうことに致しました。
不思議に書いていて感じたのは、過去の哀しみをもたらした時間や出来事が優しく見えることでした。
そのためか、文字になる内容が温かく変化して参ります。
年を重ねたということが大きな要因のように思えるのですが、どんな哀しいことも自分の人生と受け入れることができるようになったからでしょうか。

ふと、そんな中専ら読み進めている寡作作家ウィリアム・スタイロンの文章が思い浮かびました。
スタイロンは暗く深刻な問題を扱っているのですが、読むことに不快感は生じず、ただただ既に知っている問題でも角度が違うとこうも違うのかとの驚きをもたらすのです。
「ソフィーの選択」から始まりましたが、二冊目三冊目と読み進むにつれ、長い文章であり深刻な問題でありながら読者をしっかりとつかむ文章の力に圧倒されます。
今は「闇の中に横たわりて」を読んでいるのですが、場面や時間が頻繁に行き来しても迷わずストーリーについていけることにも驚くばかりでした。
読みやすさは、スタイロンが辛い哀しい問題を優しい目で見ているからなのでしょうか。
哀しみが優しく変化するなら、年を重ねることも悪くないなぁとつくづく感じる発見でした。

誕生日を目前に前向きな発見を致しました。


 


笑顔

2022-01-05 17:26:46 | 記録

毎年、一日違いではあれ新年を迎えるとなぜか新鮮な思いがしたものですが、今年は不思議にそれがなくただ時間の続きの新年でした。
人生に慣れすぎてしまったのでしょうか。

中島みゆきの歌に「体の中を流れる涙」という曲があります。
”涙が体の中を流れていて、どこを切っても涙が落ちる。
涙が私を動かしている、私は涙でできている。”というのです。
確かにあまりに悲しい時には体のどこを押されても泣いてしまう、ということがあるのではないでしょうか。
ただ私の場合、涙が体の中を流れているという認識はなかったように思います。
そして、浮かんだのは母でした。
母の一生を考えますと、なんて悲しいことが多かったのかしらとの思いが走るのですが、当の母は常に笑顔だったのです。
そして子供の私に、女の子はいつも笑顔よ、と幾度も繰り返し言い聞かせておりました。
今考えますと、あまりに悲しみが多く笑顔になることで活力を産み出していたのではないかと思います。
母の一言一言、子供のころ無邪気に聞いていたものが今になって大きな意味をなしております。
49歳という若さで人生を終えた母を思い起こすことがこのところめっきり多くなり、そこにこの歌が耳に入ってきたのでした。

娘に新年の目標を聞かれ、「何もないかも」などと答えてしまったのですが、今この曲を聴きながら母に思いを馳せ「笑顔」をより強く意識してみようかと思いました。

因みに母の大きな悲しみの一つは、同人誌第七号に書かせていただきました。

 


冬の朝の楽しみ

2021-12-14 10:48:44 | 書物・文学・詩

夜長の読書、と言いたいところですが、私の場合は朝の読書が習慣になっております。

日の出のはやい時期にはその時間が多く取れたのですが、こう朝の明かりが遅いと読書の時間も削られてしまいます。

電気を点ければ、と言われそうですが、自然光で本を読みたいという変なこだわりがあります。

最近は自分の図書ではなく図書館から借りることが多くなりました。

きっかけは目的の本が書店でもアマゾンでも探せず、図書館を調べたところ見つけることができたことです。

白石の温麵発祥店に嫁いだ鈴木梅子さんに関する本を探していたのが始まりでした。

期間があるということも読書速度を速め、集中できる楽しみがありました。

それから読み終わるごとに、次は何を借りようかと楽しみになります。

このところ英米小説を楽しむことが多くなり、いつも二冊並行して読むもので、もう一冊は自分の本です。

昨日から読み始めたのがスタインベックの「チャーリーとの旅」と、乙川優三郎の時代物です。

言葉の流れがまるで音楽のようで、洋楽と邦楽を同時に楽しんでいるような錯覚を覚えました。

冬の寒い朝、こんな楽しみを味わっております。

 

 

 

 


ロックンローラー

2021-10-18 12:14:15 | テレビ

寒くなってまいりましたね。

もう暖房を使っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

アフタースタジオも今日から暖房にしようかどうか迷っております。

先週末野球観戦に参りました。

寒いので熱燗があるかと待っていたのですが、まだ出ていないようでした。

ホットワインがありまして、それを肌寒い会場で大変美味しくいただきました。

季節によって様々に美味しいものを頂けるのは、四季のはっきりしている日本ならではのことでしょうね。

寒いと家でテレビを見る時間も長くなり、数日前に録画しておいた樹木希林さんと内田裕也さんのドキュメントを見ることができました。

それまで内田裕也さんはあまりにも強烈なので避けてしまい、希林さんの生き方にばかりに感心しておりましたが、ロックンローラーを貫いたそれはあまりに美しく魅了されてしまったのです。

ほとんど別居生活のご夫婦とはいえ離婚を固辞した希林さんは、内田さんに惚れこみ、そのロックンローラー人生をご自身でも大切に思っていたのかな、と不思議な温かさを覚えました。

晩年に歌う「朝日のあたる家」は心に染みます。

「お金もどんぶり勘定、女性関係もどんぶり勘定・・・」と内田さんのいい加減な生活を希林さんが評しておりましたが、ロックだけは違ったのでしょうね。

 

 


一年ぶりに

2021-10-13 11:45:29 | 記録

スピード時代に欠かせないパソコン。

が、古くなればそれなりで、なかなか役目が果たしづらくなってまいりました。

様々な動作にあまりに時間を要するようになり、パソコンを開くのも億劫になりかけたころ新しいパソコンを買ってもらうことになりました。

新型のパソコンは速い速い!

これならブログもまた再開できるかとキーを打ち始めました。

 

同人誌7号の編集に着手しておりますが、パソコンの勝手が変わるとまごついてしまい若手の力を借りながらの進行です。

ジャンルなく年齢差も広い同人誌、新しい号を楽しみにしてくださる方もいらっしゃいます。

ご希望でしたらご一報くださいませ、お送りいたします。

 

前のブログは丁度一年前になります。

近しい方がお亡くなりになり、病気と闘っているお姿を拝見していたためか、まるで戦死のように感じたのでした。

その方は仙台の歴史に大変お詳しく、そんな話には花が咲いたものです。

その方とともに仙台の一つの記憶も消えてしまい、人の死とはある歴史記憶の消失でもあるのかと感じたのでした。

コロナで閉店のお店も多くなり、ますます仙台の様子が変わってまいります。

昔を語り合える人が少なくなることは残念でなりません。

第六波を憂える声も聞こえております。

どうか皆様、くれぐれもご自愛のほどを。

 

 

 


召集

2020-10-05 09:19:18 | 記録

二人に一人は癌になるという昨今、癌宣告は召集令状のようなものでしょうか。
闘病は戦地での闘い。
手術による闘い、抗がん剤による闘い、いずれも辛いものでしょう。
そして、生還する人あり戦死してしまう人あり。

知人が一年ほど前に召集されました。
放っておいたのが災いし、検査を受けたときにはステージ4で、手術も叶わない状態だったのです。
知人は自認温熱方法で闘い、その効果があったのか痩せた体に肉が戻ってきました。
その知人は30年以上も前から知っておりましたが、ゆっくり語り合うことも無く時間が過ぎておりました。
召集される二・三カ月前に再会し、毎日のようにお目に掛かる機会がありました。
30年前には話さなかった様々な話題に、その方の人生、そして苦しみを見たように感じたのでした。
学生時代から音楽活動をなさっていたらしく、年に2回のライブは毎回会場があふれ、あっという間に別世界へ誘うライブになっていたのです。
生き生きと楽しそうに歌うそのお姿は、30年前の気難しそうな知人とは別人でした。

今年になって急に食事が出来なくなり、みるみる御痩せになるお姿には、言葉に出来ない辛さを覚えました。
活字が大好きで、常に活字に触れていたかったのでしょう、手には常に本か新聞が載せられていたのです。
お盆過ぎ、急な入院になり点滴で命をつなぐようになりました。
今のコロナ現状もありお見舞いはかないませんでしたが、幸い携帯電話は使えるようでしたので、電話でお加減を伺う日々が続きました。
もう読めなくなった本を貰ってくれないかと電話で言われ、ドンと沢山の本が届きました。
それらを整理し、本のタイトルにまだまだその方を知りえなかった悔しさと虚しさを覚えたのでした。
生還して下さり、それらに関して語り合いたいと強く思うほどに。


今朝、戦死の知らせが入りました。



ゴールデンウィークを終えて

2020-05-12 11:45:34 | 記録

自粛のゴールデンウィーク、皆様いかがお過ごしでしたでしょう。
殆ど快晴の日々でしたね。

広瀬川の河川敷は絶好の場所でした。
散策もいいですし、しっかり運動の身繕いでランニングを楽しむ方もたくさんいらっしゃいました。
勿論、マスクは離せず、でしたが・・・。
気の合う友人とも会うのを控えていたのですが、散策なら問題も無いでしょうと、久しぶりの語らいを楽しむことも出来ました。
そんな中、素敵なスポットを見つけました。
地下鉄国際センター駅2階のテラスです。
緑の中、地下鉄が走り抜けるのが見え、また、広瀬川の流れを身近に眺めつつ鶯の鳴き声に五月を満喫できました。
更に喫茶コーナーで求めた小瓶のビールを片手に、ゆったりした時間を楽しめます。

読書も少しづつ戻ってまいりました。
まずは乙川優三郎氏の小説を読み返し、更に今野敏氏の警察小説が気軽に楽しめて、この2種を読む事が朝晩の楽しみになっております。
今野敏氏は、先日「スイッチインタビュー」で村木厚子さんと出ておられ、冤罪で苦しんだ村木女史が警察小説が大好きで対談を希望されたそうです。
冤罪疑惑の渦中では大好きな警察小説が嫌いになるのではないかと、それが大きな不安だったそうですが、そうならずに済んだと喜んでおいででした。
そんなきっかけで読み始め、2冊目3冊目と進んでおります。

お店の方はすっかり通常営業に戻りました。
あのゆったりした時間は残念ながら過ぎてしまいましたが、日々のお客様との時間も又楽しい時間です。


新型コロナ自粛の中で

2020-04-22 15:53:58 | 記録

本当に久しぶりになります。

新型コロナでの自粛で、街の中もひっそりとなりましたね。
本来来店数の少ないお店のせいか、常連さんが安心して来店してくださいます。
ゆっくり語り合えて、それはそれで充実感を覚える日々です。
やはり人は、人とのコミュニケーションが力になるのでしょうね。
メールがいつもより多くコミュニケーションをとってくれますが、返信がしばらくないと、もしや熱を出しているのでは…などと心配になります。
不安が常に思いに潜んでいるようです。

店をやりながらも半ば引きこもりのような時間ですので、読書には最適と思いつつも、なかなかはかどりません。
それは、このところ気に入ってしまった中国ドラマのせいのようです。
意地悪い人や策略家が出てくるのですが、正義も必ず存在するのです。
正義は世界共通ですね。
やはり、見ていて気持ちが良く、スッキリします。
「如意伝」から始まり、今では商人物の「月に咲く花のごとく」に魅せられております。
中国女性の美しさにも魅せられ、演技のうまさも感心しきりです。
上に立つ者の学識の高さと書の美しさ、女性であれば振る舞いの優雅さも目を楽しませてくれます。
今の中国からは遠くなってしまった昔の中国文化ですが、今の方々によって作られているわけですから決して遠いとも言えないのでしょうか。

武漢から始まった新型コロナウィルス、中国ドラマを観る毎に早い終息を願って止みません。


真夜中の動物園

2019-08-27 20:19:15 | 記録

中島みゆきのアルバムに「真夜中の動物園」というものがございます。
真夜中の動物園で逢えない人を待つ、という歌詞です。
「逢いたい相手が逢いに来る、逢えない相手が逢いに来る」
「逢いたい相手に逢えるまで 逢えない相手に逢えるまで」
というサビが繰り返されます。
少し切なくなりますが、アルバムのタイトルになる曲ですので、作者の想いがあるのかもしれませんね。

先週末、八木山動物園が夜の開館をしており、行ってまいりました。
地下鉄を降りて地上に出ますと、入り口まで長蛇の列でした。
30分以上も待ったでしょうか、なんとか入いれて夜の動物園を歩きました。
やはり、中島みゆきの曲が頭の中に流れ、星空がきれいな夜の動物園で逢いたい人を待つ心境を想ってみました。
暗い中でも動物たちが呼吸をしているという安心感に包まれます。
会話はできない動物と空間を共にしながら逢いたい人を待つ。
なんて切なくロマンチックかしら、と、改めて中島みゆきの歌詞を味わいました。
気に入った歌もこんな風に体現することで、更に味わい深くなるものですね。

八木山動物園の年に幾日かの企画だそうです。
味わい深く、とても素敵な夜の時間でした。


2年前の想い出

2019-07-18 16:08:19 | 美術・絵画

先日、2階の「スタジオ1951」で50人を超えるパーティーがございました。
主催者の方が早めにお出でになり、机や椅子の配置など、最終確認をなさいました。
その際、奥の壁際に置いてある前衛陶芸作品に目を止められました。
2年前行われた「I氏の肖像」という作品展に展示してあったものです。

2年前のその日、作品が運ばれ、作者はそれぞれを相応しい場所に展示されました。
あるべき位置に落ち着いた作品を見ながら「欲しいと言われる方がおいでの場合は?」の問いに、作者は「相談に応じます」とのお答えでした。
作品の中に「スタジオ1951」にスッと馴染んだものがあります。
割れたガラスの上に立つ紐靴を履いた足です。
左足は靴が壊れてしまったのか、足の指が見えています。
不思議に部屋に合い、部屋を進歩的に見せてくれます。
また、胸像なのか中が少し透けて見える胸から首の作品が妙に気になりました。
それが気になったのは、中にある赤い電灯が点滅するからです。
それはまるで坊やの心臓の心拍の様に規則正しく点滅します。
この点滅が続く限り、坊やの心臓は動き続けるのではないかしら、と確信に近い思いが生まれて参りました。
そして、売れずにあったならどちらかを買おうと心に決めていたのです。
最終日、作者にその旨を話し値段を聞いてみますと、けんもほろろに「売りません」との返答。
少々途方に暮れながら、売らないと言われると一層欲しくなるもので、時間をかけて交渉をしてみよう、とその時に思ったのでした。
翌日、片づけを終えた作者から会場の確認をして欲しいと言われ2階に上ると、綺麗に片付いた会場の奥にあの2点が置いてあるではありませんか。
「え? 売っていただけるんですか」と尋ねますと
「いえ、差し上げます」との答え。
それ以来、その2つの作品は「スタジオ1951」のグレードをぐんと上げてくれております。

パーティー主催者のお陰で、2年前のあの暖かい思いが甦ってまいりました。