愛する人へのラブレター(gooブログ)

届くかどうかは、わからない手紙です…

死刑囚と魔法使い

2010年05月30日 | 愛する人への小説(もどき)
日本かも知れないし、日本じゃ無いかも知れない国のある時代のある日の話・・・。

凶悪な殺人罪により、死刑が確定した死刑囚は、死刑直前に脱走に成功した。

逃亡先の街中・・・。

異世界から『魔物』が数匹現れ、
次々と住人達を殺して行く・・・。
恐れ逃げまとう民達・・・。

するとそこに、杖を持った白髪の老人が現れた。

「私は魔法使いだ・・・私の魔力なら魔物を全匹倒せる。
 だが、その魔力の代償として『誰か一人の命』が必要だ・・・」

と『説明口調』で住人達に伝える魔法使い。
しかし、誰一人として名乗り出なかった・・・。
全員が全員『誰か』が名乗り出ると思っていたのだ・・・。
「何も自分じゃなくていいだろ・・・」と思っていたのだ。
あくまでも『自分の命』が助からなければ無意味であり、
自分の命で他人の命を救う事等、出来る筈が無いからだ・・・。
ほっといたらすぐにここにも魔物達がやって来て、全員殺されると言うのに・・・。

すると、死刑囚が勇気を振り絞り「私の命を貰ってください・・・」と名乗り出る・・・。
こういう形で死刑になるのも、何かの縁だと思ったのだ・・・。

「よし、承知した・・・任せろ・・・ムニャムニャ・・・」

『魔法』の詠唱を始め、
『ドーーーーーーーーーン』と魔法で魔物を全匹倒す魔法使い。
安堵する住人達。

覚悟した死刑囚だが、何故かまだ生きていた・・・。

「なんの話だ・・・? 私はただ魔法で倒しただけだ・・・」

と意地悪そうな口調で言う魔法使い。

















「(何故名乗り出たのはこいつだけで、お前達は誰一人名乗り出なかった・・・?)」

と言いたげな視線を住人達に向け、
『瞬間移動』の魔法で去って行く魔法使い・・・。
目をそらし「何のことかわからない・・・」と惚けている住人達・・・。

すると、『タイミングよく』警官達が駆け付ける。

「お前は・・・!?」

と死刑囚を見て『ワザとらしく』驚く警官達。
観念する死刑囚・・・。





死刑囚は後日、予定通り死刑になった・・・。
あのままだったら死んでいた命の手で、死刑になった・・・。
あのままだったら死んでいた臆病者の住人達は、
命の恩人の死刑囚が死刑されたのを知ってこう呟いた。




「なんだ・・・結局死ぬ運命だったからあの時名乗り出たんだな・・・!
 殺人者が、最後に格好つけやがって・・・!!」

と・・・。

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5 コメント

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Unknown (某人風)
2010-05-30 17:10:07
。 ◇◎。o.:O☆οo.
       。:゜ ◎::O☆∧_∧☆。∂:o゜
       /。○。 ∂(´∀`)O◇。☆
     /  ..◎| ̄ ̄∪ ̄∪ ̄ ̄ ̄|:◎:
    /    ☆。|. 感動なぅ!!! |.☆
  ▼       .。○..∂o.。◇..☆___| 。.:
∠▲―――――☆ :∂io☆ ゜◎∂:.
Unknown (Unknown)
2010-05-30 17:20:29
うーん…
状況にもよりますけどうちならその場に家族や友人も一緒にいたら、
迷わず名乗り出ますね
いざその時になったら名乗り出れるかどうかを考えるとわかんないですけど…
考えさせられる内容ですね
Unknown (Unknown)
2010-05-30 17:58:03
MR.CHILDRENですね、わかります
Unknown (Unknown)
2010-05-30 19:51:09
ハイ
普通に面白いです。
「普通に面白い」ので、神様が書くべきものなのかどうかは疑問です…。
「普通の面白さ」が欲しいなら普通のブログを見ますので…。

失恋は物書きをパワーアップさせますけど、
恋は物書きをパワーダウンさせてしまうのが悲しいですね…
Unknown (匿名ちゃん)
2010-05-30 22:03:47
私も主さんみたいに
読者に何かを感じさせる物語が書きたいと、
影響受けて書いてみました。
よかったら見てください。
もっとよかったら、コメントくださいw ←

主さんの世界観、かなりぱくってますw