『世界ウルルン滞在記』のナレーションの声がする。
[暑い暑い、夏の事でした・・・。
アリさん達は、寒い冬に備え、一生懸命働いていました・・・。]
「えっほえっほ・・・」
『棒読み』で作業をするアリ。
[みんなで力を合わせ、食べものを運ぶアリさん。
トンネルを頑張って掘っている。
アリさんはみんながみんな、それは一生懸命働いていました・・・。]
そんなある日の事だった・・・。
一匹の『キリギリス』が 草かげで楽しそうに、歌をうたっていた・・・。
「アリさん、アリさん・・・。
なんで君たちはこんなに暑い夏の日にそんなに、
汗水たらして働いてるんだい・・・?」
キリギリスはアリさんを馬鹿にしたような感じで言った。
『棒読み』でダイコン役者のアリと違って、非常に感情の入った言い方だ・・・。
「なにをいうんだ、キリギリスくん・・・
いまのうちにはたらいておかないと、すぐにさむいふゆがくるんだよ・・・?
きみも、うたをうたうのはほどほどにして、
すこしは、たべものでもはこんでおいたほうがいいよ・・・?」
やはり『棒読み』でそう言うアリ・・・。
「君は馬鹿だなぁ・・・。せっかくの夏だよ・・・?
好きな事をして、楽しまないとつまらないじゃないか・・・!」
やはりアリとは違った、非常に上手く感情の入った言い方である・・・。
そしてアリはまた作業を始め、
やがて夏は去り、秋が来て、そして寒い冬がやって来た・・・。
冷たい雪の振る中をボロボロの服を着たあの時のキリギリスが、
おなかをすかせて彷徨っていた・・・。
「寒いよ~、おなかがすいたよ~・・・」
非常に迫力のある『演技』で、見る人は本当に、
「可哀想;;」と思った・・・。
その時、キリギリスは 一軒の家を見つけたのだった・・・。
「お~・・・、暖かそうな家だ・・・。
あそこに行って何か食べるものを、恵んで貰おう・・・。」
そう言って見るものの心を打つ『迫真の演技』で窓から中を覗いて見ると、
あの時のアリさん達が、沢山のご馳走を前に楽しそうに、
パーティーを開いているでないか・・・。
しかし食べ物を食べる演技もやはり下手だ・・・。
「どうせ食べる仕草なんて誰も見てないし適当でいいんだろう」
と思っているのだろう・・・。
「ごめんください・・・。おなかがすいて、死にそうなんです・・・。
お願いです・・・。何か、食べるものを恵んでくれませんか・・・?」
見事な演技で、本当に死にそうに見えた・・・。
「おやおや、キリギリスくん・・・。
きみはあのとき、なんていったんだっけ・・・?
あそんでばかりいるからそういうことになるのさ・・・。」
やはり棒読みの糞演技で、そう言われるキリギリス・・・。
そう言われたキリギリスは、夏の日に遊んでばかりいた事を、
大変反省し、大きな涙を流した・・・。
本当に涙を出し、『演技を超えたその演技』に見るもの達は感動した・・・。
おしまい。
・・・アリとキリギリス・・・。
シンプルだが、
『働かざるもの食うべからず』という深いメッセージ性を持った物語である・・・。
「はいカットお!!」
監督のカットの声がかかる。
キリギリスは監督やスタッフにまで腰を低く丁寧に挨拶をしているが、
アリはさっさと気ダルそうに椅子に踏ん反り返り、
「だりいなー・・・大体なんだよこの話・・・働く事の大切さって・・・つまんね・・・」
と、キリギリスの小道具のギターにツバを吐き、『アリ』はすぐに煙草を取り出す。
「おい・・・」
と、同期だが今や下っ端のキリギリスに声を掛ける。
「はっ、はい・・・」
と、キリギリスは慌てて火を付ける。
『アリ』は新人の頃は腰が低かったが、演技にも貪欲だったが、
売れっ子になり豹変し天狗になり、今や演技にも手を抜く怠け者になってしまった・・・。
子供達のイメージは『働き者』だが・・・。
「えっほえっほ・・・」と一生懸命働いていた頃の気持ちを、
今は忘れていた・・・。
「畜生、アリの奴・・・『カメラ』が周ってない所では偉そうにしやがって・・・」
ある日、キリギリスは遂にぶち切れた・・・。
『カメラ』が周ってる所では『働き者』を演じ、
そうじゃ無い所では怠け者、傲慢な彼に・・・。
「てめえ死ね!!」
『ギター』でアリをタコ殴りにするキリギリス・・・。
「うぎゃあああああああ・・・!!」
ボコボコにされて涙目なアリ・・・。
「アリさん、アリさん。なんで君は、こんなに暑い夏の日に、
そんなに、血垂らして痛そうなんだい・・・?
まあ僕が叩いてるからなんだけど・・・!!」
更にボコボコに叩き続ける。
「おやおや蟻くん・・・なんで苦しそうなのかな・・・?
君はあの時 なんて言ったんだっけ・・・?
偉そうにしているから、こう言う事になるのさ・・・。」
アリは死んだ・・・。
おしまい。
・・・アリとキリギリス・・・。
「自分はこんなに働いてるんだ偉いだろ」と偉そうにした者は、
謙虚な気持ちを忘れて天狗に、傲慢になった者は、
殺されて地獄に落ちるという深いメッセージ性を持った、物語である・・・。
[暑い暑い、夏の事でした・・・。
アリさん達は、寒い冬に備え、一生懸命働いていました・・・。]
「えっほえっほ・・・」
『棒読み』で作業をするアリ。
[みんなで力を合わせ、食べものを運ぶアリさん。
トンネルを頑張って掘っている。
アリさんはみんながみんな、それは一生懸命働いていました・・・。]
そんなある日の事だった・・・。
一匹の『キリギリス』が 草かげで楽しそうに、歌をうたっていた・・・。
「アリさん、アリさん・・・。
なんで君たちはこんなに暑い夏の日にそんなに、
汗水たらして働いてるんだい・・・?」
キリギリスはアリさんを馬鹿にしたような感じで言った。
『棒読み』でダイコン役者のアリと違って、非常に感情の入った言い方だ・・・。
「なにをいうんだ、キリギリスくん・・・
いまのうちにはたらいておかないと、すぐにさむいふゆがくるんだよ・・・?
きみも、うたをうたうのはほどほどにして、
すこしは、たべものでもはこんでおいたほうがいいよ・・・?」
やはり『棒読み』でそう言うアリ・・・。
「君は馬鹿だなぁ・・・。せっかくの夏だよ・・・?
好きな事をして、楽しまないとつまらないじゃないか・・・!」
やはりアリとは違った、非常に上手く感情の入った言い方である・・・。
そしてアリはまた作業を始め、
やがて夏は去り、秋が来て、そして寒い冬がやって来た・・・。
冷たい雪の振る中をボロボロの服を着たあの時のキリギリスが、
おなかをすかせて彷徨っていた・・・。
「寒いよ~、おなかがすいたよ~・・・」
非常に迫力のある『演技』で、見る人は本当に、
「可哀想;;」と思った・・・。
その時、キリギリスは 一軒の家を見つけたのだった・・・。
「お~・・・、暖かそうな家だ・・・。
あそこに行って何か食べるものを、恵んで貰おう・・・。」
そう言って見るものの心を打つ『迫真の演技』で窓から中を覗いて見ると、
あの時のアリさん達が、沢山のご馳走を前に楽しそうに、
パーティーを開いているでないか・・・。
しかし食べ物を食べる演技もやはり下手だ・・・。
「どうせ食べる仕草なんて誰も見てないし適当でいいんだろう」
と思っているのだろう・・・。
「ごめんください・・・。おなかがすいて、死にそうなんです・・・。
お願いです・・・。何か、食べるものを恵んでくれませんか・・・?」
見事な演技で、本当に死にそうに見えた・・・。
「おやおや、キリギリスくん・・・。
きみはあのとき、なんていったんだっけ・・・?
あそんでばかりいるからそういうことになるのさ・・・。」
やはり棒読みの糞演技で、そう言われるキリギリス・・・。
そう言われたキリギリスは、夏の日に遊んでばかりいた事を、
大変反省し、大きな涙を流した・・・。
本当に涙を出し、『演技を超えたその演技』に見るもの達は感動した・・・。
おしまい。
・・・アリとキリギリス・・・。
シンプルだが、
『働かざるもの食うべからず』という深いメッセージ性を持った物語である・・・。
「はいカットお!!」
監督のカットの声がかかる。
キリギリスは監督やスタッフにまで腰を低く丁寧に挨拶をしているが、
アリはさっさと気ダルそうに椅子に踏ん反り返り、
「だりいなー・・・大体なんだよこの話・・・働く事の大切さって・・・つまんね・・・」
と、キリギリスの小道具のギターにツバを吐き、『アリ』はすぐに煙草を取り出す。
「おい・・・」
と、同期だが今や下っ端のキリギリスに声を掛ける。
「はっ、はい・・・」
と、キリギリスは慌てて火を付ける。
『アリ』は新人の頃は腰が低かったが、演技にも貪欲だったが、
売れっ子になり豹変し天狗になり、今や演技にも手を抜く怠け者になってしまった・・・。
子供達のイメージは『働き者』だが・・・。
「えっほえっほ・・・」と一生懸命働いていた頃の気持ちを、
今は忘れていた・・・。
「畜生、アリの奴・・・『カメラ』が周ってない所では偉そうにしやがって・・・」
ある日、キリギリスは遂にぶち切れた・・・。
『カメラ』が周ってる所では『働き者』を演じ、
そうじゃ無い所では怠け者、傲慢な彼に・・・。
「てめえ死ね!!」
『ギター』でアリをタコ殴りにするキリギリス・・・。
「うぎゃあああああああ・・・!!」
ボコボコにされて涙目なアリ・・・。
「アリさん、アリさん。なんで君は、こんなに暑い夏の日に、
そんなに、血垂らして痛そうなんだい・・・?
まあ僕が叩いてるからなんだけど・・・!!」
更にボコボコに叩き続ける。
「おやおや蟻くん・・・なんで苦しそうなのかな・・・?
君はあの時 なんて言ったんだっけ・・・?
偉そうにしているから、こう言う事になるのさ・・・。」
アリは死んだ・・・。
おしまい。
・・・アリとキリギリス・・・。
「自分はこんなに働いてるんだ偉いだろ」と偉そうにした者は、
謙虚な気持ちを忘れて天狗に、傲慢になった者は、
殺されて地獄に落ちるという深いメッセージ性を持った、物語である・・・。